どうそく(@madanaizo)さんの人気ツイート(いいね順)

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夏目漱石とか、初対面の人にも「お世辞も言わないし、愛嬌もない。なのに話していて感じがいいのが妙だ」と不思議がられたと言うからな。最後は「腹が立った時は、漱石のとこへ行けばなんとかる」と思われてたらしい。お世辞も言わないし、愛嬌もないのに好かれるとか理想じゃないか。俺もこうなりたい
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『モスラ』でネルソンが射殺された時、警官が死体の手を踏んでから拳銃を取り上げる場面があるんだけど、あそこは見る度に「凄くリアルだ…」となるな。今までずっとファンタジーでやってた作品なのに、なんで急に「作り手の戦争体験を反映したであろう、超リアルな描写」を入れてくるの…と怖くなる。
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春日武彦の「長年精神科医やって悟ったのは、人間の精神のアキレス腱は所詮「こだわり、プライド、被害者意識」の三つに過ぎない、というシンプルな事実」発言は、定期的に思い出すな。結局文学も哲学もこの「シンプルな事実」を高級な言葉(自我…疎外…)で隠すために阿呆に求められただけではないか
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坂本龍一が「いつ死ぬか分からない」という状態になった時、過去の作曲家が死ぬ前にどんな曲を作っていたかを調べた、という話が好きなんだよな。バッハは普通に「明日死ぬかも」と思いながら普通に曲を書いてた。ドビュッシーの遺作は、家に石炭を持ってきてくれた店のオヤジに感謝を表した小曲だった
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小津安二郎先生に「どうでもよいことは流行に従い、 重大なことは道徳に従い、 芸術のことは自分に従う」という有名な言葉があるが、今はコレが反対になってんじゃないかという不安はある。「道徳や芸術のことは流行に従って、どうでもよいことは自分に従る」みたいな感じで。
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前も書いことあるけど、北野武が映画の授業で学生達に「映画の撮り方」等は教えず、代わりに超高級レストランやバーへ連れて行って、「どういう人がどんな会話や動きをするか。覚えておきない」とやった話が好きなんだよ。お笑い芸人と教養の関係が話題だけど、教養ってのはこういうもんかもな、と思う
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明治大正の小説を読むとよく「約束もしてないのに誰かを訪ねに行く」場面がよくある(で、「留守だ」と言われて帰っていく)が、みんな予告なしに会いに行くから、そこに世代が違う人や、新たな知人がいて世界が開けた…みたいな話を聞いて、ちとハッとしたり。今「知らない人」に会う機会、減ったなぁ
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(定期)昔の映画の悪役がベラベラと自分の計画を話すのは、自分のやってることを「犯罪」ではなく「芸術」と思ってるからです。「止めれるものなら止めてみろ」と主人公を挑発する行為含めて。私に言わせれば「35分前に実行」するような野暮天が増えたから、映画の悪党から優雅さが消えたんですよ↓
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サイゼリヤ。創業者の正垣泰彦氏が書いた外食経営の指南書がかなり面白い本で、この「求められる”おいしさ”は店によって違う。客は料理の品質と店の用途があってる時に”おいしい”と思うのだ。味だけ論じることには何の意味もない」という指摘とか、他の物事にも当てはめることができると思うんだよな。
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今の映画館は客が全然いないんだけど…昨日「男はつらいよ」を上映ギリギリに入ったら、唯一の先客としていた車椅子のおじさんと付き添いの女の人(夫婦?)が、座席を何席分も占領してる光景に遭遇した。俺の顔を見たら「しまった!」みたいな表情してたけど、俺は正直「そのままでいいよ」と思ったな
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俺は「世間一般においては会話の内容より、会話をした、という事実の方が重要なのだ。マニアはすぐ(出来もしないのに)内容のある会話をしたがるからイカン。普通の人がしたいのは「ある映画を見た」という話であって、監督論や映画論の話ではないのだ」ということに、去年ようやく気付いた男なので…
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↓古市憲寿の小説が「”無名”の小説」を参考してたことが問題視された時、川上弘美が「自分だけの声を生みだすということが、どんなに苦しく、楽しいことなのか、貴方にはわかっていないのでは。だから安易に他人の声を「参考」にしたのではないか」と批判した文を読んだ時は刺さったねぇ。他人事ながら
