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誤った情報を発信した人が、懸命に訂正しようとしてくれる人の助言に全く耳を貸さない姿を見るにつけ、「もしかしたら自分が間違っているのかもしれない」と一瞬でも振り返れなくなった時に一切の知的成長はなくなるのだなと恐ろしく思うし、そうならないよう気を付けねばとの自戒を強くするのである。
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どんなに優れた能力があっても、あらゆる領域に精通している人なんていないんですよね。重要なのは、自力で意思決定できる範囲と、"詳しい誰か"に頼った方がいい範囲の線引きができること。加えて、各分野の"詳しい誰か"に簡単に相談できる人脈とパワーを持っていること。
そういう人は圧倒的に強い。
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私のボスがよく使う言葉に、“trust but verify(信じよ、されど確認せよ)”というのがある。
「信頼できる他者から得た情報はひとまず信じてみるが、ソースを自分で確認するまでは判断を保留にする」という習慣は大切。ただし「自分で確認するまで納得はしない=相手を信頼しない」ではない点も重要。
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忽那先生のオーサーコメント、とても分かりやすいです。
『ある程度「新型コロナらしい人」を対象にしないと、検査のメリットよりもデメリットが大きくなります』
news.yahoo.co.jp/profile/author… #
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プロ野球選手に本気で野球対決を挑もうとするアマチュアはいないと思うが、科学や法律など学問を修めた人にアマチュアが本気で対決を挑む光景は日常的に見られる。
スポーツ選手のパワーは素人でも "一応" わかる数字で可視化されるのに対し、学の高さは一見すると分かりにくいからかもしれない。
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人は信じたいものを信じる。
自分が持っていた何かへの怒りや妬みを代弁してくれて、信念を補強してくれる言説は、それが科学的に正確かどうかを判断する前に「拡散したいという気持ち」が勝ってしまう。
いかに私情を退け、冷めた頭で科学的に物事を考えられるか。
医療デマの拡散は人の命を奪う。
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臨床現場においては、エビデンスは「ありorなし」の二択ではなく「確かさの濃淡」があるだけです。ほぼ全ての事象は濃淡のあるグレーであり、行動の基準にする時にその濃淡を優先順位に反映させる、という形です。
世の中には「白か黒か」「お前は何派か」みたいな線引きをしたい人は多いのですが…
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新しく研修医になる皆さんに伝えたいのは、 「医師だけでできる医療行為はほとんどない」ということです。
何をするにも、誰か他のスタッフに協力を依頼することになります。それは全てその「誰か」の時間を奪う行為です。
事前の打ち合わせと時間の調整は必須。熱い想いだけで仕事はできません。
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「あの人がこんなことを言うとは思わなかったショックだ幻滅した」という話を時々聞くけど、他人に対して「こう思っていてほしい」と強く望むことは結構危ういと感じる。
脳を共有しない赤の他人が自分の期待通りの思考回路であるはずがないし、そう思っていないと心が疲れるだけではないかと思う。
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細胞レベル、あるいは動物レベルの実験結果を根拠に "がんに効く" と宣伝する商品をお勧めしようと思わないのは、厳しい基準のもとに期待を持って開発が始まった薬ですら、大部分が実用化に至らないことを知っているからです。
信頼に足る科学的根拠を作るには膨大な時間とコストがかかるのです。 twitter.com/SatoruO/status…
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今日NHK総合で「デリートC」が紹介されます。
プロジェクトに参加する企業や自治体がサービス名からCの文字を消したり、deleteCのロゴを使用したオリジナル商品を作り、その購入金額ががん研究に充てられる仕組み。Cはcancer(がん)の頭文字。とてもユニークなアイデアです。
www4.nhk.or.jp/P5035/x/2020-0…
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先日ある週刊誌の取材を受けたのだが、しばらくしてメールがあり、
「〇〇というコメントをいただいたのですが、そのソースを教えてもらえませんか?」
とのことだった。
たとえ専門家に取材して得た医療情報でも、信頼に足るソースが明示できないならその価値は高くないということを理解されていた。
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時事メディカル連載
