東畑 開人(@ktowhata)さんの人気ツイート(古い順)

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卒業式のない卒業。子ども達がうまく心に折り合いをつけられるといいのだけど。儀式は形式主義的だから、なくても良いもののように思えるけど、実際には人生の別のステージに移るときの不安定な心をフワッと包み込んでくれるもの。みんなと一緒に「儀式すること」が、人生の移行を支える。
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河合隼雄の「カウンセリングの実際問題」と小沢牧子の「心の専門家はいらない」。大学院生なんかは、この二つを合わせ読みながら、自分の仕事について思索すると勉強になる。この50年の臨床心理学が切り捨ててきたのが社会モデルであったことと、今それこそが回帰する必要があることを思いながら。 twitter.com/yamazakitakaak…
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三島由紀夫が亡くなったのは45歳だけど、この年齢の前後くらいに多くの作家の代表作が書かれている。夏目漱石の「こころ」は47歳、遠藤周作の「沈黙」は43歳、村上春樹の「ねじまき鳥」は45歳。経験と体力のバランスが絶妙なのがこの時期なのだろうか。人生100年時代だと、まだ半分も来てないのになあ
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ハイデガー勉強会。「私とは何か」という問いが、実存を問うのではなく、キャリアを問うことへと変化したのが現代ではないかという議論。僕らを包み込む「世界」に空白が生まれたときには実存を問わざるを得なかったが、「世界」の代わりに「市場」が再包摂すると、「私=キャリア」になる。
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臨床心理学に入門するための10冊。 幅広く学べて、読みやすく、そして必読の本 1.河合隼雄 カウンセリングの実際問題 2.河合隼雄 ユング心理学入門 3.小沢牧子「心の専門家」はいらない 4.下山晴彦・丹野義彦 講座臨床心理学1 臨床心理学とは何か 5.信田さよ子 依存症 #新臨床家に勧めたい10冊
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続き 6.伊藤絵美 ケアする人も楽になる認知行動療法入門 7.藤山直樹 集中講義 精神分析 8.諸富祥彦 カール・ロジャース入門 9.中井久夫 治療文化論 10.熊谷晋一郎 みんなの当事者研究
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重い指摘。今進んでいるメンタルヘルスの自助化や互助化は、新しい魅力的な実践を生み出しているわけだけど、それが公助(つまり国による支援)削減のアリバイとされてしまう危険性。人々が自前で「社会」を充実させることが、国が「社会」を維持することから撤退する理由とされないようにしないと。 twitter.com/yasuhikomuraka…
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会計の知の恐ろしいところは、不足なところを自前でやりくりする苦労が「不足でもやれるんじゃん」となって、不足がそのまま肯定されてしまうこと。というのも、現場の苦労や疲弊は、会計表には記載するところがないから。会計を見て判断する人はご満悦になり、それを前提としてさらなる経費削減に進む
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心の万能薬としての「時間をかける」。具体的には「寝る」と「様子を見る」に尽きるが、案外難しい。不安なときには、悪しきことが起こりそうで、時間が恐ろしく感じられるからだ。したがって、「とりあえず様子を見よう」と言ってくれる誰かがいると心強い。不安は分け持たれると、時間に耐えうる。
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「おばけなんてないさ」。最初は「みまちがえたのさ」と錯視として心理学的に対処しようとするのだが、2番では「冷蔵庫に入れる」と科学の利器を使って、物理的に対処しようとしはじめる。3番以降は「友達になる」ともはやシャーマニズム。最後はお風呂に入るのだが、これはキヨメの儀礼なのか。
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長く続く非常事態は気が張って高揚するので、調子は見えないところで崩れやすい。気づかれにくい躁や鬱がうごめく感じ。だから、「いつも」を知ってる人とお互いの「ちょっとおかしくなってる部分」を話し合えると良い。顔を合わせなくてもできる、テキストメッセージによるセルフケア。
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被災地支援を続けてきた先輩、岩倉拓さんのnote。先の見えないコロナ時期を生き残るための心理的ケアについて書かれていて、今読まれるべき文章。 note.com/iwatakuramakan…
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大学の講義はオンライン化するわけですが、こういうときだからこそ「コロナ時代の心のケア」をテーマにするべきではないかと考え始めている。オンラインによるつながりを通じて、オンラインによるつながりを共に考える講義。みんなが当事者だからこそ、これまでの専門知の限界と可能性を考えられる。
