謎解きゲームブームの今こそ「マイアミ沖殺人事件」の出番なのだ 豪華ヨット上で起きた密室殺人事件の、捜査資料そのものが丸々収録。証拠品(実写!)、鑑識データ、供述調書、手紙、間取りなどから犯人を推理し、袋とじの解決編に向かうのだ 探偵気分は抜群、古き良きアメリカの雰囲気も痺れるのだ〜
一部で話題沸騰中の「ピクセル百景」買ったのだ! 国内外のトップクリエイターによる、オリジナルのドット絵を集めた作品集。論考やインタビューも超充実、レトロゲームの文脈に留まらないドット絵アートの今が掴み取れるのだ どの絵にも、手仕事の粋と2Dへの憧憬が詰まっていて、胸が熱くなるのだ〜
「ワンダーブック 図解奇想小説創作全書」は最狂の創作ガイドなのだ 奇妙で狂った誌面に乗せた小説作法がぎっしり詰まった384頁大型本。SF、ファンタジーを中心に、プロットの立て方からキャラクター作例、ル=グウィンのインタビューまで、何気に超実践的内容なのだ 創作クラスタにおすすめなのだ〜
夏のホラーは「闇の司」で決まりなのだ 映画撮影中に起きた殺人事件を追ううち、秘された敷地、謎の屋敷で目覚める私…テーマは鬼。呪術的銘文と混濁した記憶の果てに辿り着く、幻想的残酷美の風景の見事さたるや! 幻想文学の旗手にして現代の澁澤龍彦、高原英理(本作は変名)ならではの銘品なのだ〜
宮崎駿、大友克洋、荒木飛呂彦……数々の巨匠に影響を与えた伝説の漫画家・メビウス。彼が60歳で描いた「B砂漠の40日間」は驚異なのだ 下絵も修正もなし、完全一発描きのペン画集。コマ割や台詞が消失した絵物語は、精神世界を掘り起こしたように奇妙で静謐なのだ 線一本一本に神が宿ってるのだ〜!
「テルリア」はぶっ飛んだロシア文学なのだ 中世的な未来、散文詩文童話手紙日記と多様な形式で、巨人小人獣人十字軍パワードスーツが目まぐるしく登場する物語のジグソーパズル。キーワードは、脳に打ち込むと力が得られるやべえ釘・テルル ソローキンは説明が困難だが、どうかしてて面白いのだ〜w
人様の個人的な手帳を閲覧できる手帳類図書室……めっちゃ気になるのだ…… 手帳類図書室で“300人の人生”を堂々と拝見 - nitti(ニッチ) nitti.jp/2019/01/04/tec… @より
「偶然の聖地」は最先端の国産SFなのだ 地図にない山、世界をデバッグする"世界医"、宇宙エレベータを奏でる巨人…奇妙なトピックの数々がカオスに収束する圧倒的構成力のトラベルSF 加えて凄いのが、全篇に渡る300超の註釈。本文へのツッコミ、着想の経緯、小ネタまで、著者の脳内全部入りなのだww
過去作ほとんどプレミア価格、伝説のカルト漫画家・逆柱いみりの名作「はたらくかっぱ」が今月末復刊するのだ! 氏の作品はどれも、不思議な風景を巡るだけの行きて帰りし物語。とびきり奇妙でどこか侘びた作品世界にトリップしたら、二度と帰ってこれないのだ 本作は特に読み易くておすすめなのだ〜
隠れた名作揃いの古典新訳文庫の中でも「白魔」は最高なのだ ラブクラフトが憧れた作家・マッケンの短編集。特に表題作は、超自然の気配と魔術の神秘性を少女の手記に閉じ込めた、隠微な傑作なのだ アライさんこういう"仄めかし"の詰まった作品好きなのだ…映画だとピクニックatハンギングロックとか
「奇書の世界史」買ったのだ〜 男の歪んだ復讐心で書かれ魔女狩りの教科書となった「魔女に与える鉄槌」、ペテン師が妄想で描く虚構の「台湾誌」、ヴォイニッチやダーガーまで、アライさんみたいな雰囲気奇書ではない正真正銘の劇薬ばかり! 丁寧な解説も最高!偉大な先輩に敬礼しながら読むのだ(^^)
「魔女の薬草箱」は会心の良書なのだ ベラドンナなど数々の薬草を切り口に、魔女や錬金術の伝承、薬効、レシピを、多数の図版と幅広い知識で見事にまとめているのだ 出エジプト記からハリーポッターまで出典多数で創作者にもお薦め。ただしレシピは材料欄に「新生児の肉」とか普通に書いてあるのだw
新青年随一のトンデモ名探偵、帆村荘六の活躍は「獏鸚」「蠅男」で堪能するのだ 赤外線男や振動魔ら奇人怪人、怪建築、秘密結社、サイボーグまで飛び出す珍事件を相手に、無茶な論理を振りかざし大活劇を演じる、愛するしかない名探偵w これぞ昭和SF、化学が幻魔怪奇だった時代のケレン味なのだ〜!
