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かつてSFではナンセンスでグロな笑いに「諷刺」「社会批判」を練りこむのが当然だったが、80年代の第二期「奇想天外」誌からのパロディ全盛、SF作家自身のタレント化によって捨て去られた。それは時代の要請ではあったが、世相や権力者を当てこすっただけで怒り狂う「普通の日本人」を生んでしまった。
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東京創元さんとカクヨムさんが学園ミステリを募集することでもあり、僕も創作欲がわいてきたが「しかし今の学校のこと知らんからねぇ」「視聴覚室がなくなったって知ってますか?」「へぇ。パソコン室とか出せばいいんでしょ」「いえ、今はタブレットですからそれもないです」と言われ早々に挫折する。
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こういう小理屈で、日本語からものすごい勢いで語彙が消されてゆく。街角の素人臭かったり素人はだしだったりした絵看板などが「いらすとや」一色になったようなことを日本語でやられてはたまったものではない。これに迎合する翻訳者らしき人間がいるのも不愉快。
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かつてある大物芸人が政治や世相について語り、評価された。すると今度は「芸人として大物になったら、政治や世相を語るもの」という慣例ができてしまった。かくて興味も識見もないのに場だけ与えられ、トンチンカンなことを語り、世を誤るはめになる。もうやめてはどうですか
news.yahoo.co.jp/articles/eab04…
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明治39年の『日本文学史辞典』より。かつて探偵小説は、「萌え絵」と大して変わらない扱いでした。それが今はどうでしょう。 twitter.com/odoru_suzume/s…
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「スターシップ・トゥルーパーズ」の国策映画みたいな作りが、原作者ハインラインの自尊自衛思想も含めた愛国マッチョイズムへのおちょくりだとアメリカ人には気づかれなかったと聞いて大笑いしたんだけど、まさか日本人であれをマジメに受け取る人がいるなんて、まさか……でも反応見てると確かになぁ twitter.com/BuniNaitoh/sta…
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AI絵師問題は、「絵の描けるものへの憎しみ」と不可分ではないだろう。体育の授業で走り方を教えず音楽では声の出し方を教えない日本流では、一部の天分あるものとそれ以外の分断が埋まらない。絵や漫画を描ける人たちが楽しく遊び回る運動場を、そこから断絶されたものたちが窓越しに見つめている。
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「レイダース 失われたアーク」が「キャノンボール」に負け、
「天空の城ラピュタ」が「子猫物語」に負ける。
それが興行というものの宿命です。
そして「正統派の面白い物語」が評価されるには、意外に時間がかかるもんなんです。そのかわり寿命は長い。 twitter.com/chogo2009/stat…
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この人の凄さは、政府の意向が「国民にマスクを外させろ」なら、何の葛藤も疑問もなくそう主張できること。たぶん家族が罹患してても平気。論理の不備を突かれるのは論客なら嫌なはずだが、恥とも思わない。本物です
三浦瑠麗氏 歯医者手袋ツイートが話題に 論理展開に戸惑い msn.com/ja-jp/news/ent…
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若い人、それも作家が「そもそも80円やそこらで東京から大阪に翌日に郵便が届く方がおかしかったんだ」と言い出したのに愕然としました。何もかもが贅沢、多くを望むな、お上の恩恵に感謝しろ――それをおかしいと思う僕は、きっと左巻きの老害なんでしょう。 twitter.com/ishikitokihiko…
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「エンタメにおける政治批判自体が駄目なのではなく、生半可だからいけないのだ」との意見を見たが違います。昔、中野晴行氏に同じことを言われて悩んだが、結論は「フィクションの中で一瞬でも現実を思い出すのが嫌なだけ」。あとそういう読者に迎合して抹殺した結果、免疫がなくなっただけのことです
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その前から漫画誌にかろうじて生き残っていた小説が単行本化されないのを何とかしようと、加納一朗先生らが動いたのが朝日ソノラマのサンヤング。書店での扱いはひどいものだったそうですが、前後して小説の連載枠自体が消滅。それでもこれがソノラマ文庫につながったのですから、偉大な功績でした。 twitter.com/HiroshiHootoo/…
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かりに僕が上司で、部下に兼業作家がいたら徹底的にしごき抜きますし、人事なら絶対に小説が書けないような部署に異動させますね。勤務中にほかのことを考えている人間は要らないからです。軽々に兼業作家をすすめる人は「会社」というものを知らないんだと思います。それでもあえてやるなら、お覚悟を
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「戦闘経験のない素人を徴兵しても無駄死にさせるだけ」(原文ママ)だから徴兵制なんてありえないと嘲笑うツイートを見たんだけど、徴兵制はそんなものではないし、じゃあなぜ各国に徴兵制があるかって話になるし、「二千万の特攻」とか言い出す国の為政者が無駄死にさせないわけがないじゃないですか
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「警察警察」「自衛隊警察」「歴史警察」に悩まされる同志たちに、評論家巽昌章氏の言葉を:
「考証上のミスが物語の本質にかかわる部分である場合は、事実より作品優先であるから直す必要はない」
「考証上のミスが物語の本質にかかわらない場合は、もとよりどうでもいいのだから無視すればいい」
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ここ十数年、不思議でならないのは、いつのまに「自分は保守派だ」と名乗ることが、何かちょっと胸を張って威張れる感じになったかということ。あと、テロを憂うる辻元清美氏にニコ生民が浴びせた嘲罵のように「野党はいくら馬鹿にしてもかまわない」風潮がいつできたのか。かつては全くないことだった
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あるジャンルの編集氏と話したのですが、出す側はこのままではいけないと新しい才能の発掘や伝統の復活を試みているが、主力購買層である読者の保守性にことごとくはねつけられて、数字を出せない。そこに「ほどほど」を続けなくてはならない苦悩がある。が、大変動はいずれ来るのです。新本格のように
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「いらすとや」が駆逐したのがこうした自家調達な絵なんだけど、その前にVOWなど80-90年代のツッコミ文化による素人絵への嘲笑があった。オジギビト研究にそうした悪意は感じられなかったけど、あれを見てやる気をなくした職場のマンガさん(というあだ名の人がよくいたものだ)たちも多かったろう。 twitter.com/Phase0329/stat…
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今年のもう一枚のポスターもひどいもんですが、タダで発注の手間もなく絵らしきものが出来上がるAIイラストの誘惑がどれほど危険なものか思い知りました。主催者側の低い意識を、それまでの画家さんたちが補っていただけなのだな、と。 twitter.com/darbyz80/statu…