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「日本は貧しいか」は「貧しい」の定義次第だが、貧しいという語からイメージされる「労働者の生み出す価値が乏しい」という状況ではなく、「働かない高齢者が多いので、労働者に対し(福祉や医療費等で)社会の負担が非常に重くなっている」という状況だということは理解しないと対策を誤る。
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ちなみにGDPの方のデータはあくまでも「伸び」の話で、絶対的なGDPの数値でいうと、日本は現状世界3位(アメリカと中国が上)、ワシントン大などの2100年の予測値でも、労働人口が半減して相当苦しくなるがそれでも世界4位となっている。
manetatsu.com/2020/11/304849/
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選挙という最も面倒で大変な関門をフリーパスさせてくれる設定でこれなのだから、政治家は非常に魅力の低い不人気な職業といえよう。そんな不人気職業なのだから、「親が政治家なので子供のころから目の前で見ていて、政治家に理解がある人(=世襲)」人に政治家志望者が偏ってしまう。
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ちなみに2005年と2020年とでは調査方法が異なるので、両者の数字を単純に比較して経年変化と見ることはできないことだけは注意。
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マリナ・ヴィヤゾフスカ、天才的な女性数学者だと聞いている(ウクライナ出身とは知らなかった)。
「球(超球)を出来るだけたくさん空間に詰めよ」という問題、解けているのが
1次元:自明
2次元:易しい
3次元:ケプラー予想(ヘールズが証明)
8次元、24次元:ヴィヤゾフスカが最近証明
のみ。
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犯人の言い分にそのまま沿ってあげて「安倍元総理と某宗教団体の関係は」とか論じて「自業自得」のようなことを実質的に述べている知識人が何人も現れており、それが「不当な暴力を利用した自説展開」と「セカンドレイプ」であることすら認識できない人の多さに頭を抱えざるを得ない。
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そもそも安倍元総理と宗教団体とに関係があったところで、今回のテロ行為はいささかも正当化されないわけで、被害者の勝手な言い分を元に事件の正邪と無関係な「悪そうな点」をことさらに言い立ててさも「被害者にも落ち度がある」かのように広めて貶めるのはセカンドレイプそのもの。
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五一五事件で首相が殺されて政党政治がそこで潰えたことは教科書で学ぶし、実行犯の将校たちに対する熱狂的な減刑嘆願運動が国民の間で起きたこともそこそこ知られているが、重要なのは「なぜそのようなテロ行為に熱心な減刑嘆願が起きたか」で、その理解には当時の「正しさ」を把握する必要がある。
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今でこそ民主主義や政党政治は尊重されるべき価値と認識されているが、当時は政党政治は「党利専横」「エリートの腐敗」「農村の窮乏の原因」とされ、政党政治の打破こそが正義だった。「エロ・グロ・ナンセンス」という語は聞いたことのある人も多いだろうが、この「ナンセンス」は政党政治を指す。
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首相を殺した犯人らは、貧しい農村から身をたてながらも、将来の出世の道を投げうって、このような「正義」のために奔走したとみなされた。犯人は「犬養首相個人には恨みはない」と語り、ただ腐敗した政党政治のシンボルとして死なねばならないのだとして(当人の認識の中ではつながって)殺された。
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本来は「暴力は絶対的にいけない」はずなのだが、減刑嘆願運動ではそうした点は見過ごされ、「犯人の主張の正しさ(政党政治の腐敗)」と「犯人の境遇や心理への同情」ばかりが先走った。大義を暴力的手段で実現することを受け入れる風潮は、その後の二・二六事件へとつながっていった。
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「確かに暴力はいけない。だが~」といって犯人の「大義」の是非を中心とする語りは、つまるところ犯人の擁護と次の暴力の呼び水にしかならない。我々は「確かに犯人に大義も同情もあるかもしれない。しかし暴力は絶対いけない」の側で語らないといけない。
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まさか「自社のLINEアカウントを友達に入れている人(=自社に強く賛同する人)」だけを対象としたアンケートを、まるで世論調査結果のごとく出してくる新聞社がいるとは思わなかった。そしてこれを世論調査の結果だと思ってtweetしてる人が多数いるのにも頭を抱える。
news.yahoo.co.jp/articles/03f97…
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ちなみに国葬の是非については、NHKが(RDDで)電話調査して得られた世論調査結果はちゃんと既に出ている。これと比較すると、南日本新聞のLINEアカウント登録者が全然典型的でないことがよく分かる。
nhk.or.jp/politics/artic…
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グリム童話の「今にも残る話」と「広まらず現在ではほとんど誰も知らない話」との違いを分析した研究があるらしく、それによると反直観・超自然的な設定が全く出てこないか逆にそういう設定がたくさん出てくる話は広まらないが、少しだけ超自然的設定が出てくる話は現在まで生き残りやすいという。
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東大のコロナ欠席学生の追試の満点が75点になる件、私自身は明確に反対なのだが、賛否はともかく議論の前提として「東大ではコロナ以前から、(インフルなど出席停止を伴う病気を含む)病欠で試験を欠席した人は一律で追試は75点満点だった」ことはコメントしておく。
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その「くじ引き合格」に近いことを実際に行ったのが60年代後半の都立高校の学校群制度で、それで何が起きたかというと、都立高校のレベルは大きく低下し、富裕層の能力ある子は皆私立に逃げ出し、能力はあるが私立に行けない貧しい家の子が損をする結果に終わった。
twitter.com/stdaux/status/…
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なので、日本の大学で「くじ引き入学」を行ったら何が起きると予想されるかというと、日本の大学のレベルは大きく低下し、能力ある富裕層の子は海外の大学に逃げ出し、海外留学させる金のない貧しい家(低い階層)の能力ある子が最も損をする結果になるだろう。
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先日読んだ本に、18世紀より前のイギリスでは、貴族の方が一般市民よりも平均寿命が一貫して2~3年短いらしく、その理由として「当時の医師は瀉血とか水銀投与とかの有害な治療行為ばかり行っており、そのため医師の治療を受けれた貴族の方がむしろ寿命が縮んだ」というのが有力説と出ていて驚嘆した。
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しかし、20世紀に入って、街灯がつき無線信号が空を飛ぶようになっても、薬局で売られている薬には平然と水銀やヒ素(!!!)が入っているものが多数売られていたという。
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「村八分」で、残された二分(2項目)が火事と葬式であることはわりと知られているけど、残りの八分(8項目)をすべて言える人はなかなかいないと思う。
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ちなみに答えは「冠(成人式などに相当)・婚礼・出産・病気・建築・水害・年忌法要・旅行」
火事と葬式を切らないのは村全体に弊害が出るから。火事は燃え広がるし、死体処理しないと病気が広がる。逆に死体処理が終われば村八分対象には関わらないということでもある(実際年忌法要は切られている)
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歴史家のトニー・ジャットが指摘していたことだが、60年代後半の学生運動を語る際に大いに見過ごされがちな事実は「この時期の大半の若者は学生ではなかったという点(これは日本も欧州も)」だという。若者を学生で代表させようとするのは中上流階級の無意識の傲慢が透ける。