日本純文学史上最大の奇書「別れる理由」が復刊してるのだ 家族小説のはずが延々続く乱交ミュージカル!馬に変身してトロイア戦争を論じる主人公!作者が出てきて原稿が間に合わんとぼやき主人公に説教される超展開! 千野帽子氏曰く「ある意味奇跡のようなコンテンツ事故」見届けるしかないのだ〜w
「テルリア」はぶっ飛んだロシア文学なのだ 中世的な未来、散文詩文童話手紙日記と多様な形式で、巨人小人獣人十字軍パワードスーツが目まぐるしく登場する物語のジグソーパズル。キーワードは、脳に打ち込むと力が得られるやべえ釘・テルル ソローキンは説明が困難だが、どうかしてて面白いのだ〜w
奇書界最大の事件『サラゴサ手稿』完訳版が岩波文庫で刊行開始なのだ! 人肉喰いのジプシーが徘徊すると囁かれる荒涼たる山中で、盗賊、密輸入者、悪魔つきらが語る61日間の物語集 入れ子と脱線を繰り返す物語構造は『琥珀獲り』や『黄金時代』好きも!散逸原稿が見つかり叶った奇跡の出版なのだ~
ちなみにアライさんが今いちばん楽しみにしてるホラーは、秋にようやく各機種で日本語版が出る『恐怖の世界』ってゲーム。 伊藤潤二とクトゥルーに影響を受けたときめき白黒アドベンチャー!
同人誌に入れそびれたのだが、孤高のミイラアーティスト、江本創の幻獣標本シリーズも最高なのだ 「秘密の動物誌」の系譜にありつつも圧倒的な存在感を放つ異形の標本たちは、蒐集のロマンと不思議なノスタルジーが薫る枯淡の趣 「幻海灘」などの造語や、やたら味に言及しがちな解説文も楽しいのだ〜
怪奇本ていつの時代も人気だが、澁澤龍彦や穂村季弘も魅了した『突飛なるものの歴史』は別格なのだ 見よこの妖気漂う紙面!幻獣や奇想絵画が並ぶシブサワ風の前半、交感性エスカルゴ、七色のおならを鳴らす男など俗悪サーカスな後半、ともに激ヤバ! 1項目が短く読み易いのも◎。創作ネタにも是非〜
これちょっと流行ってるけど、廃棄本や加工用と分かっていてもしんどいのだ……
台風の夜は「キルヒャーの世界図鑑」で空想世界にぶっ飛ぶのだ 17世紀、科学魔術音楽地質学など博覧強記の異能で幻想科学の翼を広げたキルヒャー。本書は地下世界の描写から小鳥の囀りの楽譜まで、ときめき図版の数々を軸に奇想の曼荼羅を読み解くのだ 澁澤、荒俣、中野美代子らの解説も豪華なのだ〜
「本を紹介する」という行為のひとつの究極が『辺境図書館』なのだ 稀代の幻想小説家・皆川博子が紐解く埋もれた奇書の数々。シュオッブの黄金が、カヴァンの絶望が、横山茂雄の暴く錬金術が、柔らかな語りの魔法で淡く輝く さらりと引かれる作品まですべてが極上!全幻想文学ファンの羅針盤なのだ〜
ローダン ……ハリーポッターみたいなロゴにしても巻数のハードルは下がらないのだ……
パロル舎版の『冥途』こそ貴方のソウル冥途なのだ ご存じ夏目漱石門下・内田百閒が著した薄闇の夢文学を彩る、不気味で物哀しい版画の数々。グラフィックノベル風の構成で、海外の方や読書嫌いを幻想沼へ突き落とすのにも最適のコレクターズアイテム 『猫町』『夢十夜』も出てるのでコンプするのだ〜
祝復活!飛鳥部勝則「黒と愛」はぶっ飛びゴシック啓典なのだ 心霊が巣食う奇傾城で起きた首なし殺人。背後に蠢く製薬会社、人外の影。鍵は黒尽くめの美少女。「鋏は好きですか──」 登場人物全員怪人&狂人!超展開に次ぐ超展開!血塗れた果ての美しいラスト!10人中1人には突き刺さる怪作なのだ〜
竹本健治、皆川博子に発掘された知られざる魔書「柾它希家の人々」読んだのだ! 奇怪な住人が潜む荒廃した屋敷の、過去と現在が交錯する忌まわしき因縁譚。屋敷ホラーにも読めるが、どろりとした高熱の筆致で語られる妄執は、ドストエフスキーや埴谷の水子霊のよう "第五の奇書"ダークホースなのだ〜
クトゥルー重要文献ながら稀覯本の『黄衣の王』は電書版がおすすめ 精神を蝕む魔書を縦糸に、病んだ軍人のキ◯ガイ主観ワールド、石化剤をめぐる悲劇、地獄のオルガン弾き、黄の印と、ゴシック薫る品の良い狂気がずらり コズミックホラー前夜に生まれた出色の大傑作!異次元からのサインに慄くのだ〜
『夏のルール』で特殊な思い出を作るのだ 去年の夏、ぼくが学んだこと。ガラス瓶を落っことさないこと。裏のドアを開けっぱなしたまま寝ないこと。せっかくの計画を台無しにしないこと── 小さい人と大きい人に捧ぐ、ショーン・タン史上最高にドリーミーでノスタルジックな兄弟奇景巡り。絶品!
