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それによって、相手国との信頼を損ない、一部の国民の希望を裏切り、ポピュリズム的な国民迎合的発言によって日本の国益を損なったことを忘れてしまったのかもしれません。どのような方針を提示しても、それは野党の自由ですが、外交には一定のルールやマナーがあります。なんでもできるわけではない。
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結局は、毅然たる態度で国民の利益を守ると豪語しながら、それが外交問題に発展してから当初の方針を撤回せざる得なくなるとすれば、まさに普天間返還について「県外は当然」と豪語した民主党政権の鳩山首相の発言と論理構造が一緒。外交問題になってから「学べば学ぶほど抑止の意義がわかった」と。
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強い言葉で、あたかも相手国に強い「条件」を突きつけたパフォーマンスを示すことは、実際に責任ある政府の立場になったときに方針を撤回することで国民の信頼をうしなることを想定すれば、よりいっそう立憲民主党が外交を担う準備ができていないという不信感に帰結すると考えます。
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外交についてより深く学びたい方がおられれば、ハロルド・ニコルソン『外交』(東京大学出版会)や、拙著『外交』(有斐閣)をお呼びいただければ、その歴史的な背景や、基本的な慣習、規範などをご理解いただけると思います。通常の人間関係と主権国家間の行動規範を規定する外交では、違いがある。
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大変に僭越であることを承知で申し上げると、日本で「外交学」という学問分野をこれまで20年ちかく研究してきた数少ない研究者の一人だと考えておりますので、日本国内で外交学的に「外交」とは何かについて、理解していただけないであろうことはやむを得ないかもしれません。
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ただ国際社会には一定のルールやマナーがあり、それを遵守することから平和的な国際関係や、摩擦や対立が避けない国家間関係で協調を維持することが可能となるのです。すべての国家が、国内的論理だけで自己主張をすれば国際協調は不可能で、軍事力が支配する世界になる。それを避けるのが外交の使命。
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外交は相手の立場に立って考えることが重要。日本の首相や天皇陛下が韓国や中国で演説する際に、中国政府や韓国政府が日中首脳会談や日韓首脳会談で合意した共同声明に書かれていること以外を話してはいけないという「絶対条件」を突きつけた際に、泉代表の発言に同意する方は当然と考えるでしょうか。
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まさにこれです。これでまた議席が減るかもしれないという緊張感を持ってほしい。外交を間違えたら国が滅びます。 twitter.com/Mie_Oba/status…
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これで関連のツイートは最後にしますが、the head of stateとthe head of governmentの違い。国際政治はパワーの大小で大きく行方が異なりますが、法的には主権平等原則として、大国も小国も対等な関係となります。なので、アメリカとウクライナの首脳会談も、両国の大統領が会談する。
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ただし国家により政体が異なるので、それにより国家元首が規定される。例えば外務省のホームページを見ると、ルクセンブルクの場合は「国家元首(head of state)」がアンリ大公、英国の場合はエリザベス2世女王、米国の場合はバイデン大統領と書かれています。同格の国家元首同士は在位、在職順。
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たとえば国連総会での演説の順番や、日本での天皇の即位の礼、あるいは英国でのウィリアム王子の結婚式など、海外から多くの来訪がある場合に、当然ながら順番や席次など決めねばなりません。これが外交儀礼(プロトコル)の世界です。その場合は、head of stateが最優先で、次がhead of govenment。
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ですのでエリザベス女王が多くの国際的な儀礼の席で席次が高いのは、国家元首であり、在位期間が長いから。他方で日本の場合は、毎年のように首相が変わり、しかも対外的には首相は国家元首でないので、席次は高くなりません。もしも天皇が国家元首でなければ、海外の王族の結婚式で席はないか、末席。
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ゼレンスキー大統領という国家元首が日本の国会で演説する際に、政府の一機関の国会や、行政府の長の首相は、大統領と同格とはいえないことがお分かり頂けるはず。ですので外交儀礼上、首相や国会が外国の国家元首(head of state)に「演説内容」の範囲を決め、「絶対条件」を課すのは外交上失礼。
