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本校に来て良かったのは、自分の中の「ステレオタイプな米国」像が粉々に砕け散ったこと。
・他人を気にしない
→(BLM運動等)強い同調圧力あり。意見表明は慎重に
・実力主義
→超絶学歴社会
・根回し厳禁
→重要事項ほど当然根回し(本校有名教授の発言)
・謝罪はダメ
→真摯な謝罪、超重要(同上)
52
最近の日本では会社の飲み会は忌み嫌われどんどん無くなる一方、渡米したら「週末は会社BBQ!皆で盛り上がろう!」「終業後はハッピーアワー!職場の交友を深めよう!」とか周りで滅茶苦茶やるし、何ならスタンフォードの経営の授業でも奨励されていて、私が見た米国はウェット、日本はドライだった。
53
スタンフォードのアジア系米国人学生、幼少期から死ぬほど勉強・習い事・慈善活動・留学・スポーツや芸術に全方位で打ち込んでいて、皆人生を逆算したような全く隙が無い経歴を必死で作り上げており、超学歴社会である米国の競争の激しさが伝わってくると共に、幸せの意義について考えさせられる。
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コーチングの授業で強調されたのは「アドバイスはするな」
他人からのアドバイスのほとんどは、実は役に立っていない。
相談者が自分で解決策に気づくしかない。
その為には、指導者/メンターは
傾聴
明確化・パラフレーズ
疑問点に対する質問
似たような経験のシェア(notアドバイス)
に徹する。
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ハーバードとMITが「Web授業のみの非米国学生は国外退去」との命令に対して米国土安全保障省等に訴えを提起した件。
たった今、本校の学長から告知があり、スタンフォードも訴訟に参加表明(amicus curiaeとして)。
イェールも。
トランプ政権v.s.全米エリート大学連合の全面戦争化しそう。
凄い。
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行動経済学の授業で面白かった話。
「お店のスタンプカード。
空欄8個のカードより、空欄10個で事前に2個スタンプを押したものを配る方が、客はスタンプを迅速に埋める」
人は「目標に近づいているように見える」ほど、段違いにやる気を出す。
人を動かしたい場面では、「進捗感」を作出する。
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昨年は各トップMBAの学校説明会を回っていたのだが、その中で最も有益だった卒業生からの助言がこれ。
「米国人は寿司が死ぬほど好きだ。寿司が握れるだけで学校のヒーローだ。他に何もできなくてもキミの周りには常に人だかりができるぞ。とにかく留学前の夏は寿司握り研修に全エネルギーを費やせ」
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米国上位大学は世界大学ランキング等のおかげで神格化されがちだが、実際に接してきた身からすると、勿論そこの大学生には優秀な者が多いものの、日本の最難関大学にも優れた学生は多数おり、英語の点を除けばこれらの大学生の質に言うほど差は感じず、皆ただただランキングに踊らされている。
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今年はスタンフォード大学の学部の合格率が3%台と史上最低だったらしく、皆が幼少期から早くも大学合格を目標に据えて英才教育を受け続け課外活動に必死に取り組むが、なお無限に上には上がいるため全然受からず、近年の米国の受験戦争の激化は日本での競争と比べものにならないレベルに達している。
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授業で出たValveという会社が凄い。
社員300人以上なのに「階級化は創造性を壊す」から社員は一切階級なし。上司ゼロ完全フラット。職種問わず皆やりたい業務に好き勝手従事。他社員の評価のみで給料決定。
これで推定時価総額4000億円・社員あたり売上はGAFA以上。
組織のあり方を再考させられる
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プレゼンの授業にて。
「ジョブズは誰もが認めるプレゼンの天才だが、彼は、
プレゼンの数週間も前から入念な準備を行い、
最低でも丸々2日ほどを準備だけに充て、
スライドから何から全てを逐一詳細に確認していた。
彼から何か学ぶなら、表層的なテクニックでなく、彼の『努力と準備』を学べ。」
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昔交渉の授業で教授から留学生に向けられた「米国は交渉が文化基盤だ。ダメ元で責任者を探し相手を怒らせない態度でネゴれ。君らの国で無理な場合もここは交渉余地がある」との言葉を忠実に実践したら、学費免除を倍増できたり飛行機に遅れたのに搭乗できたりしており、交渉社会ぶりを実感している。
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授業で今日学んだのは、「内省」のもたらす劇的な効果。
HBSの研究によると
「1日15分だけ明確に時間を作り『自分がその日に学んだこと』をしっかり振り返ると、それだけで業務パフォーマンスが10日後に23%も向上」