来月文庫化!「コルヌトピア」は密かにイチ推しの都市SFなのだ 植物による演算システム<フロラ>の発達で、都市部の中心に森林地帯を擁する未来の情報都市・東京 東大院生の著者が込める、庭園の思想と怜悧な都市論。物語に漂う「理系の爽やかさ」も心地良い!短い内容で都市もの入門にも👍なのだ〜
これは約束された勝利の奇書『腿太郎伝説』……冒頭から絶好調で偏頭痛ww(読み終えたら紹介します)
封印されたオカルト禁書「完本 黒衣伝説」を紐解くのだ 失踪した編集者の手記から感染する狂気&怪現象。黄金の夜明け団、モスマン、バネ足男、十字軍…膨大なオカルト知識の読解と、異次元の啓示に撫でられる感覚は、読者にまで侵食する危険度 真実は何処に。キールや稲生平太郎ファンも必読なのだ〜
左:一般的なサブカルチャー 右:オタクが思ってるサブカルチャー
「中二階」は超ミクロ視点小説なのだ ストーリーはエスカレーターに乗って降りるだけ。その間頭をよぎったあらゆる事象…不満こだわり蘊蓄哲学発見感動が、脱線に脱線を重ねながら200頁に渡って書き連ねられるのだ 本編を侵食するメタメタで膨大な脚注も読みどころ。手軽に読める中編奇書なのだ〜!
「カンタン刑」は孤高のグロ鬼畜作家、式貴士を堪能できる名品なのだ 殺人犯が死刑にしてくれと泣き叫ぶ究極の刑罰(ゴ○ブリ独房とか…)、全ての水が血液となった世界、首だけで生きる夫婦…突き抜けた残酷さがときにギャグ、ときにSFと趣を変えながら詩情すら湛える不思議 平山夢明も絶賛なのだ〜
【告知】 5/16 文学フリマ東京 タ-24 『奇書が読みたいアライさんのソローキン全作紹介SP』(16頁/300円) 開催の是非が読めなくてコピー本だけになっちったが、最狂奇書作家、ロシアの怪物ソローキンをまとめたのだ!よろしくなのだ〜(^^) 中止時はnote有料記事&別イベントで配布! #文フリ東京
「度胸星」は未完の名作SF漫画なのだ 主人公・度胸らが厳しい宇宙飛行士試験に挑む一方、火星では調査隊が謎の立方体・テセラックと遭遇するのだ へうげものの作者らしい熱量と超魅力的な謎を備えた大傑作なのに、諸事情で打ち切り… 打ち切りの悲惨さを教える戦争史跡のように読まれてほしいのだ😢
「メイコの遊び場」はいびつな味わいの問題作なのだ 昭和の西成を舞台に、余所者の少女メイコと少年たちが懐かしの遊びに興じる人情譚…と思いきや、夜のメイコは心象世界に引きずり込んでヤクザを壊す、不思議な能力の殺し屋 昼の遊びと夜の精神破壊の対比や、めくるめく謎に不安感が膨張するのだ〜