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体にいいことと心にいいことは普通はそれなりに重なっている。例えば早寝早起きや運動は心身にとって良い。だけど、コロナ時代は体と心の必要とすることがすれ違いやすい。たとえば、人に会うのは心には良いけど、体には悪い。そして今、体が優先されるしかない。あらゆるところでこの葛藤が悩まれてる
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オンライン授業で失われるのもケアだ。オンライン授業にたどり着くためのケアをオンラインでするのは至難の技だ。おせっかいや親切が不可能になって、学生は自分で自分の環境を整えなくてはいけなくなる。「対面」とはヘルプに開かれている空間だったのだと、今になってわかる。
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コロナ離婚。一緒にいればいるほど、相手が遠くなって、孤独になっていくという逆説。二人の関係が難しいことについて話し合えると深まって、それを言えずに行動で対処するとより難しくなっていくのが親密性。コロナ以前には外の関係を充実させる方向が重視されて、なかなか問題にされなかった関係だ。
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「夫婦がギクシャクしないために」と記事にはあるけど、ちゃんとギクシャクして、ギクシャクしていることについて話し合うのが大事だ。「向き合う」とはギクシャクすることなのだから。 twitter.com/ktowhata/statu…
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人類学者のルース・ベネディクトが「歴史を学ばずに自分の目で物事を見ているための思い違い」という表現をしているが、確かに「自分の頭で考える」には盲点があって、「他人の頭を借りて考える」のが必要なときはあるな。感情が絡むときは特に。
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コロナ時代に辛くなったことと楽になったことについて授業でアンケートをとったら、多かったのが、辛いのは人と会えないことで、楽なのは人の目を気にしないで済むようになったことだった。他者も社会も、不快でもあり、気持ちいいものでもあるというのがよくわかる。
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スマホも本も持たずに、一人で15分黙って座っていてもらうという実験。かなりの人数が6分たったくらいで、退屈のあまりに自分に電気ショックを与えるようになったらしい。実験前には「電気ショック?そんなバカなボタン押すはずがない」と言っていたにもかかわらず。いかに一人になれないかの実験。
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辛くなったことの上位  1.外出しづらいorできない 2.人とコミュニケーションがとりにくい 3.アルバイト先が休業で収入が減少または失業で金欠 4.バイト先や家族間での感染不安 5.接触を避けた行動がストレス 6.家族と過ごす時間が増えてストレス 遠すぎる関係性と近すぎる関係性の辛さ twitter.com/ktowhata/statu…
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【調査協力お願い】 大学のゼミ研究で「心理学を学んだ人に対する期待」を調べています。働いておられる方に以下のアンケートにお答えいただけると大変助かります。心理学は社会から何を求められているのかを明らかにしたい、という意図です。よろしくお願いします。 docs.google.com/forms/d/e/1FAI…
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オンラインのつながりは清潔だ。飛沫は飛び散らず、臭いもしない。だからウイルスは感染しない。比べるとリアルなつながりはなんと不潔だったことか。しかし、その不潔さにこそ他者のリアリティがあり、心を支える力があった。「昔はよかった」ではなく、オンラインは不潔になりうるかという問いとして
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ヴァージニア・ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分ひとりの部屋を持たねばならない」と言い「ドアの鍵は自分のことを考える力のたとえ」と書いた。これはオンラインカウンセリングにあってもリモートワークにあっても真理だ。他者の世話から解放され、自分を世話する環境を得る難しさ
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「会う」が制限されている昨今、ならば「会う」とは何かと思って語源を調べると「encounter」は「敵とでくわす」という意味だそう。だから人と会わなくて楽という声には一理ある。モンスターが出現しないRPGみたいなものだ。そして、敵なのに仲良くなる所に、「会う」の素晴らしさがあるのかもしれない