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検察官は司法権ではなく行政権に属するけれども、刑事裁判は、検察官が起訴しない限り原則として開始されない仕組みになっている(極めて特殊な例外はあるが)。その意味では、検察官に対する政権の影響力が拡大することは、刑事裁判への政権の影響力の拡大を意味する。
#検察庁法改正案に抗議します
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→もちろん刑事裁判で最終的に判断を行うのは裁判所なのだが、その裁判所がある事件について刑事裁判を行うかどうかは、検察官がその事件を起訴するかどうか次第なのである。検察官が起訴すれば刑事裁判が行われるが、逆に起訴しなければ刑事裁判は行われないままになる。
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→例えば政治家が贈収賄や横領や選挙違反を行った場合、国民は自分が裁判所に直接訴えて裁判を開始させてその政治家の刑事責任を追及することはできない。それは刑事裁判の役割であり、起訴して裁判を開始できるのは検察官だけである。(前述のとおり特殊な例外的制度はあるが)
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→若干訂正
×起訴して裁判を開始できるのは検察官だけである
○起訴して裁判を開始させることができるのは検察官だけである
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→
今回の法案では、検察官全員について一律機械的に定年を延長するだけならまだしも、内閣や法務大臣が必要と判断した特定の者について役職定年を恣意的に延長できるようになっており、そこで政権の影響力が拡大する恐れがある。
asahi.com/articles/ASN3F…
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検察官の定年を全員一律延長するだけならまだしも、検察官にも役職定年を導入して、その上で検事長や検事正等の役職については政権の意向で恣意的に延長できるようにしたのが問題。 twitter.com/lullymiura/sta…
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検察庁法で今回問題となっているのは、一律定年延長の部分ではなく、役職定年を導入したうえで、特定の者について政権の意向で役職延長できるという部分。 twitter.com/fuj_sato/statu…
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→
内閣提出法案の条文は次の通り(問題の箇所は画像)。役職定年を導入し、検事正については法務大臣の判断、次長検事および検事長については内閣の判断で、個別に役職定年を延長することができるようにしています(なお、現在の検察庁法には役職定年の制度はありません)
shugiin.go.jp/internet/itdb_…
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下記は論点のすり替えです。検察官(と公務員)の一律の機械的な定年延長だけだったら、問題はありません。
検事長や検事正等の役職について、役職定年を新たに導入し、そのうえで内閣や法務大臣の意向次第で役職定年を延長できるようにするのが問題なのです。→
#検察庁法改正案に抗議します twitter.com/YoichiTakahash…
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三浦瑠麗さんの下記の理屈によると、安倍政権は今、"無くても大して誰も困らない"検察庁法改正案をわざわざ国会に提出し、貴重な時間を空費していることになってしまいます。 twitter.com/lullymiura/sta…
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#検察庁法改正案に抗議します
問題を整理します。現行の検察庁法では、定年は検事総長が65歳、他の検察官は一律63歳です。検事長や次長検事などの役職者もすべて63歳で定年退職し、それ以上留任することはなく、政権の意向に左右されることなく、検察官は定年で入れ替わっていました。これに対して→
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→一般の国家公務員は、現行の国家公務員法では原則60歳定年ですが、例外的に定年を延長する制度がありました(81条の3)。安倍政権は、この国家公務員法81条の3を、本来対象でない検察官に適用し、2020年2月に63歳に達して退職しなければならないはずの黒川検事長を留任させたわけです。そして→
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→今回、国家公務員法を改正して一般の公務員の定年を延長するのと抱き合わせて、検察庁法を改正し、従来「検事総長65歳、他はすべて63歳」だった検察官の定年を「すべて65歳、ただし検事長や次長検事等の役職は63歳までであとはヒラになる(検事総長は従来通り65歳)」としました。その上で→
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→63歳で検事長や次長検事等の役職を外れるのが原則ではあるが、内閣や法務大臣が必要と判断した場合は、役職を延長できる扱いとしたのです。つまり「政権の意向によって、63歳になった検察官の役職が続くか続かないかが決まる」という、従来存在しなかった現象が、今後は起こるようになるわけです→
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→「他の公務員については前から政治判断による延長があったのなら、検察官にも今後は同じことをやって良いではないか」という人がいますが、検察官を他の公務員と同じに考えるべきでないという点は、以下を参照してください。
twitter.com/ShinHori1/stat…
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→「野党もがんばって政権を取ったら、改正された検察庁法を活用して検察庁に影響力を及ぼせば良いではないか。民主主義はお互いさまだ」という意見もありますが、経済政策や社会福祉政策を担当する官僚ならともかく、検察官にまでそういう考え方を適用してしまって良いのでしょうか。つまり→
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→検察官が起訴すれば刑事裁判が始まり、起訴しなければ刑事裁判は原則行われません(例外はある)。検察官は行政に属してはいますが、刑事面で司法権が発動するかどうかを実質的に決める権能をもっています。民主的に選ばれた政権に対しても厳しく処断しなければならないこともあるのです。→
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→このように考えると、検察官の人事に政権の影響力を増大させるような法改正は行うべきではないと考えるべきではないでしょうか。
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→なお他のところでも書きましたが、自分としては、検察官の定年が一斉に延長されるという部分「だけ」であれば特に反対はしません。問題は政権の判断によって役職が延長されるなどの部分です。
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国家公務員の定年延長の議論は確かに前々からありましたが、それに伴う検察庁法の改正案では、当初は63歳の役職定年はあったものの、「内閣が特別に役職を延長できる」という規定はありませんでした。
それが2020年1月に変更され、政権が介入可能な現在の案になったのです→
kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId…
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→整理すると
1.国家公務員の定年延長構想は、元々あった
2.それに伴い検察庁法の改正案作成も、確かに昨年から行われていた
3.しかし当初案では、63歳役職定年はあったが、内閣が特定の者の役職を延長できる規定はなかった
4.今年1月時点でこの改正案が差し替えられ、内閣が役職延長可能になった
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→
以上から「野田内閣の頃から国家公務員の定年延長を人事院等が検討し議論していた」などという意見が本件と何の関係もないことがわかるでしょう。問題は、検察の定年延長を扱う検察庁法改正案が、2020年1月に政権介入がしやすくなるように変えられたことなのですから。
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#検察庁法改正案に抗議します
この件について「検事総長は現に内閣が任命しているのに、何を今さら」という人がいますが、現行法では検事総長は65歳で必ず退任し交代します。
これに対して改正案は、内閣が特定の検事総長や役職者だけ延長できるようにするものです。
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#検察庁法改正案に抗議します
一般に検察官(さらには裁判官)のような職は、「その人でなければならない仕事」「その人だけのスキル」などがあったらまずいのであり、傾向の偏りを防ぐためにも逆に定年によってどんどん入れ替えるべきなのです。上位職なら尚更のこと→
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下記は論点が違います。
国家公務員の全般的な定年延長論は確かに前々から存在していましたが、政権の意向次第で特定の検察庁幹部を役職定年後も継続させられるという条項案は、2020年1月に初めて出てきたのです→ twitter.com/wadamasamune/s…