岩波文庫がお堅いというイメージは「至福千年」で覆すのだ キリスト教の終末思想・千年王国(ミレニアム)を幕末日本に融合。革命を企てる隠れ切支丹の二派が闇に蠢き、妖術幻術入り乱れる大活劇を繰り広げるド級の伝奇エンタメ大作! 孤高の無頼派・石川淳の、歯切れよく歌舞いた文体にも注目なのだ〜
「ある旧家に、廊下の曲がり角でふいに姿を消す女性の幽霊が出る。 その幽霊に恋してしまった男が、廊下をロの字型に改築して、終わらない鬼ごっこを愉しんでいる」 みたいな話を何かの実話怪談本で読んで印象的だったのだが、出典が思い出せないのだ……どなたか知ってたら教えて欲しいのだ……
さいきん気になってるのは、絶妙な邪神感ただよう清代のゆるかわおさかな図鑑「海錯図」 chinastyle.jp/haicuotu/
「人魚の石」良かったのだ 故郷の寺に帰った青年と、池で眠っていた人魚・うお太郎。山に埋まる奇妙な石を巡る少し不思議なファンタジー と思ったら術中! 薄く漂うじっとりした不安、人と妖を隔てる薄皮一枚の異物感が膨らんで、気つけば怪奇譚の濃霧ど真ん中。心に厄介な影を落とす読後感なのだ〜
哲学書に突然のシュブ=二グラスw
「ご飯は私を裏切らない」は極北のグルメ漫画なのだ 高い画力で描き出される、壊滅的に仕事ができない29歳フリーター女子の日常は、リアル過ぎる失敗談と幻覚と謎の言語センスに彩られてドラッギーな迫力。最果ての日々に食の輝きが際立つのだ WEBで読める&8月に単行本が出るのだ〜!(待てなかった)
来月文庫化!「コルヌトピア」は密かにイチ推しの都市SFなのだ 植物による演算システム<フロラ>の発達で、都市部の中心に森林地帯を擁する未来の情報都市・東京 東大院生の著者が込める、庭園の思想と怜悧な都市論。物語に漂う「理系の爽やかさ」も心地良い!短い内容で都市もの入門にも👍なのだ〜
もういくつ寝ると〜 ゴーストハント再文庫化……!! kadobun.jp/special/ghosth…
「ビビを見た!」は最強のサイケ児童書なのだ 盲目のぼくが不思議な声を聞いた日、7時間だけ視界が与えられ、代わりに町中の人が光を失う。非常事態下の街と列車、翅を持つ緑色の少女、巨人… 昏く張り詰めた不条理な物語。パンチライン炸裂のことばと、強烈な色彩の絵。トラウマ必至の劇薬なのだ〜
祝復刊!「旅に出る時ほほえみを」はソビエトSFの隠れた名作なのだ 《人間》とだけ呼ばれる科学者の男と、彼が生み出した金属怪獣17P。独裁政権が進む国を舞台に語られる現代の御伽噺 愛嬌、詩情、アイロニーが絶妙な塩梅で配合された寓話的語りと、科学者の矜持が煌めく力強いラストが最高なのだ〜
「100文字SF」面白かったのだ! 記憶、時間、世界構造、宇宙、怪物…あらゆるSFガジェットを超短編の結晶に磨き上げる手練れの辣腕 頭の体操になりそうな手強いネタから、ノスタルジックな風景描写、トボけた呟きまで、色とりどりのキャンディみたいな楽しさ!亀がやたら出てくるのはご愛嬌なのだ〜w
ついったー……(´・_・`)
kindle最狂は「架空の歴史ノート 帝国分裂編」で決まりなのだ 小学生?と思しき字で謎の空想戦記が綴られたキャンパスノートを丸々スキャン!人類王朝、百万軍ミリオンフォース、不沈都市トノス、正テラ教…イカした固有名詞が乱舞する大ボリュームのクロニクル 段々上手くなる挿絵にも注目なのだ〜
