私は産婦人科医として女性の健康を支援することに誇りを持っています。 それは、「生物学的に女性であるだけで健康面に負担を抱えているならサポートがあって当たり前」と考えているから。 男性と違い、月経、妊娠、出産、更年期、人生の様々なタイミングで持続的な負担を抱えている。ならば支えたい。
子宮頸がん検診をしていると、「初めての検査」の方がいらっしゃいます。 20歳だったり、30歳だったり、40歳だったり。 きっとそれぞれ来た理由は色々でしょうが、「来るのが遅い」などとそこで説教を垂れる意味はない。 大事なのは「よく来てくれましたね」の一言。 そして最大限の配慮だけ。
いまだに医師や助産師から「授乳中に甘いものや油っぽいもの取ったから乳腺炎になったんだよ」と言われることがあるようですが、これに科学的根拠はありません。 乳腺炎予防には、食べ物を見直すより授乳姿勢や授乳間隔を見直すことが推奨されています。 詳しくはこちらを。 journal.obstetrics.jp/2019/01/16/bre…
今回のコロナパンデミックで、社会制度の不整合もあるにせよ、「普段いかに人員の余裕がない状況で運営していたか」を思い知った事業や職場が多いはず。 もちろん、医療機関の多くもそうでしょう。 これを機に、普段はややコストがかさむとしても、人員に余裕を持たせるという決断をぜひしてほしい。
妊娠中にコロナワクチン(mRNAワクチン)を接種していた場合、生後6ヶ月未満の赤ちゃんが新型コロナウイルス感染症で入院するリスクが大幅に減るという研究報告が出ました。 小さな赤ちゃんを感染から守るための非常に有効な手段となります。 オーサーコメント書きました。 news.yahoo.co.jp/articles/af635…
日本の産後ケア対象者は「家族等から十分な育児等の援助が受けられない産婦及びその子で、心身の不調又は育児不安がある者、その他支援が必要と認められる者」となっていますが、こんな制約を課さずシンプルに「すべてのお母さんとそのご家族へ」ってできないものなのか。 まずそういうとこからさ。。
みなさん、ご自身が初めて誰かと性行為に及んだとき、それを事前に親へ伝えましたか? きっと「そんなわけない」という方がほとんどでしょう。 だからこそ、小6〜中学生あたりにHPVワクチンのお話を子どもにしてあげる必要があるんです。誰にも(本人にも)「初めて」がいつかなんて分からないから。
私はファイザーのコロナワクチンを2回接種してますが、これまで「国産のコロナワクチンを打ちたい」と思ったことは一度もないです。 きっと大多数の医師が同じでは。 日本で開発が進み技術の進歩や臨床試験体制の整備が進むことは大歓迎ですが、海外のは嫌だとか国産が優れてるとか全く思いません。
なお、「不安と恐怖」は「性被害にあった」に限らず、「避妊を知らずに好奇心でor相手に望まれたからしてしまった」という場合も多くあります。 それを非難することはできないと私は考えています。 だって適切に性教育をしてあげられてこなかった社会・大人に非があるんですから。
なので、シンプルに ・お母さんの体の中にある子宮というところにいたんだよ ・そこから腟という通り道をとって外に出てきたんだよ と伝えてあげればいい。 胃や心臓についての説明を聞くことと同じように、子どもは受け止めます。 大人の勝手な先入観で子どもの疑問を否定しないことが大切ですね。
「布ナプキンに変えたら月経量が減って子宮筋腫も内膜症も治る!」みたいな誤情報。 仮にそれが真実なら、 ・そんなに低コスト&簡便に治せる方法は革新的 ・世界的に注目 ・必ず大規模研究により確かめれる ・学会も推奨 となる。 でも実際は違う。 誤情報で早期治療の機会を奪わないでほしい。
梅毒がかなり増えてきている。 性行為で感染するものですが、挿入せずとも口や肛門での性行為でも感染します。 妊婦がかかると子どもに先天異常(生まれつきの身体や知能の障害)を起こす原因となります。また、流産や死産の原因にも。 オーサーコメントを書きました。 news.yahoo.co.jp/articles/4ee1e…
