どうそく(@madanaizo)さんの人気ツイート(古い順)

51
橋本治先生は「桃尻娘」を書いた時に「この女子高生はリアリティがない」と年配の批評家に言われて「実際にこういう女性は世間にいるし、これは私だ!という感想も多いのに…俺の書き方が下手ということか?」と悩んだが、ある日「あ、これは〝私は知らない〟の言い換えだ」と気づいて吹っ切れたそうな
52
親戚の飲み会に行くと、ひろゆきやホリエモンの尊敬されっぷりにびびる。それも若者ではなく、インテリ気味の中年や老人の賛美が多い。彼らにとって「学ぶ続ける」ってのは大事なことで、でも本はもう読めないから「最先端」のyoutuberに触れることで「俺は今も学んでる」という姿勢を確保してる感じ。
53
笑えないし、ネタにもできないよ。数十年後の我が身じゃ。コレは。
54
「ふん、あんなもんにハマる老人どもは今まで〝本当の学び〟をしてこなかったのだ」とイキってる人達が妙に多いけど、なんか、そういう人こそがハマる気がすんですが。「人間が何かにハマることにはそれなりの理由があるはずだ。だからもしかしたら俺も歳を取ったら…」という可能性を一切考慮しない人
55
塩田監督が「寅さんは「寅さん」というキャラを演じてる。そのキャラを演じないと世間と関係を持てない人だ。でも女性と真剣に向き合おうとした時に、キャラが壊れそうになる(でも壊せない)瞬間があって、それが悲しい」と評したのを「寅さんは今の視点で見るとありえない」と議論になる度に思い出す
56
多分、寅さんは当時の人達から見ても「普通に迷惑な人」に見えたと思うんだけど、同時に「この人はキャラを演じてるんだな。そうしないと人と関係な持てないんだな」ということは分かってて、そういう「生きて行く上でキャラを作る必要があった人」の哀しさみたいなものも理解してた気がするんだよね。
57
年配の人はよく「昔の脇役は顔に味わいのある俳優が多かった」と言うけど、もうこの「味のある」という表現は伝わらん気がする。押井さんが前「生身の人間が持っている情報量は膨大だから、デジタルで再現するのは難しい」とボヤいていたけど、もしかしたら「情報量の多い顔」の方が通じんじゃないかな
58
「映画は90分がベスト説」に関して三一十先生が「長い夢を見ると夢の途中なのに「あっ!これは夢だ」とわかる時があるように、映画を見てて「コレは映画だ!」とあらためて気付かされる瞬間が90分あたりにある」と指摘しておられた。コレは本当にすごい指摘だと思うよ。これは100億RTされないとダメだ
59
ギリシャの哲学者が「なぜモノは落ちるか?」と聞かれて「全てのモノは大地から生まれた。モノは生まれた場所へ帰ろうとしてるのだ」と答えた話が好きなんだよね。これは間違った答えだけど、なんか一瞬「成程な」となる。万有引力という正しい答えをしってる我々より、遥かに考え抜かれた答えだと思う
60
「ナチスもいいことをした」で盛り上がる度に「ナチス=絶対悪!」でやってた昔の娯楽映画は案外大人だったのかな、となる。昔の娯楽映画もそこまで単純に白黒分かれてたワケじゃない。でもナチは絶対悪だった。それは要は「世界は単純じゃないが、それでも許してはいけないものはある」ってことでしょ
61
Twitterは同じ話が何度もできるからいいよ、ホント。実生活でしたら「おじいちゃん、その話は前も聞きましたよ」で終わりだ。でも当人は「今度こそ、もっと的確な言葉で表現できるはず…」の精神でやってるからね。
62
SNS。「感想は自由でいいんだ」みたいな言葉が大好きなくせに、著名人に好きな作品が否定された時(「内容を誤解してる」とか「好きな人を馬鹿にしてる」みたいな内容の感想でもないのに)は袋叩きにする感じがスゲー嫌。結局は「”肯定的な感想なら”自由でいいんだ」ではないのか。
63
柄本佑、いいこと言うじゃん。 「家では映画、観られないんです…画面も小さくて…どこか映画を下に見て、自分が上に立ってしまう。その“世界”を掌握できてしまうから。 僕は、映画って“見上げる”ものだと思っていて」 「他人同士で限定された時間に“人生を共有する”ということが映画の第一にある」