これほんと全ページ最高なのだ……
つくみず新作「シメジシミュレーション」まだなら今すぐ読むのだ! 頭にきのこが生えた引きこもり少女しじまと、なぜか目玉焼きを乗せた少女まじめのぎこちない友情を描くほのぼほ4コマ… で済むはずもなく、徐々に姿を現す世界の謎と圧倒的幻視の風景!灰羽連盟を再構築してるようにも見えるのだ〜
どうか……どうかクトゥルーブームが冷めないうちに、幻のアンソロ「慄然の書」復刊を……(高くて買えないのだ😢)
仙台が誇るいぶし銀な版元・荒蝦夷からは「彩雨亭鬼談」を採りたいのだ 職人芸の如き筆致で語られる忘れられた怪談の数々は、東北人の心根にも似たじんわりとした温かみ。伝説、狐、蛇、転生、刀…古き良き日本の闇が、みちのくの綺堂によって幻出するのだ 荒蝦夷はどれも渋い本ばかりで最高なのだ〜
たまにはガチ奇書、「ギガス写本」は知ってるのだ? 戒律を破り監禁された修道僧が、魂と引き換えにルシファーの手助けを得て一晩で書きあげたとされる"悪魔の聖書"。(実際の執筆期間は推定20年w) なかでも魔物の絵が描かれた頁は、発火現象を招いたなど因縁も色々… そしてでかい!現物見たいのだ〜
両親も年だしそろそろ防御力が心配……そんなときは「西洋護符大全」なのだ アンク、タリスマン、魔法円…あらゆる神話伝承を自在に採りながらヨーロッパ圏を中心としたお守りを総括する驚異の書 白黒ながらほぼ全ページに写真ぎっしり。文章はかなり硬いが、インスピレーションに満ちた書物なのだ〜
図鑑系ばかり紹介しちゃうの戒めたいが、「MILK CAP」には抗えないのだ 森永乳業ら大手から、ビタミン牛乳、ヤギ乳、果てはハワイで生産された模造品のメンコまで網羅した、たぶん唯一の"牛乳瓶のふた"カタログ ポップな誌面×文化の深さ×コレクター的面白さのトリニティ!ちょっとプレミア本なのだ〜
「失われたいくつかの物の目録」面白かったのだ! 地震で沈んだツアナキ島、マニ教の七経典、隠者が記した70冊の百科事典…読む博物館としての魅力もたっぷりに、静かな喪失のノスタルジーを込めて語られる幻想的なテキストは、まるで現代のボルヘス 各章短めで寝物語にも最適、装丁も素敵なのだ〜
伝説の奇所雑誌が「ワンダーJAPON」と名を変えて再開なのだ 廃墟、巨大建造物、遊具、ラブホ、海底(?!)まで、極限DEEPな東京異空間案内。打ち捨てられたものへの愛に溢れる写真と、QRコードによるアクセス案内など丁寧な紙面に感動! 前の会社辞めてまで本誌を創った編集さんの心意気にも涙なのだ〜
芳文社kindle77円セールは「月曜日の空飛ぶオレンジ」を推すのだ 普通の日常4コマと思いきや、ある朝顔が紙箱になったり、妙な部屋に転移したり、謎生物がいたり…ゆるキャン△の作者とは思えない不条理度、白昼夢のトリップ感に脳ぐにゃぐにゃ バイクや小物のフェティッシュな描き込みも佳いのだ〜
岡本太郎読んでたら、スポーツ観戦全否定してて太陽の塔生えたのだww
「ハリー・スミスは語る」ヤバい本だったのだ! 映像作家/音楽学者/人類学者/魔術師/錬金術師/あやとり研究家/イースターエッグ蒐集家…無限の肩書を持つ奇人の対話集。ギンズバーグと共振しディランに影響を与えた野生の思考が大爆発 ラリって縦横に飛ぶ宇宙的会話はエリアーデの小説みたいなのだw