東畑 開人(@ktowhata)さんの人気ツイート(古い順)

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学生がホラー映画を見まくって、心理士・精神科医がどう描かれているのかを卒業研究で調べたのですが、彼らが人間らしい側面を見せてしまうと、殺されたり、大怪我を負ったりすることが多いという大変味わい深い結果を得ました。 あと、ブルーのシャツを着ていることが多いとのことでした。
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以前、学生が「アイドルに裏切られるとき」という卒論で、裏切られたファンがいかにして自分の「信じること」を再生していくかを書いていたのだけど、逆に言えば宗教が難しい現代人はもはや「ファン」という形でしか自らの宗教性や「信じること」へのニーズを満たせないということなのかもしれない。
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心理学用語を乱用して、意味がありそうで意味がないことを語ることを「サイコバブル psychobabble 」と言うらしいのですが、優れた言葉。大学院とかで勉強し始めたくらいのときに、ひたすら全てが心理学用語で説明できる気分になって、サイコバブってましたね。楽しいんですよね、バブってると。
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バズフィードさんに取材をしてもらいました。葛藤を抱えることや依存の価値について、そのより広い文脈を記事にしてくれました。お時間あるときにでもご覧ください。 だから、あえて「居るのはつらいよ」と言葉にする。葛藤を抱きながら生きるために buzzfeed.com/jp/yutochiba/i…
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「スッキリする」って良いことのように言われていて、確かに気持ちいいのだけど、実はスッキリとは葛藤を投げ出して決着をつけてしまうということでもあります。だけど、高野秀行さんが「葛藤が続く限り、青春は続く」と名言を残していたように、葛藤は多くのものをもたらしてもくれるものなのです。
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いいブログ。臨床心理学は社会学や経済学、組織論、政治学などと再編されて、より包括的に人間の病理や健康、回復や治療、成長や停滞を取り扱う学になることはできないものか。様々な社会的施策、事業の基礎学としての臨床心理学は必要とされているはずなのだが。 note.mu/piyoketa/n/n91…
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皆さま、VERY五月号の「働くママの木曜日に負けない服」をよく見て欲しい。イルツラはもはや木曜日に勝つために必須のオシャレアイテムになったのでした。。
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予想外過ぎて笑ってしまったのだけど、これはとても嬉しい。というのも、「居るのはつらいよ」はデイケアを舞台にしてはいるけど、本質的には人が人を世話することについての本で、まさに子育てをしている人たちに届いて欲しいと思って書いていたんです。紹介文がまさにそれなので、嬉しかった。
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「人間は、なんとおかしな、へそまがりな動物なのだろう。自分自身を知らないうちに、宇宙のことを知りたがる。自分のこころを知ることよりも、むしろ、他人のこころを知りたがる」 なだいなだの「心の底をのぞいたら」の一文。この本、子供向けなのだけど、名文に溢れてる、素晴らしい。
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熊谷晋一郎さんが、分断されているコミュニティ同士が連帯するには、そのコミュニティの中心人物同士ではなく、むしろコミュニティの周縁にいる人同士で語り合いを始めることが大事だと言っていて、納得。確かに民俗学や人類学でも、通商とか交易は周縁の民が担っていると語られていた。#TICPOC
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「レンタルなんもしない人のなんもしなかった話」面白い。一読して、現代東京の民俗学だと思ったのだけど、多分これはレンタルさんが「なんもしない」からこそ取れた現代への距離なんでしょうね。「なんもしないで、ただ、いる、だけ」の反社会性と批評性。と、まじめに書くと膝かっくんされそうな本。
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「実践アディクションアプローチ」の巻末対談で、信田さよ子さんが「すぐ連携連携って言うけど、専門家が自分ひとりで責任を負う覚悟があってこその連携でしょ?かまぼこ切り分けるみたいに最初から問題を仕分けるのが連携じゃないんだよ!」と絶叫してて、シビれました。。
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ゴールデンウィーク10連休、過剰に「居る」がある日々を前にして、みんな何を「する」かに悩まされているわけですが、これこそまさに「居るのはつらいよ」状態。したがって、覚悟を決めて、「居る」を決め込んで、贅沢な退屈を堪能するのが吉ですな。
