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うつとか適応障害と診断される人の中に、単純な過労やストレスだけではない、ものすごく根深い生きづらさや自己否定感を抱えられているケースがある。
そういう人たちの「適応障害」は、単なるきっかけに過ぎず、休んで一時的に体力気力が回復しても、また同じ症状を繰り返してしまうことがよくある。
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ごく限られた一部の恵まれた環境に居続けた善良な方々が主張する「普通」というものが、いかに残酷に色々なものを切り捨てていることか。
「普通」を笠に着た人の主張の圧力は凄まじいものがあるな。
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元気の前借りは危険だよ、というはなし。
「この1週間さえ乗り切れたら」と元気の前借りをして無理に頑張りすぎると、借りた元気を返済して元どおりになるのに3ヶ月とかかかったりするんだよね。
返済時の金利が消費者金融並みなので覚悟をもってご利用は計画的にね、という話をしました。
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もちろん個人差もあるとは思うのだけど
「しんどくなった時には、自分に流れこんでくる情報の量を落とす」
というのはかなり有用な対策になるとおもうよ。
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「うつ」の落ち込みの度合いを調べる検査があるのですが、そのテストで長きにわたって最重症レベルの点数を叩き出す、本当にしんどそうな方がいまして。
ある日、その人の抑うつスコアが大幅に下がることがあった。
その人がやったことは
「1週間twitterを開かないこと」
だったのです。
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「メンタルを強くしたい」という人は多いけど、傷つきやすさとか対人恐怖がそんなにすぐに劇的に改善するものでもない。
なので、繊細さを改善しようと意気込むよりも
「わたしは傷つきやすく、メンタル弱めではあるけれど、対処法を100個知っているぞ」
という状態のほうが目指しやすいよ。
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天気が悪くて気圧がやばい日は「重力5倍デー」なので、今日やれそうなことの期待値を5分の1から10分の1くらいに設定しなおすといいね。やれやれ。
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やさしさの半分は知識やで
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心がしんどくて休んでいるときは、「あそぶこと」が大事だよ、と伝える。
「あそび」とは余白のことであり、「あそぶこと」の本質は「自発的に、失敗の過程を楽しむこと」である。
効率を追い、失敗を避け、無駄をとことん切り詰めると、息苦しくなって余裕がなくなり、結果「効率」が悪くなるのね。
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「私は生来闇属性の陰キャであり、陽キャとは分かりあえない」と言って退廃的な夜型生活を心がけていた人が、自粛期間にすっかり自炊やら朝の散歩などをはじめていて
「私としたことが、こんなヘルシーな生活をするなんて悔しいけど、なんか気分がいいんです。」
とか言っててこのひと最高だなと。
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「共感」ってなんだろうねというのを看護師さんと話しながら帰ってたんだけど、その根っこにあるのは「わたしとあなたは地続きである」という感覚ではないか。
わたしとあなたは違うけど、わたしがあなたであったかもしれないよねという感覚。
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4/15に2冊目の本が出ます。
「ゲームの攻略本のようなメンタルヘルス本」というテーマです。
いまの僕を全てを込めました。
コンテンツを愛してやまない人にこそ届いてほしい。
「心のHPが0になりそうなとき」に読んでほしい本を書きました|Dr. ゆうすけ @usksuzuki #note note.com/usksuzuki/n/ne…
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きょう話したある患者さんの印象的なことば。
「自分は一枚の板だと思っていて、一度割れて折れてしまったらおしまいだとおもっていた」
「でも、本当はジグソーパズルのようなものだった。崩れたら、またひとつずつピースを組み直せばいいんだということがわかった」
今までで一番良い表情だった。
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ただの陽キャじゃなくて「一周した陽キャ」って感じのひとがいるのね。
色々あったけど、それでも「人間を肯定したるねん」という意志をもって笑顔でいるひとがいる。
決して悲しいことがないわけではないのだよね。
そういうひとたちが発揮するやさしさは、なんというか、とても趣があるよ。
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人間だから、意味もなく気分が落ちることもある。
そんなとき「これのせいで落ちてる」という理由を無理に探さなくていい。
特に「過去の失敗」とか「未来の不安」とかと結びつけると長引いてさあ大変。
「落ちてるなあ」で済んだらいいし、それが難しかったら、できる気晴らしを淡々としたらいい。
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依存先を増やすのはとても大事なこと。
それは「100%理想の依存先」を探して転々とすることではない。
それは相手にとって誠実な態度ではない。
「60-70%でいいから、お互いにしっかり体重を預けられる相手」をじっくり3人探すというイメージ。
そういう相手とは、ちゃんとフェアになれる。
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「常識的に」とか「普通こうじゃない?」
とおもった途端に、こちら側の視点が妥当かを疑うことができなくなり、対話が困難になる。
知っててよかった2つの言葉
「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」
「全ての『べき』は目玉焼きに何をかける『べき』かと同じ次元のもの」
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「相談したい」の目的はたぶん大きく2つあって
①ぐちゃぐちゃしたものをただ吐き出して心の圧を解放しラクになりたい(リラクゼーション)
②事態をより良い方向に向かわせるため思考を整理したり打開策を探りたい(ソリューション)
相手がいまどちらを求めているかを聴く側が判別できると親切。
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「100点以外は全部0点」という考え方は、だいたい親かファーストキャリアの優秀で怖い上司からインストールされることが多い。
この考えは「二分法的認知」という言われるやつで、持ってると有意に生きづらさが増す考え方なのだよね。
どこかのタイミングでつきあい方を考え直したほうがいいやつ。
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飛行機に乗っている間、考えていたことを文章にしてみました。
人生のゲーム性が、全然ちがうんですよね。
「まったり死にたい勢」のこと|Dr. ゆうすけ @usksuzuki #note note.com/usksuzuki/n/n2…
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もしかしたら、「反復性うつ」とか「気分変調症」とか、そんな"病名"を言われたことがあるひともいるかもしれない。
水島広子先生のこの本が、事態を把握し好転する糸口になる方と多いかもしれません。
じぶんが置かれている状況に、名前がつくことで見えてくるものがある
amazon.co.jp/dp/B00VFM9C60/…
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生き残って大人になり、昔ほど危険ではなくなったとしても、他者のニーズを満たす生き方以外を知らない。
だから、いつまでも世界は危険で、信頼できない。
ただね、今は昔ほど危険ではないことを知り、じぶんのニーズを再発見してちゃんと満たしていくと、生き方は変わる。
そういうひとがいるよ。
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生き抜くために、じぶんのニーズよりも、親などの他人のニーズを満たし続けるしかなかったのだろう。
じぶんのニーズが無視され、存在をないがしろにされることが定常状態であれば、ひたすら満たすべき他者のニーズを探して生きるしかない。
そんな人生を誰が心から「生きたい」とおもえるだろうか。
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ただ、人間というのは本当に面白いもので、そういう世界観を生きていても、何処かのタイミングで世界への信頼を取り戻したりする。
不信をずっと貫くのも、それはそれで超絶な根気がいる。
今日も「ようやく何かを積み重ねる気になったわ」という発言を聞いたんだけど、いいよね。ロマンがあるわ。
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同じ環境に生まれていたら、おそらく同じような世界観になっているだろう。
人間の世界観をつくるのは、人生のはじめの方に触れ合うごく少数の他者であり、それは選びようもなく抗いようがない。