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勝たないまでも負けない。それが日本を亡国から救う道である。
そのためにはどうしても特攻が必要なのだ。
国民全部が特攻精神を発揮すれば、たとえ負けたとしても、日本は亡びない。そういうことなのだ。
―海軍中将 大西瀧治郎(第一連合基地航空隊司令官 S20.8.16自決)
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自分みずから必殺の特攻となってその範を示す。希わくは志ある後輩われに続き、この危急存亡に当り護国の大任を果されんことを望む。
―海軍少将 有馬正文(第二十六航空戦隊司令官 S19.10.15)
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「冬来りなば春遠からじ」、
厳寒の冬を過ごして桜花爛漫の春が来ると同様、あらゆる苦境を忍び、一途に光明の彼岸に邁進するところに我々日本人の生き甲斐があり、生命があるのだと思います。
―海軍大尉 上別府宣紀(回天菊水隊 S19.11.19)
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なぜ若い命を特攻で…と疑問を抱く者もいる。そういう人達に私はいつも言う。
「母や姉、妻の生命が危険にさらされるとき、敢然と暴漢に立ち向かうのが息子の、弟の、夫の道である。愛する者が理不尽に殺されるのを黙って見過ごせるものだろうか?」と。
―アンドレ・マルロー(フランスの作家)
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散る桜 残る桜も 散る桜
我々は、皇国最後の勝利を確信し、後に続く者を信じ、ここに春四月桜花の散ると共に散華いたします。
咲いた花なら散るのは覚悟、見事散らすぞ国の為。
―陸軍中尉 小澤大蔵(第二十四振武隊 S20.4.29)
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今春、靖国神社に詣って見て下さい。そこには幾多の戦友と共に、桜花となって微笑んで居ることでせう。私は笑って死にました。どうか笑って下さい。泣かないで私の死を意義あらしめて下さい。
―海軍一飛曹 嶋村中(第一神雷桜花隊 S20.3.21)
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叔母さんに一つだけお願いがありますが、台湾にいる両親に「十二郎は子として親を思う点で人には負けぬと考えるが、しかしそれ以上に国を思っている」と、これだけ伝言してもらえれば、他に思い残すことはありません。
―海軍少尉 北村十二郎(回天轟隊 S20.7.16)
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日本の国民学校の子供達へ。
幸光は今、日本の子供たちの為に死んで行く。日本の可愛い子供たちよ!立派な国民になりなさい。
(中略)幸光が、先生と呼ばれたのは僅か半年だった。かわいいなあ、日本の子供たちよ。俺は子供達が一番好きだ。
―海軍中尉 富澤幸光(第十九金剛隊 S20.1.6)
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俺たちの苦しみと死とが
俺たちの父や母や弟妹たち
愛する人たちの幸福のために
たとえわずかでも役立つものならば
―陸軍少尉 長谷川信(誠第三十一飛行隊 S20.4.12)