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10連休(人によってだけど)というのはたしかに破壊力があって、普段仕事があることによって、見ないで済んでいたプライベートな問題に目を向けざるを得ないくらいの長い時間ですね。働くことを問われ続けた平成の終わりにふさわしいのかもしれない。
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この貞子氏のモデルになった高橋貞子の透視能力を心理学実験で実証しようとしたのが、日本最初の臨床心理学者で、東大助教授だった福来友吉。この実験が大スキャンダルになって、福来は東大を追われ、臨床心理学は出発の瞬間に座礁することになりました。まさに大正の小保方事件で、とても大事な歴史。 twitter.com/sadako3d/statu…
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「傷つき」というものがいかに修復されうるのかは、時代や文化によって様々で、むしろ文化とは「傷つき」を修復するために発展したのではないかと思うくらい。アイドルが引退とか解雇とかされると、ツイッターでポエムが満ち溢れるように、人は傷つくととっさに文化的になろうとする。
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中井久夫の「治療文化論」を再読しているのだけど、本当に素晴らしい。こういう圧倒的な教養と日々の臨床が無理なく接続されていくような知性が、メンタルヘルス業界のこの20年でめっきり減ってしまったのはなぜなんだろうか。専門職として確立するというのはそういうことなのかもしれないけど。
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中井久夫曰く、最強のセルフケアは雑談だということで、しょうもないことを話せる友人がいるかが心の病気の予後に大きく影響するとのこと。確かに、具合が悪くなると、雑談が苦痛になり、何を話していいかわからなくなる。深刻なことは当然話しづらいので、それがまだしょうもないうちに雑談すること。
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具合悪くなると全てが意味に満ちてきてしまうんです。吉兆も悪兆もない退屈な日々というのは、安全感によって支えられていて、そこにおいてしょうもない雑談が成立する。そして逆に、しょうもない雑談を試みると、思いのほか世界は安全だと知らされるというのもありますね。 twitter.com/ykoike122/stat…
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「普通」は難しい。特に調子が悪くなると、「普通」のことを「普通じゃない」と不安になり、「普通じゃない」のに「普通」と思って助けを求められなくなったりする。心理士の良し悪しは年齢ではないと思うが、やはり年をとって経験を重ねることで「普通」の輪郭が少しわかるというのはある気がします。
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世の中には本が溢れているので、知らない分野について検索をかけても、どれがきちんとした本なのか判断するのが難しい。そういうとき、以下の大学図書館を検索できるサイトは便利。ここで多くの図書館に収められている本は信頼がおけるので、Amazonで探すより断然効率がよい。 ci.nii.ac.jp/books/?l=ja
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宮崎市定「科挙」を読むと、昔から子供が勉強するのを嫌がってくると、大人たちが「今頑張れば、将来最高だよ」と励ましていたことがわかる。その結果、科挙に通ると汚職をしまくるわけであるから、欲望を後回しにし続けると、何をしても満たされぬ欲望となって暴走してしまうのではないかと思いますな
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受験本を色々と読んで、共通しているのは「親が勉強を教えるのは難しい」ということ。それは勉強の難易度の問題ではなく、人間関係が傷つきに満ちてしまうという難しさ。実の子どものカウンセリングや外科手術が難しいのと同じ。親が教師になると、子は身近に教師を得るが、「親」を失ってしまう。
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受験における親子関係の難しさは、受験というものが社会秩序の根幹で機能しているので、親も直接間接に受験によって傷ついたり、プライドを得たりしていることによる。そのことで、受験をめぐっては、生々しい感情が立ち現れやすい。そのあたりが、運動会とか部活の勝ち負けと受験の勝ち負けは異なる。
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「人間というものは、いわば内乱状態です。それに調和をあたえたり、またそれを一つの論理的全体にすることは不可能です」 あのアラビアのロレンスの言葉だけど、至言。心の中の一つの声が他を制圧すると、小さくなった声がテロを起こすので、複数の声がきちんと響いてるくらいが健康。