「紙葉の家」はアメリカ文学最大の奇書なのだ 無限構造を持つ家に関する記録。膨大な紙片に書きつけられた、その記録への調書。調書を手に入れた青年の記録…幾重にも編まれたメタ構造と、作中に仕掛けられた罠の数々。真実と虚実の曼荼羅に眩暈がするのだ 何よりこの発狂した紙面!読む迷宮なのだ〜
「度胸星」は未完の名作SF漫画なのだ 主人公・度胸らが厳しい宇宙飛行士試験に挑む一方、火星では調査隊が謎の立方体・テセラックと遭遇するのだ へうげものの作者らしい熱量と超魅力的な謎を備えた大傑作なのに、諸事情で打ち切り… 打ち切りの悲惨さを教える戦争史跡のように読まれてほしいのだ😢
kindleセール中の写真集「バイコヌール宇宙基地の廃墟」良かったのだ! 旧ソでただ一度の打ち上げを経て打ち切りとなった幻の宇宙開発計画"ブラン計画"。その舞台となった建築物の廃墟は、ロケット、メガストラクチャー、工場ファンにも垂涎の景観 未来と過去が等しく凍りついた風景に息を飲むのだ〜
「魔導書ソロモン王の鍵」はロングセラーの黒魔術入門書なのだ 著者は鏡リュウジの変名。黄金の夜明け団やゲーティアとは違うが、現代風に代替しつつソリッドに纏まった黒魔術概論、72体の悪魔召喚術、付録に魔法円までついた実践的内容 君の本気を応援するグリモワール。地味に売れ続けてるのだ〜!
「挫折を経て、猫は丸くなった。」は、存在しない小説の書き出し、冒頭の一文だけを集めた本なのだ 仕掛け人はバカドリルの天久聖一。無限の想像力を掻き立てられる416本の書き出しは、続く物語が気になってのたうちまわること請け合いなのだw 息抜きの読書や創作の練習、何かと役立つ一冊なのだ〜
本日発売!「定本バブリング創世記」は筒井康隆の実験作なのだ アライさん的には何と言っても表題作。創世記をジャズのリズムに置き換え時折アクセントを加えた言語解体ショーは、字面がもう凄いのだw 他にもトリッキーな名作ホラー「鍵」や皮肉の効いた「ヒノマル酒場」など粒揃いの短編集なのだ〜
「ピダハン」は驚きの民族レポートなのだ アマゾン奥地の少数民族ピダハン。彼らの言語は左右、色、過去未来、数の概念がなく、神もいない…言葉の特異さは勿論、宣教師の著者が彼らに出逢い価値観を転換する様も感動的 経験したことのみを語り、究極の今を生きる彼らに、幸せの意味を問われるのだ〜
「十二神将変」は、寺山修司らと並ぶ歌聖・塚本邦雄、唯一のミステリなのだ 短歌同様に磨き抜かれた、冷ややかに輝く旧仮名の文体と絢爛な漢字。茶道、仏教、阿片、魔法陣などの衒学に彩られた殺人事件… 虚無への供物の反現実を思わせるが、こちらはより孤高。不可侵の結晶世界を創りあげてるのだ〜
ビアスは悪魔の辞典ばかり有名だが、短編こそ凄いのだ 芥川「藪の中」に天啓を与えた「月明かりの小道」、黒い笑いがこみ上げる「犬油」など怪奇幻想皮肉悪意に満ちた切れ味鋭い名品ばかり そして何より"行き止まりのはずの洞窟に入ったきり失踪"という作者自身の最期が、作品以上にミステリなのだ…
「大東京三十五区 冥都七事件」は隠れた名作ミステリなのだ 昭和六年の暗闇残る東京、血を吐く松や幽霊電車の怪事件を取材に走る書生と、"縁側探偵"玄翁先生 レトロモダンの香り高い講談調の名調子は、十蘭の魔都や鏡花を思わせる小気味良さ。作者の物集高音は6冊を残し消えた覆面作家。何者なのだ…
「中二階」は超ミクロ視点小説なのだ ストーリーはエスカレーターに乗って降りるだけ。その間頭をよぎったあらゆる事象…不満こだわり蘊蓄哲学発見感動が、脱線に脱線を重ねながら200頁に渡って書き連ねられるのだ 本編を侵食するメタメタで膨大な脚注も読みどころ。手軽に読める中編奇書なのだ〜!
「ブラックロッド」はアライさんが一番好きなラノベなのだ 仏教×オカルト×サイバーパンクな唯一無二の世界観と、渋く乾いたハードボイルド。3部作で魅せる異形都市の完全なる創造と破壊は、ブレードランナーを超える衝撃なのだ! 作者の古橋秀之は著作だいたい捻りの効いた奇書で全部おすすめなのだw