これは産婦人科医としてというか人として伝えたいですが、 「相手が自分の前で薄着で肌を露出させていたり、お酒を飲んだり、部屋に遊びに来る」ことは性的同意とイコールではありません。 もちろん自分に好意がある場合もありますが、肌に触れる以上に進みたいなら必ず気持ちと同意の確認を。 ↓
10代の女性に知っておいてほしいのは、「骨の成長が思春期に大事」ということ。 激しいスポーツやダイエット(減量)の影響により無月経の状態が長期間続いてしまうと、低エストロゲン状態のために骨が脆くなってしまうリスクが。加えて、将来の骨粗鬆症の発生リスクを高めてしまう恐れがあります。
【包括的性教育についてかなり本気で書きました】 かなり長文になりましたが、ある程度のことはカバーできたと思っています。 ぜひ、全ての人に読んでいただきたいです。 性に関する知識やスキルだけではない「包括的性教育」とは? 今の日本に必要な理由 news.yahoo.co.jp/byline/shigemi…
そんな子宮頸がんを予防できるHPVワクチン。 ぜひ若い女性には早めに接種してほしい。もちろんいずれは若い男性にも広く。 論文のデータだけを見ている訳ではないんです。 あんな悲しみを減らせるなら、それは本当に素晴らしいこと。
妊娠中のコロナワクチン接種について迷っている人もいるでしょう。 大事なことをまとめておきます。 ・中等症 II・重症となった妊婦81人のうち全員が未接種だった(日本) ・感染すると早産リスクもup ・オミクロンでも未接種の妊婦では重症化しうる ・妊婦には追加のワクチン接種が推奨される
また、このリーフレット公開と同時に以下の通知が厚労省から出されています。本気さを感じます。心強い。 「各自治体におかれましては、妊娠中の者及び配偶者等 が希望する場合には、できるだけ早期に、円滑に新型コロナワクチンの接種を受けることができるよう〜特段の配慮をお願いいたします。」
「月経」が意味することへの誤解がまだまだ多い。 月経は、妊娠できるよう身体が準備をして、でも妊娠しなかった月にそのリセットをするという現象。 この「リセット」を謎解釈して ・月経は最強のデトックス! ・子宮を温めると月経血が綺麗に! みたいなことを言う人がいますが、スルー推奨です。
【Yahoo!個人ニュースを書きました】 news.yahoo.co.jp/byline/shigemi… 生理の裏に隠れる婦人科の病気についてガッツリ解説しました。 「生理痛に痛み止めが手放せない」 「多い日は日中に何枚もパッド交換する」 「生理中よりも始まる前の方が調子悪い」 など思い当たる方や学生さんに届いてほしいです。
来週4月9日は「子宮の日」。 今回、鈴ノ木ユウさんの漫画『コウノドリ』の「子宮頸がん」のエピソード無料公開が実現しました。 219Pのボリュームですが、心の底から多くの人に読んでほしいです。 私は何度読んでも号泣します。臨床でも現実に起こっていることなので。。 gendai.ismedia.jp/articles/-/939…
これは有名ですが、LANCETシリーズのコメンタリー。 「日本のHPVワクチン接種勧奨控えにより5000~5700人の子宮頸がん死亡の原因になりうると推定」 「予防可能なはずだった24600~27300人の子宮頸がんを生み出してしまう恐れがある」 世界が日本のactionに注目しています。 thelancet.com/journals/lanpu…
今日のnews zeroで、HPVワクチン未接種を後悔している女性の特集が。 あくまでお一人の事例ですが、同じように検診で引っかかり、ワクチンを若い時に打てばよかったという思いを抱いている女性は少なくないでしょう。 メディアもupdateしてくれることは有り難い。 @ntvnewszero #HPVワクチン
私が今でも脳裏に強く焼き付いているのは、10年ほど前に夜間当直していた時のこと。 少しお腹が張って痛いと妊娠30週過ぎの妊婦さんが受診されました。だんだん症状が強まっており、入院の準備とともに点滴を取ろうとしたら急に意識を失いました。ショック状態でした。 ↓ #帝王切開