エラリイ・クイーン『十日間の不思議』の書影が解禁となったようですね。2月17日ごろ書店に並びます。 いまから読む人は、可能なら『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』『九尾の猫』の順に読んでもらえるとうれしいです。
「三点リーダー症候群」がトレンド入りしているので、改めて書きますが、英文で「. . .」と「. . . .」が使い分けられている場合、後者にはピリオドが含まれています。つまり「……」と「……。」のように訳し分けるのが原則。ただし「. . .」だけ使う英文の書き手も多いです。 #三点リーダー症候群
3点リーダーの話その2。台詞の場合、3点リーダーとダーシ(ダッシュ)のちがいは、一般にはこうです。 ……は、自分で迷ったりして言いよどんでいるとき。 ――は、何か言おうとしたのを相手にさえぎられたとき。 先日の戯曲版『災厄の町』は両方が頻出し、原文データが見分けづらくて苦労しました。
翻訳の仕事をするための資質として、わたしが「英語が好き」をあげないのは、英語を正確に読めなくてもいいということではなく、「なんとなく英語が好き」というレベルでは話にならないという意味です。正確に読めるという当然の条件を満たした上で、日本語や読書や調べ物が大好きな人が向いています。
前にもちょっと書きましたが、電子書籍だって紙の本と同じで、版権が切れれば絶版になります(数年で版権が切れるケースが少なくありません)。一度絶版になったものが復活する可能性はきわめて低いです。読みたい作品はぜひ早めに購入してください。 twitter.com/futami_honyaku…
エラリイ・クイーン『十日間の不思議』、いよいよ明後日(17日)あたりに書店に並びます。 いまから読む人は『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』『九尾の猫』の順にお読みになることをお勧めします。 まさか自分がこんなに訳すことになるとは思いませんでした。
エラリイ・クイーン『十日間の不思議(新訳版)』、本日刊行です。刊行記念を兼ねて、一昨年《ミステリマガジン》に寄稿した文章をnoteで公開しました(版元了承済)。なぜ『フォックス家の殺人』と『十日間の不思議』の新訳にこだわりつづけたかも、最後に書いてあります。 note.com/t_echizen/n/n3…
表記の統一をどうするかが話題になっていますが、とりあえず文書全体から表記の乱れを見つけたいときには、一太郎の「表記ゆれ」機能をお勧めします。こんなふうに、一瞬で五十音順にすべて洗い出してくれます。統一するかどうかは自分で決めればいい。わたしは入稿前にかならずこれでチェックします。
『推し、燃ゆ』を読んだんだけど、文の「体幹」みたいなものが強固だから、ちゃらいことが書いてあっても、逆に2行ぐらい読点なしの文になっても、ぜんぜんぶれないんですよ。リズムがいいし。これって、小説の翻訳において自分がめざしているものでもあるわけで、この人の書くものをもっと読みたい。
読んでいる本に「目の前の人物の心の中の風景」という表現が出てきた。「の」が5つ続いているが、ストレスを感じない。1通りの意味にしか読めないからだ。 一方、「きみの写真」は「の」が1つしかないが、意味が2通りある。 大事なのは「の」の数ではなく、誤読される可能性を減らすことだ。
金原瑞人さんが、出版翻訳報酬の「最低保証額制度」導入を提案していらっしゃいます。 英文ワード数か原稿用紙枚数かはともかく、自分の感覚でもこのあたりの金額かな、と思います。 ハーパーコリンズ・ジャパンについて補足すると、「あとがき料」が出ることも大きいです。 blog.kanehara.jp/?eid=716
amazonの書籍レビューについては、何よりまず、「梱包がひどい」とか「届くのが遅い」とかいうやつを即座に排除する(配送へのレビューとはっきり分離する)仕組みを作ってもらいたい。最初のレビューがそういうやつで★ひとつだったときに本の作り手がこうむる損害はけっこうなものなんだから。
機械翻訳、AI翻訳を過信してはいけない理由が、ここからの一連のツイートにとてもよくまとまっています。とりわけ、「わからないときはすっ飛ばして滑らかにしてごまかす」タイプの機械翻訳は、すぐには誤りに気づきにくいので、さらに要注意だと言えます。 twitter.com/bumicchu/statu…
両親のもとに接種券が届き、何百回電話をかけてもつながらないとのことだったので、必要事項を教わってこちらでネット予約を試みたところ、どうにか30分ぐらいで申込完了。しかし、これ、高齢者だと、よほどネットに慣れてる人以外は最後までたどり着けないと思う。この仕組み、なんとかならないのか。
「ぼったくり男爵」が今年の流行語大賞に輝くかも。いや、Baron von Ripper-off をそう訳した人に名訳大賞でもいい。
仕事中に萎えたシリーズその2。 某書店のサイン会で。 越「お名前は入れますか?」 客「あ、いりません」 越「(贈り物にするとか、事情はいろいろだと思いながら)そうですか」 客「名前がないほうが、ヤフオクやメルカリで売りやすいって聞いたんで」 越「……そうですか。つぎの方、どうぞ」
大学の翻訳クラス(2年生・3年生が半々ぐらい)では、余った時間に「誤訳しそうな英文クイズ」を出しています。 きのう、13人のうち、ひとりも正しく読めなかった文。 All the people that admire a person who paints like Renoir.
長らくお待たせしました。エラリイ・クイーンの中期作品『ダブル・ダブル』と『靴に棲む老婆』の新訳刊行が決まりました。どちらも早川書房から、2022年に刊行予定です。新訳実現に向けて応援してくださったみなさん、ありがとうございます。
読点の打ち方について、参考になる記事です。本多勝一さんの2大原則と飯間浩明さんの2か条、どちらも役に立ちます。わたしは「打たないことによって文の意味が2通り以上考えられるときは打つ」と決めていますが、それは本多さんと飯間さんのルールでほぼ解決する気がします。 bunshun.jp/articles/-/465…
「英語のsomeは4から6を表す」とかなんとかいうツイートに「わかりやすい!」「nice!」といった感想がたくさんついているのを見て、げんなりしている。
この手の話、定期的に何度もツイートされているんだけど、知らない人がまだまだ多いので広めましょう。 紙でも電子でも事情は同じです。 自分の場合、これまでの訳書100冊近くのうち、おそらく半分ぐらいが、絶版もしくは事実上の絶版です。早ければ3年程度で絶版が決まります。 twitter.com/futami_honyaku…
平田牧場東京ミッドタウン店で、金華豚厚切りロースかつ膳。「選挙割り」期間なので、投票済証を見せると2,300円のところが半額になります。11月7日まで、ほぼ全店舗で実施中だそうです。ご飯、味噌汁、キャベツおかわり自由。 #選挙に行こう
これ、6年前のツイートですが、翻訳者(&作家)向けもぜひときどき開催してもらいたいものです。自分の世代だと、小林宏明さんがガンショップへ「引率」してくださったり、いろいろな機会がありましたが、最近はあまり聞きません。ミステリーの版元が開催してくださるのが一番ありがたいです。 twitter.com/Hayakawashobo/…
ほかの人の本だけど、「内容はよいが発行年月日が気に入らない」という理由で★ひとつにしているamazonレビューを見かけた。ふられた女の誕生日とかだろうか。著者が気の毒でならない。
「重箱の隅をつつく」は翻訳では使えないよな、と思いつつ、これに似た英語表現はなんだろうかと調べたら、comma-counter というのがあった。なるほど、カンマを数える人か。comma-hound(カンマの猟犬)とも言うらしい。ランダムハウス英和大辞典には「(特に)うるさい校正[編集]者」という語義もある。