東畑 開人(@ktowhata)さんの人気ツイート(リツイート順)

201
「普通」は難しい。特に調子が悪くなると、「普通」のことを「普通じゃない」と不安になり、「普通じゃない」のに「普通」と思って助けを求められなくなったりする。心理士の良し悪しは年齢ではないと思うが、やはり年をとって経験を重ねることで「普通」の輪郭が少しわかるというのはある気がします。
202
カルトの人が思考停止と非難されることがあるが、実際には「教祖・教団は正しい」という部分については思考停止していても、その他の部分はむしろ活発に思考が動いているとの指摘は考えさせられる。カルトでなくても、なんらかの共同体に適応するとは、思考停止する一点をもつことなのかもしれない。
203
「会う」が制限されている昨今、ならば「会う」とは何かと思って語源を調べると「encounter」は「敵とでくわす」という意味だそう。だから人と会わなくて楽という声には一理ある。モンスターが出現しないRPGみたいなものだ。そして、敵なのに仲良くなる所に、「会う」の素晴らしさがあるのかもしれない
204
これは勉強になった。 「寄生」とは一方的に利益を受けるだけではなく、害をなすことなのですな。
205
この貞子氏のモデルになった高橋貞子の透視能力を心理学実験で実証しようとしたのが、日本最初の臨床心理学者で、東大助教授だった福来友吉。この実験が大スキャンダルになって、福来は東大を追われ、臨床心理学は出発の瞬間に座礁することになりました。まさに大正の小保方事件で、とても大事な歴史。 twitter.com/sadako3d/statu…
206
岸政彦「給水塔」読んでたら、ジャズは聴衆ではなく演奏する人からお金を取るが、それは伝統芸能が客ではなく弟子から金を取るのと同型で、文化とはそもそも「やりたいやつから金を取る」ものだと書いてあって色々考えさせられてしまった。プロとは客を取れる人のことか、弟子を取れる人のことか問題。
207
インタビューの記事が出ていました。「「意味がないこと」に意味はないのか?」的な話です。 なにもしていない人はダメ"という人の苦しさ(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース headlines.yahoo.co.jp/article?a=2019…
208
今年の卒論で面白かったのは、老人ホームでの杖を使う前と後での心理的変化についての調査。杖を使う前は「余計体が弱くなる」「変な目で見られる」と不安だったが、使ってみると「席を譲ってくれた」「リハビリを応援された」など意外によかったという結果。杖は本人だけではなく、周囲を変える。
209
これ、僕も大学に入学して一番最初に教えてもらったことです。百科事典には、その分野についての権威が信頼できる情報を集約して書いているから、まずそれで全体像を見渡せ、その次に語源辞典を引いて、問題の広がり深まりをイメージするのだ、と。 twitter.com/morinoshita03/…
210
「心はどこへ消えた?」の最後の校正、あと少し。こういう感じの本です。「心とは何か」に真正面から取り組んだ本になったはず。
211
最近、店の人が店の前に椅子を置いてただ座っているのをよく見る。アジア的風景なのだが、不思議なことに日々通りがかると愛着が湧いてきて、つい買ってしまうということが起きる。人間の身体は最強のメディアなのだと思わされる。ウイルスも愛着も媒介する。
212
素晴らしいエピソード。 「心が一つ存在するために、心は必ず二ついる」 これが今度の本の終わり頃にたどり着くテーゼ。 twitter.com/LampLampLamp6/…
213
「苦悩している」と自覚することが、その苦悩からの解放であるというパラドックスが、心理学の大変奥深いところだ。
214
この休息に効率を求めた結果、他者が排除されてしまう感じは、まさに現代の心理療法で扱われている課題だ。家族やパートナーに効率を求めてしまうと人は孤独になる。そして、孤独は疲れる。それで余計に休息に効率を求めてしまうという繰り返しをどうするかという課題。 twitter.com/ktowhata/statu…
215
「人間は、なんとおかしな、へそまがりな動物なのだろう。自分自身を知らないうちに、宇宙のことを知りたがる。自分のこころを知ることよりも、むしろ、他人のこころを知りたがる」 なだいなだの「心の底をのぞいたら」の一文。この本、子供向けなのだけど、名文に溢れてる、素晴らしい。
216
「千と千尋の神隠し」の湯婆婆と銭婆。昔はどう考えても銭婆の方がいいやつだと思っていたが、歳をとると祟り神対策のリスクマネジメントをしっかりやり、顧客満足度に気を配り、みんなの雇用を支えている湯屋経営者の湯婆婆は実は立派な人なんじゃないかと思うようになるな。
217
ハイデガー勉強会。「私とは何か」という問いが、実存を問うのではなく、キャリアを問うことへと変化したのが現代ではないかという議論。僕らを包み込む「世界」に空白が生まれたときには実存を問わざるを得なかったが、「世界」の代わりに「市場」が再包摂すると、「私=キャリア」になる。
218
「疲労とは休息への欲望が活性化された状態」とジャネが書いているのだがあまりに完璧で、深い定義だ。しかし、酸欠時に酸素をなんとしてでも吸おうとするようには、疲労のときに人々は休息を得ようとしないのは不思議なことだ。なぜか疲労のときに快楽を処方しようとして、より疲労が濃くなる。
219
新刊で河合隼雄を特集したムックが出ていた。珍しく苦悶した表情の表紙であるのが良い。
220
体にいいことと心にいいことは普通はそれなりに重なっている。例えば早寝早起きや運動は心身にとって良い。だけど、コロナ時代は体と心の必要とすることがすれ違いやすい。たとえば、人に会うのは心には良いけど、体には悪い。そして今、体が優先されるしかない。あらゆるところでこの葛藤が悩まれてる
221
この本、高齢者の万引きについて、お金がないという生活困窮よりも、一人暮らしのような人間関係の貧困による影響の方が大きいと書かれている。盗みというものが、大変不器用なやり方ではあるにせよ、他者との繋がりを求める行為であることを考えさせられて大変興味深い。
222
インタビューを受けた記事が公開されています。よろしければご覧ください。 twitter.com/dybe_web/statu…
223
自傷やオーバードーズなどのいわゆる「メンヘラ」文化は、確かに自己破壊的で、痛ましく、危険でもあるのだが、一方で言葉にならないような苦痛をなんらかの目に見える形にすることで心を包みこんでいるようにも思う。苦痛が表現され、人間関係の中に置かれるために、水路となるのが文化。
224
続き 6.伊藤絵美 ケアする人も楽になる認知行動療法入門 7.藤山直樹 集中講義 精神分析 8.諸富祥彦 カール・ロジャース入門 9.中井久夫 治療文化論 10.熊谷晋一郎 みんなの当事者研究
225
ネガティブ・ケイパビリティというのは、世間的には個人に備わる能力としてイメージされている感じがするが、実際のところコミュニティに備わる余白とか器という方が実態に近いのではないか。曖昧なものは、自己に押し込めるというより、人とのつながりの中に置いておくというニュアンス。