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「もっと遊びたい」には「もう帰るよ」。「読んで」には「自分で読めるね」。「抱っこ」には「自分で歩くよ」。「買って」には「買わないよ」。転んで泣きたいのに「泣いちゃダメ」。親は「がまんできる子にしたい」という思いで言うのですが、不満が溜まり続けた子は逆にがまんできない子になります。
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「男の子は泣いてはいけない」などという考えは、古いだけでなく間違っています。精神衛生のためには、ストレスを発散して自分を浄化することが大切。その一つの方法が泣くこと。イライラ、不満、悲しみ、怒り、不安、恐怖などのストレスを溜め込んでいては、明るく前向きに生きることはできません
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子供の掃除を見たとき、「隅にあるゴミもちゃんと掃かなきゃダメ」ではなく、まずは「いつもありがとう。助かるよ」と言いましょう。その後で、「ついでにその隅のゴミも取っておいて」と言えば喜んでやってくれます。つまり、言葉は順番が大事。とにかく、まずは肯定的な言葉から入るようにしましょう
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「忘れ物で自分が困れば直すはず。だから、放っておく」と言う親。でも、実際はこの自業自得方式では直りません。そもそも、それで直るならとっくの昔に直っていたはず。もう何度も困ってきているのですから。実際は、放っておかれた子は直るどころかますます忘れ物が増えます。先生に叱られ、友だちの
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評価も下がり、自己肯定感が持てなくなります。授業に集中できなくなり学力が下がります。何も助けてくれない親に対して愛情不足を感じます。自業自得方式を友だちにも応用するようになり、友だちが困っていても助けなくなります。改善には、合理的な工夫や、親が手伝う・確認する等の手助けが必要です
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子供によい自己イメージを持たせてあげましょう。「自分はけっこういい感じ。お父さんもお母さんもほめてくれる。大切に思ってくれている。うれしいな。元気が出てくる。あれもやってみたい。これもやってみたい。絶対できる。毎日楽しいな」。自己肯定感と他者信頼感が育ち幸せ体質になります。
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洗濯物をたたんでくれた子に、Yさんが「ズボンは端と端を合わせなきゃ」と否定的なひと言。で、子供は「もうやらない」と。まず「ありがとう。助かるよ」。次に「タオルがきれいにたためたね」とよい部分をほめ、その後で「ズボンは端と端を合わせると楽だよ」と言えばよかったかも。言葉は順番が大事
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待てない親は子供のペースを乱します。成長ペースは百人百様。今できないのには内なる理由があります。でも、それは人間にはわかりません。片づけられない、服をたためない、てきぱきできない、すぐ泣くなど、今はそういう状態である必要があるのです。そこを十分踏み固めれば次に進むことができます。
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習い事で苦しんでいる子がたくさんいます。「やり始めたものは続けさせないとやめ癖がつく」「ここでやめさせてしまうと嫌なことはすぐやめる人間になる」と思い込んでいる親が多いからです。実は、「やめ癖」というのは迷信です。たとえ10こやめても、11こめにぴったりなものに出会えばやめません
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子供の言動に対して瞬間湯沸かし的に叱るのはやめたい。子供の言動には全てそれなりの理由があるから、その理由を理解するよう努めてほしいです。理解すれば許せます。さらに言えば、たとえ理由がわからなくても、「何らかの理由があって仕方がないことなのだ」と考えて許してあげてほしいと思います。
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しつけ優先はやめましょう。まずは、子供が「自分は愛されている」と実感できるようにしてあげることが大切です。それがないところで、いくらしつけをしようとしても絶対うまくいきません。「親は愛情のつもりでも、子供は愛情として実感できていない」というケースが非常に多いので気をつけましょう。
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親が他人の目や世間体を優先して子供に接すると、ろくなことがありません。本当に大切なわが子が後回しになるから。しつけができる親だと示すためだけに、叱らなくてもいいところで叱る人もいます。子供にとってはいい迷惑。赤の他人なんてどうでもいいので、何とでも勝手に思わせておけばいい。
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感情的に叱ると親は自分のストレスを発散できます。でも、親が発散したストレスは子供が背負い込むことに。子供は、それを身近な物、ペット、弟や妹、弱い友達などにぶつけます。または、自分で溜め込んで、鬱、摂食障害、リストカットや髪の毛むしりなどの自傷行為として出ることも。
