臓器別ではなくまとめると、全がんは高所得国の死亡原因の2位[ ourworldindata.org/grapher/share-… ]。日本人の死因1位ががんである一方で高所得者国の死因1位は心血管死だが、これは日本人ががんで死にやすいからではなく、日本人が心血管疾患で死ににくいから。
二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験。成人のCOVID-19入院患者が対象。レムデシビルを投与すると、プラセボ対照と比較して、回復までの時間が早い(11日間対15日間)[ pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32445440/ ]。
執筆者の一人として参加しました。『新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論』。妻に読ませたら「いろんなデマがああって面白い」という感想だった。「ワクチンを打つとゾンビ化する」とかな。 amazon.co.jp/dp/4801305768
数十人を対象として比較試験で有意差が出ないのですから、アビガンに効果があるとしてもその効果は大きくなく、これらのアビガンの効果を謳う声は誤認に基づくものである可能性が高いです。
台湾は新型コロナワクチンの接種が遅れている(台湾国内でほぼ流行が抑えられているから特に批判されるようなことではないと思う)。「医療従事者じゃなくて運航乗務員に優先すべきだったのでは」という声がある。国が違えばワクチンの優先順位が変わりうる。
極端な糖質制限をお勧めできない根拠の一つが糖質が多くても少なくても高い全死亡率と関連するという研究です(PMID: 30122560)。観察研究ですので、厳密には因果関係はわかりません。ただ、そうは言っても、このグラフをみてそれでも極端な糖質制限をやろうってなら相当な根拠が必要だよね。
BuzzFeedから取材を受けました。「死ぬのが正解」などと回答した医師だけの問題ではなく構造的な問題があります。 / htn.to/3oYtYdbNjd
たまたまのタイミングですが、年齢調整について大須賀覚先生がよい記事を書いています[ なぜ、日本のがん死亡者数はどんどん増えているのか? news.yahoo.co.jp/byline/osukasa…]。がん死亡者数増加の最大原因は高齢化で、正確な死亡率を知るには年齢補正が必要です。
つい最近、「国民皆歯科検診」をやろうという話が出ました。特定健診の二の舞になりかねません。私が調べた限りでは、平均的リスクの成人に、歯科検診を行うと、行わない場合と比べて、疾患の発生抑制や医療費抑制の効果があるという明確なエビデンスはないようです。
「がんは体を温めて食生活を改善すれば治る」という根拠のない主張を容易に信じ込んでしまうような人たちがデマの対象です。騙されやすい人たちを囲い込むと、効果の乏しい代替医療やニセ情報を売りつけることで利益につながります。
瀬尾宜嗣氏が院長をしている「アドバンス・クリニック福山」で行われている自費診療の医療の多くはエビデンスが乏しく、ニセ医学と言えるものもあります。仮に「血液クレンジング」が新型コロナに有効であるとしても、「アドバンス・クリニック福山」は信頼できません。 twitter.com/yseo_medical/s…
日本の年齢調整がん死亡率は先進国の中でも低いほうです(とくに女性はG7の中でもっとも低い)。「世界的にみても異常な数字」とは言えません。また、抗がん剤治療は国際的にも標準的な治療です。不正確な医学情報を信じてエビデンスの乏しいニセ医学のカモにならないようにしましょう。 twitter.com/CS60osaka1/sta…
海外で感染したパイロットから、ホテル内で他のパイロットやホテル従業員に感染した模様。台湾CDCによると航空会社のパイロットである40代の台湾人男性(Case #1187)が、検疫をすり抜けて感染期間中にいくつかの公共の場を訪れたとのこと。台湾でもこういうことがあるんだね。
さらりと述べるにとどめましたが『「無料がん相談」「がん治療のセカンドオピニオン」をうたうサイト』はかなり問題です。ぱっと見、いい感じのウェブサイトでGoogle検索でも上位ですが、「抗がん剤を使わない治療にシフトしているアメリカでがんの死亡者数が減っている」といったデマが載っています。
「無症状のがんを放置していたら死ぬ」は、甲状腺がんの場合は必ずしも正しくないのですが、百歩譲ってよしんば「無症状のがんを放置していたら死ぬ」が正しいと仮定しても、検診をして無症状のうちに治療をしたほうがいいとは言えません。
なお、千島学説に傾倒した人物自身も、がんに対する標準治療を拒否して「ガン完治への希望」の講演の旅をしている途中にがんの進行が発覚し、亡くなりました。本人は本望だったかもしれませんが、痛み止めすら使ってもらえず亡くなった白血病のお子さんはどうだったでしょうか。
なぜなら、検診をしなくても、症状が出た段階で治療介入され、放置されないからです。「無症状のうちに治療」対「放置」ではなく、「無症状のうちに治療」対「症状が出て治療」で比較すべきです。
甲状腺がん検診に予後を改善させる効果はないかきわめて小さいことを認めざるを得なくなった検診推進派の最後のよりどころが「不安の解消」です。ただ、検診の害は大きく、「不安の解消」を目的とすると集団検診をすべきではありません。少なくとも害が大きいことがわかった時点で方針を変更しないと。 twitter.com/nek0jita/statu…
たとえばこのへん[ iwanami.co.jp/kagaku/KaKa970… ]。「社会生物学を人間へと適用する科学者は,その悪用に十分気を付け,悪用者を糾弾することをためらってはならないこともいっておきたい.とくに,竹内久美子による世界でも珍しいほど公然たる悪用…」。
海外から帰った後にPCR検査を受け、陰性でも一定期間は検疫されるが、検疫期間中に他のパイロットに接触すると、その時点で感染して検疫期間後に発症することはありうる。他のパイロットもPCR検査は陰性だったのだろうけど、一定の割合ですり抜けは生じる。