科学的に間違っている主張をする側の常套手段として「公開討論しろ!逃げるのか!」というものがありますが公開討論に応じるのはあまりよくありません。討論の内容に関わらず、そこに議論がある、両論あると世間に思わせられるだけで間違っている側が有利になるからです。
「0歳〜3歳の子供に何十本ものワクチンを打たせようとする今のシステムは明らかにおかしい。僕らが子供の頃と、比較にならないくらい打たせてる」のだそうです。ここで日本の乳幼児死亡率の推移のグラフを提示しましょう。三宅洋平氏の「子供の頃」は1980年ぐらい。 twitter.com/MIYAKE_YOHEI/s…
「癌は化学物質を使用している国だけに発生している!」というツイートを見て、なるほどその通りですねという気持ちになった。
「アマゾン先住民の村で出産したい」という芸能人のニュース。価値観はそれぞれだ。「昔ながらの出産法が理想に近い」と本人が考えるのはいい。しかしパートナーの男性の『ある意味「一番安全」なのが、アマゾンなんじゃないか』は、さすがにおかしい。どのような意味で安全だというのか。
武田邦彦氏がまたデマを流しています。「現在流行中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査が、普通の風邪の原因のコロナウイルスでも陽性になる」というデマです。PCR検査は通常の風邪の原因であるコロナウイルスでは陽性にはなりません。
3月ぐらいまで散見されたトンデモ説「イスラエルはワクチンを接種して新型コロナ死亡者が減ったが、それはほとんどワクチンを接種していないチュニジアでも同じ。ワクチンの効果ではなく季節性の変動かなにか」を4月以降はパッタリみなくなりました。ものすごく差がついたからでしょう。
長文です。「医師が検査を保健所に依頼しても断られるのは問題だ」ってのはその通りです。大問題です。ただ、文句を保健所に言っても、たぶんどうしようもないです。
「癌は切除してはならない」というツイートが2000以上もRTされていた。『風の谷のナウシカ』の腐海のように、がんは毒素を集めて「排毒」する治癒反応なのだと。がんを切除しなかったころの昔を考えてみれば「がん=腐海」説が誤りであることはすぐわかる。
議論に対してはオープンでなければなりませんが「おっしゃりたいことがあれば論文にして発表してください」で十分です。建設的な公開討論は、お互いおよび聴衆に一定のリテラシーがなければ成り立ちません。そうでなければ、厚かましく断定的に嘘を述べるほうが説得力があるように見えます。
悪質。許しがたい。そもそも嘘の病歴を申告することは自衛にはならない。PCR検査結果は治療方針に影響しない。自分の症状を正確に医師に伝えなければ適切な診療は受けられない。 twitter.com/Shimazono/stat…
「アメリカでインフルエンザによる死亡が1万2000人とか出ているけど、実は相当数が新型コロナウイルスによるものかもしれない」という話があるけど、きわめて考えにくいです。
はあちゅう氏に「血液クレンジングには予防医療の観点で部分的効果がある。ニセ医療じゃない」と吹き込んだ医師がいるはず。インフルエンサーよりもニセ医学を自由診療で提供している医師のほうが悪い。
鹿肉の生食は法律では禁止されていない。E型肝炎のリスクはあるが小さく、食文化の尊重との兼ね合いもある。でも、免疫能が低下する病気で闘病中の人がブログで「鹿肉の刺身を食べた。抗生物質などを与えられず育った自然で健康的なお肉!」なんて書いているのとみるとなんだかなとは思う。
「私が新型コロナにかかってもアビガンを要求しない。主治医に任せる。臨床試験になら参加したい」とツイートしたら「臨床試験に参加したいって、アビガンを飲んでみたいってことでは?」という反応があったけど、対照群(プラセボ群)に割り振られてもいいってことです。
海外と比べて感染者数が少ないのに医療がひっ迫しているのは一部の医療者が新型コロナを診ずにサボっているからだと言わんばかりの論調がありますが、新型コロナ流行以前から日本の医療体制は余裕が少なかったんです。少なくとも現場からみたらそう見える。
もし私が副作用が既存薬より極めて少なく効能が他を圧している新薬を開発した製薬会社の社長だったら、ロビー活動をするのではなく、そのデータをいちはやく発表する。
磁石を複数個誤飲すると腸管穿孔のリスクになるという記事が話題ですが、こういった事故をヒントに盲端となっている管を磁石を用いて開腹せずに吻合する治療法(磁石圧迫吻合術)がありまして、これを考えた先生は天才だと思います。
新型コロナワクチンに否定的な立場を取る「全国有志医師の会」が、「デトックスとかプラセンタ等」の根拠の乏しい代替医療と親和性が高い問題。スライドにはホメオパシーもあった。さすがに同情する。しかし、いくつかの理由で全国有志医師の会が代替医療と距離を取るのは難しいかもしれない。
「HPVワクチンを接種していても定期検診が必要なら、ワクチンは不要だ」という間違った主張が散見されます。「エアバックを設置していてもシートベルトが必要なら、エアバックは不要だ」って言っているようなもんです。ワクチンも検診も両方必要です。
そもそも1対1というのがおかしい。近藤誠氏の反対側に99人の医師が座って討論するぐらいが現実を反映しています。討論に応じた時点で負けです。だからこそニセ医学側は論文を書かずに公開討論を要求してくるのです。
ちなみにかのテレビ番組では近藤誠氏はインチキな乳がんの生存曲線を持ち出しました[ natrom.hatenablog.com/entry/20140716… ]。論文ならリジェクトさますし、うっかり通ってもこちらが検証する時間はあります。しかし、討論で持ち出されてとっさに反論できますか。討論はインチキする側に有利なのです。以上。
朝日新聞の報道[ asahi.com/articles/ASN2M… ] から、厚生労働省幹部からの反論として「その中でも時間を区分して感染者と非感染者が交わらないように適切に対応している」という部分がなくなっている。
季節性インフルエンザについて「検査陽性なら5日間休み。陰性なら出勤してよし。ていうか出勤しろ」といった検査偏重の運用がなされていたのがそもそも問題です。バスツアーに参加した新型コロナ陽性の方も、参加しても大丈夫と判断した理由の一つがインフルエンザの検査での陰性ではないでしょうか。
「私が医者になったころは30代40代の癌なんてまずいなかったが、いまは末期がんだらけ」というツイートが回ってきましたが、実際には、日本のがん死亡率はこの30~40年でずいぶん減少しました。30歳台および40歳台の日本の全がん死亡率の推移をグラフを提示しましょう。
患者さんを責めないようにしてください。これは仕方ない。でも、プロフェッショナルたる医師はダメですよ。「検査ができないということは病気の判断ができない」などと言っている医師がもしいたとしたら、そいつはヤブです。お前が検査偏重の風潮の犯人だ。