64
『モスラ』でネルソンが射殺された時、警官が死体の手を踏んでから拳銃を取り上げる場面があるんだけど、あそこは見る度に「凄くリアルだ…」となるな。今までずっとファンタジーでやってた作品なのに、なんで急に「作り手の戦争体験を反映したであろう、超リアルな描写」を入れてくるの…と怖くなる。
65
[『たたり』とかもそうなんだけど「その描写自体は怖くくないけど、その描写を可能にしたもの(作り手の「冷静さ」や、戦争体験等)は下手なホラー映画より怖い」という感じは、昔の映画を見てるとよくある。戦場で人殺したことあるスタッフとか普通にいたんろうなぁ… twitter.com/madanaizo/stat…
66
小津が戦場体験を「実際に人を刀で斬る現場を見たんだけどね、斬られた方が一瞬「うっ」と動きが止まって、それで倒れるのよ。チャンバラ映画と一緒。チャンバラ映画も案外馬鹿にできんね」とか語ってるを読むと「おい…」となる。このあっけらかんさが凄いよなぁ。この感じは今映画では再現できないよ
67
今これを映画で再現しようとすると「凄く残酷なことをしてます(でも、誰もそれに気づいていません)」みたいな「戦争って怖いですよね」感がどうしても出てしまう。でも小津はまるで「ピクニックでこういう光景を見た」みたいな感じで話す。この感じ。この感じは絶対再現できない(できなくていいかも
68
この前TVでニコラ・テスラの伝記をやってたけど、彼が電気に興味を持ったのは猫に触れた時の静電気が切っ掛けだったとか。で、父親に「それは静電気。世界中どこでも存在する」と聞かされた時「世界は電気で出来ている」ではなく「世界は猫で出来ている」と思ったとさ。この辺が凡才と天才の違いかな…
69
サイゼリヤ。創業者の正垣泰彦氏が書いた外食経営の指南書がかなり面白い本で、この「求められる”おいしさ”は店によって違う。客は料理の品質と店の用途があってる時に”おいしい”と思うのだ。味だけ論じることには何の意味もない」という指摘とか、他の物事にも当てはめることができると思うんだよな。
70
文學会の当事者批評鼎談。カフカの『変身』に関して「”虫になったザムザが大冒険するかと思ったら、部屋が出ないで終わるのでびっくりした”と言ってる若者がいた」という話が出てきて爆笑したんだけど、でも「あの小説(映画)は難解だった…」と言う時の「難解」って、案外こういうものかもしれんよな
71
宮崎駿の発言で好きなのが「ディズニーが嫌い」なのよね。要は「娯楽作品は入り口は広いけど、見てる内に階段を登らされて、出口では清められた気分になってるのが本当。でもディズニーは入り口と出口が同じ高さじゃないか」という。その意味で監督は「映画は娯楽でいいんだよ」という考えは嫌いらしい
72
『イメージ、それでもなお』強制収容所のゾンダーコマンド(『サウルの息子』のアレ)が、惨状を人々へ伝えるべく、監視の目を盗んで密かに撮影した写真について論じた書物だけど…初めて読んだ時、冒頭にゴダールのこの言葉↓の引用があって驚いたな。一つの言葉が収まるべき箇所に収まった感じが凄い
73
この本で知ったけど、当時SSの一人は強制収容所について「疑惑が残り、歴史家の調査もなされるだろうが、証拠はないだろう。我々はお前達と共に証拠も抹消するからだ。仮にお前らの誰かが生き延びても、お前達の話はあまりに非道で信じられない、と人々は言うだろう」と発言したらしい。凄いよな、コレ
74
「オタクは陰謀論にハマらない」でも「オタクは経済を回してる」でもいいが、好きで作品を見てるだけ(特に努力なんかしてない)なのに、そこに「だから偉いんだ、凄いんだ」というものまで引き出そうとする根性がコスいと思う。自己啓発っぽいよな、ありのままの貴方が一番(既に)最高!って感じの。
75
「貴方達日本人だけが気付いてないけど、実は日本人は最高なんですよ!」みたいな話と同じだと思う。聞いてる方は、特に何もしてないのに(今のままの)自分が肯定されて嬉しい、みたいな。そしてそれは常に「こういう話をすればもうかるぞ」という金儲けとセット。