誰でも簡単に通勤/ジム/風呂等の隙間時間にタダ&短時間ででき、費用対効果最高。
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米国では学歴フィルターはさも当然のように様々な場所に存在しており、しかも修士以上がほぼ必須の職も多く、最難関大の学部を出て経歴もピカピカの知人が米国で転職を希望した際に、学部卒との理由でそもそも応募すら出来なかった例もあり、日本社会の方が随分と学歴に関しては寛容だと感じる。
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授業で出たこの研究は考えさせられた。
「革新的なアイデアを一番初めに市場投入した企業のうち、後の競争の勝者はたった『9%』。しかも65%は完全に敗北。
イノベーターは大概、同じアイデアの後発企業に敗れ去る。
苦心して新アイデアを生み出すより、それに追随する方が圧倒的に成功率が高い。」
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以前授業でディスカッションの場があったんだけど、そのテーマが「成果主義が一般的でない米国社会で成果主義を普及させるには」で、米国人同級生は「それは米国では無理だよね...」などと皆頭を抱えており、「米国は成果主義の国」という固定観念を日本で植え付けられた私は一人で大混乱していた。
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コロナによりWebライブ授業に完全移行したスタンフォード大学。
Web授業ではポケモンのコスプレをする者、ビーチやスキー場から授業に出席する者、唐突に腹筋を始める者、チャット欄でなぞなぞを出し合う者などが続出するも、そんな彼らも議論には大真面目に参加しており、カオスとはまさにこのこと
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中高生に戻れるなら確実に注力するのは数学で、数学的素養がないとファイナンスも経済学もデータサイエンスもコーディングも、大人になってから触れる面白いテーマを「サルでもわかる~」的入門書を読んで以降数学の壁に阻まれ深堀りできず自分の可能性が激しく狭まるので、若者は数学を特に頑張れ。
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米国人同級生は授業の傍ら起業もし、仕事に慈善活動に毎日夜中までパーティー全出席と「どこにそんな時間が...スーパーマンか...」と思っていたのだが、先日DeepLを宿題に初投入したら文字通り一瞬で宿題が終わり、期せずして今まで知らなかった非ネイティブが背負うハンデの巨大さが鮮明に分かった。
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学生は激務系職を甘く考えてしまいがちであり、たとえ貴方がインターンで5徹して余裕だったとしても、部活で死ぬ程しごかれていても、体力に人一倍自信があっても、そんなことはさして関係がなく、仕事が24時間365日無限に押し寄せる世界で心身共に耐えられるかは、実際にやってみないと分からない。
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日本だと潰しが効く等の理由で就活生にはコンサルが人気だが、この地ではコンサルブームは遙か昔で今はプロダクトマネジャーが花形。「ミニCEO」等と呼ばれマーケット分析や顧客要望を製品に落とし込む。起業家や経営者を狙う者に人気で、羨望の眼差しで見られる。日本でも後追いで多分ブームが来る。
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少しお年を召した方に「海外の大学院に留学している」という話をすると、ああ希望するだけで会社のお金で誰でも簡単にいけるやつね、周りはみんなハーバードやら行ってたわ、などと仰ることがあって、グローバル化が叫ばれる今日よりも昔のほうが日本人はよっぽど外に開けていたのかもしれない。
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授業で「威厳が出る振る舞い」を練習している。驚くほど効果があってお勧め。以下をやるだけ。
低い声
早口厳禁
顎を上げる
常時目を見る
髪や首を触らない
即答せず1.5秒後に返答
相手の発言に頷く等の反応を抑える
自分の発言への相手の反応を確認しない
相手のパーソナルスペースに自ら踏み込む
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昼寝中の赤ちゃんは一度目覚めると再度の入眠が困難なのだが、赤ちゃんが消防や救急やパトカーのサイレンで起こされるのは何の不満もないものの、爆音で名前連呼しかしない選挙カーに叩き起こされるのは全く納得がいかないし、こんな歪んだ選挙活動が中心の日本の選挙制度にも全く納得がいかない。
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MBAの人達が「PMFが...TAMが...」と小難しい横文字を並べて延々議論している一方で、周囲ではそんなのを全部すっ飛ばして「まずタピオカ屋を作る!次はマスク屋!最後はPCR検査場!」と儲かる事業を野生の勘でかぎ分け矢継ぎ早に展開して巨財をなす人達がいて、結局こういう人達には全然かなわない。