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ASKAが初めて曲を作り始めた時に「ふうん、なんだ。このピアノの黒い部分を使えば「良い曲」ってのは簡単に書けるんだな」と思った…という話があるそうな。俺はここに天才の早熟さというより「脳のこの部分を弄ればね、何もなくても人は泣くんです」というマッドサイエンティストの不気味さを見る
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坂本龍一が「なぜあなたは曲を作るんですか?」と聞かれた時に「だって、インプットばかりしてると飽きちゃうし」と答えてたのが、地味に好きなのよ。いい答えだと思うけどなぁ。インプットに飽きたからアウトプット(作曲)する、っての。
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前も書いたけど…アジアの葬儀で「泣き女」ってのがいるでしょ?アレ、よく「意味わからん」的にバカにされるけど、実は結構合理的なものらしくてさ。要は泣き女が遺族の代わりにワンワン泣いて、悲しんでくれるから、遺族は安心して「遺産をどう分けるか…」みたいなダーティーな話も出来るんだとか。
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佐野史郎。昭和のゴジラ映画はどんなに子供向けの作品でも、俳優が下手でも「ゴジラだ!」と言えば、なんかただことで無い感じが出た。でも平成以降は俳優が「リアルに見せよう」と真面目にやってる分、逆に「本当はゴジラを信じてないな」と感じられて、映画が弱くなる…と言ってて、これは中々鋭いな
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「独身は40~50代でおかしくなる」「いや、趣味があれば狂わない」「人間関係が…」と盛り上がる人にぶつけたくなる、カミュさんの「ただ普通であるということのために、莫大なエネルギーを使っている人がいることを誰も理解してない」という(出典不明の)名言。俺はただ「普通」になりたいだけんだ
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『ナウシカ』制作時。巨神兵が王蟲を殺す場面で、宮崎が突然「俺には殺せない」と言い出し、作業がストップした。で、高畑勲が「王蟲なんて殺しゃあいいんだ!」と怒鳴ったら再開した…という有名な話。やっぱアレは重要だよ。映画作りには悪人がいるんだ。いや、悪に耐える精神を持った男がいるんだよ
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『花束みたいな恋をした』それまで今村夏子を読んでいた麦君が、ブラックな企業に勤め出した途端、自己啓発本を読む場面がある。ここはウゲーとなる場面らしいが、もっと素直に捉えてもイイと思う。麦君がサバイブするために必要な言葉は今村の上品な本ではなく、野蛮な自己啓発本の中にしかなかったと
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「体系的に学んでないならそれは知識とは言わないよ」はそんなでもなかったけど、なんかの漫画で「アンタはずっとトリビアな知識を披露してるだけじゃないか。それは〝会話〟とは言わないよ」という台詞を読んだ時は死ぬほど刺さったよ。それが会話じゃないなら、私のような人間はどうすりゃいいんです
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なんでヒットしたのか分からん作品があるのは、自分が考えているよりも世界が豊かな証拠ですよ。多分。
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それはそれとして、昔(ゴミみたいな)卒論の口頭試問の時、自虐ネタ連発してヘラヘラしてたら、先生に「なんだろう…きみ、とりあえず頭を下げておけばこの場をきり抜けられると思ってない?単位がもらえると思ってない?」と怒られたのがトラウマになってるので、人前では自虐ネタやらんことにしてる
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我々は「価値観をアップデート」出来てないオッサンを笑うが、オッサンが古い価値観を今も持ってることにはそれなりの理由や合理性があるワケで(旨味も)。それを理解しないままオッサンをネタにしてると、自分がオッサンになって「古い価値観」の意外な合理性に気付いた時、急にコロッといく気がする
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「人間、40歳になると急にガタが来るよ。メーカーの保証期限が切れた感じ」という呟きを以前見たが、本当だな。急に性能が悪くなる。そのくせ修理に出しても「もうこの機種は作ってないから、部品がない。今あるやつを騙し騙し使ってください」とか言われるんだ。たまらんよ。
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近所の廃病院を知り合いが譲り受けて、今リフォーム中と聞いたから見に行ったら「昭和の世界」がそのまま残っていて感動した。今となってはなんのために使うかよく分からん機械まであって、ちょっとしたSF感覚まで味わえたよ。まるで本多猪四郎の特撮映画(の日常部分)の中にいるようだ。