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「子供の○○を直さなければ」「変えなければ」という思いの中には、子供への微妙な否定が含まれていて否定的な言葉に繋がります。「この子と楽しく過ごそう。人間同士として付き合おう。一緒に仲よく生きていこう」という思いを優先すれば、子供を肯定できるようになり、自然に肯定的な言葉が増えます
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よく叱られる子は「自分はダメな子だと思われて、もう大切にされてないかも」と感じます。その不安から無意識のうちに愛情確認行動に走ります。危険なことをする、弟妹をいじめる、物をこわす、火遊び、万引き等。親が困ったり心配したりする姿を見て、「よかった。まだ愛されてる」と実感したいのです
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大人でも子供でも、クリエイティブな人たちには、次のような傾向があります。片づけが苦手。だらしがない。やりっ放し。出しっ放し。置きっ放し。使った物を戻さない。掃除をしない。髪の毛がボサボサ。衣服に無頓着。人からどう見られるか気にしない。忘れっぽい。忘れ物が多い。てきぱき行動で
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冬は「寒い。早く暖かくなれ」と言い、夏は「早く涼しくなれ」と言う。現役中は「今日も仕事か」と思い、退職すると「忙しい頃が花だった」と思う。子育て中は「子育て、大変」と思い、子供が成長すると「あの頃はよかった。もう一度子供に戻って」と思う。今・ここを味わい楽しめないのはもったいない
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日本は教育後進国です。日本の教育への公的支出はOECD34か国のビリ。だから、先生の増員もろくにできません。一人の先生が指導する児童・生徒数が多く、未だに40人学級の一斉授業が普通。先進国はどこも少人数教育であり、こんな大人数教育の国は日本だけです。原因は財務省と政治家の無理解!
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日本の教育は学力を狭い範囲で考えすぎ。算数が何点など点数化できる認知能力のみを重視しているから、土曜授業や夏休み短縮を言い出すのです。でも、将来伸びるためには自分がやりたいことをやる主体性、自信、共感力など点数化できない非認知能力が高いことが大事で、それらは自由時間で伸びるのです
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次のような説には反対です。1頭がいい人は机の中もきれい。2仕事ができる人は服も一流。3仕事ができる人は持ち物にもこだわる。4字がきれいな人は人間的にも立派。5食べ物の好き嫌いがあると人間関係や仕事でも好き嫌いをするようになる。6健全な精神は健全な肉体に宿る。7靴の整頓ができない子
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親子で幸せになる十か条プラス・ワン
①子供の話を共感的に聞く
②子供のありのままを受け入れて楽しむ
③短所に目を瞑って長所を伸ばす
④子供の好きなことを徹底的に応援する
⑤叱らなくても済むように合理的な工夫をする
⑥自分のストレス解消とメンタルヘルスに心がける
⑦イライラを子供にぶつけ
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やるべきことをてきぱきできない子は星の数ほどいます。でも、こういう子は、のんびり&おっとりした癒し系であることが多いです。また、事務的な処理能力が遅い分、ユニークな創造性を持っていたりもします。なので、苦手をつつくのはやめて、本人のいいところをたくさんほめて自信を持たせてあげよう
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多くの子が「やるべきことを先にやらなきゃダメ。自分がやりたいことは後にしなさい」と言われ続けて成長します。でも、「やらなきゃならないこと」は次から次へといくらでも出てくるわけで、いつまで経っても「やりたいこと」はやれません。その結果、「やりたいこと」をやれないまま時間が過ぎてい
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親が子供を変えようと思っても変わってくれません。これを直させたいと思っても直してくれません。子供は親とは別の人格を持つ別の人間だからです。他者を変えることはできません。これをしっかり胸に刻み、親にできることを楽しみながらやり、結果は天に任せましょう。それしかできないし、それで充分
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親から子供への暴言がなくならないのは、権力的立場に甘え「私は親だ。自分の子に何の遠慮がいるの?」と思い込んでいるから。しかも、「子供のため」という思い込みもあります。でも、こういう思い込みはすべて勘違いです。たとえ親子といえども、一人の人間同士であることにかわりはないのですから。