51
はっきり言ふが俺は好きで死ぬんぢやない。何の心に残る所なく死ぬんぢやない。国の前途が心配でたまらない。いやそれよりも父上、母上、そして君達の前途が心配だ。心配で心配でたまらない。
―海軍少候 大塚晟夫(第三草薙隊 S20.4.28 妹達へ)
52
國なくして何の人間ぞ、人間として生活は國家故にである。
―海軍大尉 若麻績隆(第一八幡護皇隊艦攻隊 S20.4.6)
53
さう簡単に勝てるなどとは思つてゐません。
しかし、負けたとしても、その後はどうなるのです……。
おわかりでせう。
われわれの生命は講和の条件にも、その後の日本人の運命にもつながつてゐますよ。
さう、民族の誇りに……。
―海軍中尉 西田高光(第五筑波隊 S20.5.11)
54
私は一足先に死んでゆきますが、私が、あの弱かつた私が國に殉ずることを喜んで下さると思ひます。長い間御世話になり何一つ喜んで頂く様なことも致しませず相済まぬと思つて居ります。私の死はせめてもの恩返しと思つて下さい。
―海軍少尉 旗生良景(八幡神忠隊 S20.4.28)
55
あの時、お母さんと東京を歩いた思い出は、極楽へ行ってからも、楽しいなつかしい思い出となる事でしょう。
あの大きな鳥居のあった靖国神社へ今度新平が奉られるのですよ……。手を繋いでお参りしましたね。
―陸軍曹長 佐藤新平(第七十九振武隊 S20.4.16)
56
なぜ若い命を特攻で…と疑問を抱く者もいる。そういう人達に私はいつも言う。
「母や姉、妻の生命が危険にさらされるとき、敢然と暴漢に立ち向かうのが息子の、弟の、夫の道である。愛する者が理不尽に殺されるのを黙って見過ごせるものだろうか?」と。
―アンドレ・マルロー(フランスの作家)
57
叔母さんに一つだけお願いがありますが、台湾にいる両親に「十二郎は子として親を思う点で人には負けぬと考えるが、しかしそれ以上に国を思っている」と、これだけ伝言してもらえれば、他に思い残すことはありません。
―海軍少尉 北村十二郎(回天轟隊 S20.7.16)
58
勝たないまでも負けない。それが日本を亡国から救う道である。
そのためにはどうしても特攻が必要なのだ。
国民全部が特攻精神を発揮すれば、たとえ負けたとしても、日本は亡びない。そういうことなのだ。
―海軍中将 大西瀧治郎(第一連合基地航空隊司令官 S20.8.16自決)
59
今迄お世話になった父母上様を始めとし、上官の方々及周囲の人の御恩で胸が一杯です。
どうか大東亜戦争の勝抜く日迄達者でゐて下さい。私も体はなくなつても魂だけは残つて父母上様の元気なお顔を靖国の空より拝見させて戴きます。
―海軍二飛曹 井上信高(第三草薙隊 S20.4.28)
60
誰がやる 彼がやるでは はじまらぬ 我さきがけて 国をまもらん
ー陸軍伍長 木谷豊二(義烈空挺隊 S20.6.15 ※戦死認定日)
61
神風特攻隊の隊員は、全世界そして次世代の全人類のために、彼らの人生を記録として残してくれたのです。彼らは自分の命を生きている偉業としてささげ、人間はどこまで自国を愛することができるか、ということを提示してくれました。
―ダニエル・H・ディソン(フィリピン神風戦没者協会設立者)
62
沖縄は断じて敵にゆずらず。
生命もいらず、名誉も地位もいらず、ただ必中あるのみ。深山のさくらのごとく、人知れず咲き、散るべき時に潔く散る。何の雑念も含まず。
―海軍中尉 西田高光(第五筑波隊 S20.5.11)
63
私がいなくなったからとて、別に改まって考えないで下さい。(略)生きて居た時と同じ気持で私を取り扱って下さい。其れが只一つのお願いです。私は常にお母さんや皆と一緒に居たいのです。いや必ず必ずお母さんの胸の中に帰って来ます。
―陸軍中尉 小澤大蔵(第二十四振武隊 S20.4.29)
64
大空の雲染む屍と散るは此の上も無い名誉であり、男子の本懐これに過ぐるものはありません。
決戦場に出たからには、生きて再び故国の地を踏まうなどとは毛頭考へません。今度皆々様と会ふ日は、必ず九段の桜花咲く下であらうと思ひます。
―海軍二飛曹 新井春男(第七建武隊 S20.4.16)
65
今の危機を救ふ者は私達です。この誇りをもって必らずやります。すでに戦友がやってゐます。今の今でも私の戦友は、後に続く者を信じてぶつかっているのです。
黙ってゐられるでせうか、これが黙って見てゐられるでせうか。
―陸軍少尉 富澤健児(第六十二振武隊 S20.4.6)
66
日本は危機にある。それは言うまでもない。それを克服し得るかどうかは疑問である。
しかしたとえ明日は亡びるにしても、明日の没落の鐘が鳴るまでは、我々は戦わなければならない。
―海軍少尉 林尹夫(八〇一空 S20.7.28)
67
私達にも若い血は流れてます。
好きな人も、思ふ人も、忘れ得ぬ思ひ出も多々あります。然しそれでは戦争には勝てません。美しい日本を何時迄も発展せしめ、米英の魔手から開放すること、それが吾々の喜びであり、又命日でもあるのです。
―陸軍少尉 鈴木重幸(第五十六振武隊 S20.5.11)
68
私たちは、彼らの偉業を引き継いでいかなければならないと思います。戦争のためではなく、忠誠心、愛国心、祖国への愛のためです。東洋、いや全世界の人々が、この神風特攻隊の話から何か大きなことを学べると思います。
―ダニエル・H・ディソン(フィリピン神風戦没者協会設立者)
69
君が代を 犯さんとする 夷らに 大和男子の 意気見せん
―陸軍伍長 坂本清(第六十二振武隊 S20.4.6)
70
悠策、元気でやってるかい。お兄ちゃんはものすごい元気で、誰にも負けない気持ちでがんばっている。戦争にゆくのももうすぐだ。
悠策、勉強せよ。強く正しくあれ。
負けるな、日本一たれ。
―海軍少尉 塚本太郎(回天金剛隊 S20.1.21 弟へ)
71
実に日本の国体は美しいものです。古典そのものよりも、神代の有無よりも、私はそれを信じた祖先達の純心そのものゝ歴史の姿を愛します。美しいと思ひます。国体とは祖先達の一番美しかつたものゝ蓄積です。
―海軍少尉 山口輝夫(第十二航戦水偵隊 S20.6.21)
72
君がため 御楯となりて この命 捨つべき秋の 来るうれしさ
―海軍中尉 田中正喜(徳島第二白菊隊 S20.5.28)
73
身はたとい 煙とともに 消ゆるとも 七たび生まれ 君に尽くさん
―陸軍中尉 山本達夫(富嶽隊 S19.11.7)
74
隣の室では酒を飲んで騒いでゐるが、それもまたよし。俺は死するまで静かな気持でゐたい。人間は死するまで精進しつづけるべきだ。ましてや大和魂を代表するわれわれ特攻隊員である。その名に恥ぢない行動を最後まで堅持したい。
―海軍少尉 市島保男(第五昭和隊 S20.4.29)
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國なくして何の人間ぞ、人間として生活は國家故にである。
―海軍大尉 若麻績隆(第一八幡護皇隊艦攻隊 S20.4.6)