病院に行ったのに薬の処方や検査をしてもらえなかった時に、「何もしてもらえなかった」と思ってしまう方がいます。
しかし、実際は診察によって「検査や薬が不要であるという判断」を提供した、というケースが多いというお話です。
medical.jiji.com/topics/1575
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研修医の期間を終えて3年目になると、現場に慣れ自力でできる仕事が増え、後輩の指導も任されるようになるため、ある種の全能感を抱くことがありますが、これは大怪我の元です。
立場が変わった瞬間に能力が高まるわけではありません。
常に謙虚さを忘れず。安全第一。
私もそう言い聞かせています。
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ある領域に詳しい人の「Aが良い」という主張に対し、「Bが良いという考え方もあるんですよ、知らないんですか」と非難する人を時々見るが、当事者にとっては「Bが良いかもしれない論」はすでにさんざん検討済みであり、「3周くらいまわってやっぱりA」みたいなことは多いと思うんですよね。
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ワクチンに関して、ほむほむ先生が取材に答えています。
すばらしい記事です。
『ワクチン接種をためらう親御さんも、皆さん「子どもの健康と幸せ」を心から願っている』
『たまたま間違った知識を入り口にしてしまっただけで、むしろ思いが強いから突っ走ってしまう』
president.jp/articles/-/335…
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科学的に妥当な選択肢は、私たちにとって時に不都合で、耳障りで、そして一見すると非合理的に思えることもある。
まず、そういうものだと理解しておくことが大切だと思います。
安易に大衆のウケのいい方向に舵を"切らせない"ためにも。 twitter.com/mph_for_doctor…
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感染対策として、とにかく「顔を触らない」を徹底している。顔を触りそうになったらふと気づいて止める、を繰り返すと「1日のうち何回顔を触りたくなるか」がよく分かるようになってくる。
で、これがまた相当多い。
この動画では「人は1日300回ほど顔を触る」とあります。 twitter.com/nhk_seikatsu/s…
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『人工呼吸器とは「肺が頑張れないと他の臓器に支障が出るから、肺を傷めながらなんとか働かせる機械」』
まさに。分かりやすい説明です。
そのマネジメントは、医師の中でもかなり専門性の高い領域。 twitter.com/mph_for_doctor…
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同じ病気を持つ知人から「私は〇〇の治療をしているけどあなたはなぜ別の治療を?」と言われ不安になってしまう人がいますが、同じ病名の知人は「病名しか同じでない知人」だと心得た方がいいです。
総称が同じでも細かな分類が違ったり、同じ病気でも状態に応じて治療が全く違うこともあります。
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忽那先生の最新記事です。
「クラスターから流行が広がる」というこの感染症の"特殊性"を理解することが最も大切だと思います。
・患者の8割は誰にも感染させていない
・残り2割の患者が広げた環境は多くが「密閉・密集・密接」の3要素を持つ空間
“3密空間”を避けよう!
news.yahoo.co.jp/byline/kutsuna…
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専門外の領域に対する姿勢では、知識人は3タイプに分かれるような気がしている。
・口は災いの元と言わんばかりに専門外の領域にはあえて口を出さずに黙する人
・専門外の領域で浅い私見を展開して地雷を踏み続ける人
・専門外にもかかわらず恐るべき理解力で正確な情報発信を行う切れ者
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厚労省のホームページに、
「大規模イベントに参加されていた皆様へ」
という項目が追加されています。
ご参照ください。
mhlw.go.jp/stf/seisakunit…
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専門家会議クラスター対策班の西浦教授(@nishiurah)の記事です。
医療従事者へ。
「ひとたび大規模流行が発生すると、流行が制御不能になります」
「皆さんの力が必要です。お願いします、助けてください」
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200324-…
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「クラスター対策で濃厚接触者を追跡し丁寧に丁寧に感染拡大の芽を潰しているのが日本」
「感染者の8割は軽く済む病気なので、この人たちにあまり不安を持たせたくもない。一方でリラックスしすぎてもほしくもないので、一定の緊張感を持って日常の行動を変えてもらいたい」
buzzfeed.com/jp/naokoiwanag…