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「国家元首」とはあくまでもその国家の政体により規定され、大統領の場合も、国王の場合も、大公の場合も、首長の場合もあります。私が述べているのは、外交儀礼的な「国家元首」への敬意をもった接し方です。ただし、国家元首だからといって、演説を受け入れる義務はない。受け入れる場合のマナー。
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国家元首は、国家主権を代表します。なので国家元首に「演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき」という「絶対条件」は、野党党首が述べるべき言葉ではありません。エリザベス女王という国家元首が日本で演説する際に、事前に「演説内容」を「両国合意」の範囲にするべきではないのと同様です。
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外務省に入省すると、若手の外務省員は、外務省研修所で外交儀礼のプロトコルを学びます。他方で、国会議員の先生方は、おそらくは、議員外交などさまざまなかたちでいわば日本国民の代表として外交に携わると思うのですが、そのような外交儀礼を学ぶ機会がないのかもしれません。それが気になります。
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「ロシア軍で士気低下が深刻化。派兵を避けるために自傷行為が増加との報告も」。けっこうロシアはすごいことになっている模様。いつまで戦闘できるのだろう。シリア兵もほとんど使えないようだし。 twitter.com/takano_r/statu…
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本当にそう思います。ロシアは国連憲章2条4項の武力不行使に違反しているのに対し、ウは同51条に基づく正当な自衛的措置。核保有の大国に侵略され、殺害される一般市民を見殺しにする姿勢は、到底リベラルとはいえません。小国や弱者に寄り添う姿勢が皆無なのはなぜ? twitter.com/rockfish31/sta…
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@u23news 国連軍成立のためには、中露を含むすべての常任理事国が、安保理で同意しないといけません。中露が国連を重視せよ、というときに、中露の軍事侵略は決して国連では非難できないという策略があることも留意せねばなりません。国連万能主義は中露の軍事行動を手放しで可能にします。
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英国防省報告書。ロシアは依然として制空権をとれず、安全な地帯からのスタンドオフミサイルでの攻撃に依存。結局停戦もできず勝利もできないロシアが、軍事的効果が不明の都市部への攻撃を繰り返すだという、人道的には最悪の戦い方。ほんと、もうやめてほしい。 twitter.com/defencehq/stat…
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「元首は国家の威厳を代表する者として,外国に滞在する場合には,儀礼,不可侵権 (名誉,身体,住居など) ,治外法権 (裁判権,警察権,課税権からの免除) など,広い特権を享有する」(ブリタニカ百科事典)。これをご理解頂かず、head of the government間の交渉と、同一視する問題が所在する。
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日本は国内法優位説に立つ方が多数で、国内法の類推で国際法を理解する方が多いと思いますし、個人間の交渉と主権国家間の交渉とを混同して同一視して論じる方が多い印象です。また「主権」の意味を適切にご理解いただかない場合に、その代表である国家元首の持つ特別な地位がおそらく理解されてない。
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外国では、国家主権の象徴としてのその国の国旗を燃やしたり、国家元首を侮辱したりすれば、重大な外交問題になったり、重罪になります。「国家主権」は国際政治学で学ぶ最も重要な基礎です。それに関する適切なご理解がなかったことが、今回の泉代表の発言が大きな反発を招いた要因だったと思います。
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ここの部分をご理解頂かないため、国家元首である国王や大統領が日本で講演する際に、それがあたかも首相や外相の演説を政府間で事前調整するかのように、「条件」や「範囲内」の制約を要求することに疑問を感じなくなる。
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この前の連投で、もうこの問題についてのツイートは最後にすると書いたのですが、その後執拗に、主権や国家元首の意味をご理解していない方からのご批判やご質問をいただいておりましたので、なぜ通常の政府間の調整とは異なるのかについて、こちらでまとめました。こちらでもう本当に最後にします。