鶴見クリニックって、院長先生が「幹細胞は存在しない」というトンデモ説のセミナーで講演した一方で、幹細胞(臍帯血)療法を行っていたところか[ natrom.hatenablog.com/entry/20100723… ]。
動物実験で催奇形性が確認されている薬を、わざわざ妊娠女性に投与して異常が起こらないか調べよう、ってならないでしょ。現時点では誤って投与された事例を集めた限定的なデータしかありません。
新型コロナ感染症に対してアビガンは観察研究という名目で少なくとも2000例以上に投与されています。いろんな声がありますが、「確かに効いた」という患者さんの体験談や、「最前線の手応えでは、アビガンの有効性は間違いない」という臨床医の意見もありました。
ランダム化比較試験において、特異的な標準治療があるなら、対照群にはプラセボ投与ではなく標準治療を行うが(そうしないと非倫理的)、新型コロナウイルス感染症の場合は標準治療がないので、原則としては対照群にはプラセボ投与するべきである。
抗老化作用があるとされるNMNサプリメントについてプレジデントオンラインに寄稿しました[ president.jp/articles/-/415… ]。
[裁判事例から学ぶ健康情報の読み方 natrom.hatenablog.com/entry/2021/09/… ]。ある飲料水を批判的な専門家の意見を載せたメディアが業者から訴えられた裁判がありました。業者が裁判に持ち出した研究(二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験!)を批判的吟味した解説です。結果的にはメディア側が勝訴しました。
知識は力です。教科書を読み順序だてて学ぶことは、Youtubeの動画をながめることよりずっと努力を要しますが、その労力に見合った対価はあります。少しでも、ほんの一人でも多く、知識を身に付けることを願っています。
「90%以上の人が回復」は対照群のない研究。最新の比較試験ではクロロキンの分は悪い。副作用もある。でも、根拠に乏しい期待のせいでクロロキンの在庫が無くなり、以前からこの薬を必要とする人に届かなくなっている。
福島の甲状腺がんの過剰診断に関連して「甲状腺にのう胞や結節という症状があったから発見できた。無症状での発見ではなかった」との主張がありますが誤りです。甲状腺のう胞や結節は必ずしも症状があるとは限らず、検診で発見されるものはほとんどは無症状です。
「日本だけがんが増えている!日本のがん治療は間違い!」と不安を煽りインチキな治療法に誘導する人もいるので、ご注意ください。そういう人は、日本の全がんの年齢調整死亡率の減少の理由について説明できません。というか、たぶん、年齢調整死亡率を理解できません。以上。
医学的には不要であるのに、たまに薬を強く希望する患者さんがいらっしゃいます。通常の風邪に対して抗菌薬を処方しろ、インフルエンザの検査が陰性でも念のためタミフル下さい、など。これも医師患者間ギャップの一例です。
日本のがん治療に不安を抱かせニセ医学に誘導する詐欺的手法の一つにWHOの死亡原因ランキングの悪用があります。死亡原因のトップ4(「気管・気管支・肺がん」)まで言っちゃうとインチキがバレやすいから言及は3位までにしておくのがコツです。以上。
ワクチン接種が先行しているのも関わらず苦戦しているアラブ首長国連邦(UAE)やチリはどうなんだ、という意見もあるでしょう。他の要因が強くてワクチンの効果がまだ見えていないだけかもしれませんし、変異株のせいかもしれませんし、ワクチンの種類のせいかもしれません。
逆に、ワクチンの効果は過小評価しやすいです。ワクチンのおかげで病気にならなかった人は、ワクチンなしで病気にならなかった人に紛れて可視化されません。一方でワクチンを打っても病気になった人や有害事象(因果関係を問わず)が起きた人は認識されやすいです。
イギリス政府のサイトにおける、妊娠および授乳女性に対する新型コロナワクチンのガイド[ gov.uk/government/pub… ]。
福岡市議会議員の森あやこ氏が、ニセ医学である新型コロナ否認主義を信じてしまった模様。「ガリヤ」という福岡のコミュニティマガジン2021年春号で、大橋眞氏の見解を好意的に(というか鵜呑みにして)紹介した。
ワクチン接種者と非接種者の致死率の比較は誤解を招きやすいと思う。極端な話、仮にワクチンが感染(確認)を95%、コロナによる死亡を90%減少させる効果があるとしたら、ワクチンがコロナ死を減らすにも関わらずワクチン接種者の致死率は非接種者と比べて2倍になる(はず)。
二つほど、過去のブログ記事を紹介します。[近藤誠氏による乳がんの生存曲線のインチキを解説してみる  natrom.hatenablog.com/entry/20140716… ]。近藤誠氏は存在しない文献を元に視聴者を誤解させました。「公開討論」がニセ医学を主張する側に有利に働く事例でもあります。
アビガンに好意的な、「効かなかったら、2000人も使われていないのでは」という意見もありましたが、論外です。「効かなかったら200年間も使われていないのでは」などと言っているホメオパシー支持者と同レベル。
特定のワクチンをさしたる合理的な根拠なく殺人ワクチンと呼べば、他のワクチンを推奨していても、反ワクチンだとみなされても仕方ない。「ナチスの強制収容所にガス室はなかった!」って言っている人は、他の歴史的事実を認めていたって歴史修正主義者とみなされるのと同じ。
サプリメントのリスクについてプレジデントオンラインに寄稿しました。なお、ウコンによる死亡事例は2001年の話です。新聞でも報道された事例ですが、覚えていらっしゃる方は少ないようです。 / htn.to/4gX3bLawfk
極端な糖質制限には熱心な支持者がいらっしゃいます。この記事にも「根拠のない糖質制限反対記事」とか「良記事でもなんでもない」とかいうご意見をいただきました[ president.jp/articles/-/577… ]。
とは言え、きわめてまれに検査をすり抜けて輸血によって肝炎ウイルスやHIVに感染することはあります。新型コロナ流行以前からです。「承諾書にこんなこと書いていない」ともありましたが、通常は輸血の承諾書に書いてあります。一例として旭川医科大学病院の同意書を引用します。2010年のものです。
小学生の教育と抗不整脈薬の共通点は?「代用のアウトカム」と「真のアウトカム」の話をします。タイムラインをながめていて思いつきました。
[「コロラド先生」のツイッターアカウント凍結と過去の発言について natrom.hatenablog.com/entry/2021/05/… ]。コロラド先生@BB45_Coloradoのアカウント凍結は私にとって残念なことであるし、解除を希望する。