2年ぶりとなる、大阪での半・分解展の開催が決まりました まだ先ですが、11月26日から12月2日の予定です 展示品も大きく変わっているので、ご期待ください 写真は、英国陸軍の肋骨服 120~140年前の軍服です
現在、ロンドンにて半・分解展の作品を一部展示しています 【KUMIHIMO: Japanese Silk Braiding by DOMYO】と題し、江戸時代から続く老舗「道明」とコラボレーションした作品が並びます 長い歴史を持つ道明の組紐を、半・分解展の研究する西洋衣服と掛け合わせました Photo:Japan House London
このダストフリルは、直接縫い付けられるものもあれば「取り外し可能」なタイプも存在しました 京都服飾文化研究財団の広報誌「服をめぐる 21号」にも紹介されています (写真1) 服をめぐるは、毎回とっても面白い内容です 無料でPDFで読めるので、皆さんもぜひ ↓ kci.or.jp/publication/
【ゴミドレス】 これは1863年に掲載された風刺画です 長いトレーンをゴミドレスと一蹴しています 「イギリスの高級婦人がこの世で最も汚い生き物」 「トレーンは地面を掃除し、泥、ほこり、葉巻のカス、その他あらゆる不純物を集める」 「結婚するなら立派な女性よりも分別のある女性を選ぶべきだ」
今回は、1890年イギリス 【イブニング・スカート】を紹介します 上流階級が履いていたスカートには、凡人には想像もつかないような秘密が隠されています 代表的なディテールが【ダスト・フリル】です 引きずるほどに延長したスカートの裾「トレーン」を守るために、裏側にフリルを縫い付けました
あたなは19世紀のデザイナーです ここに【シルク素材のフリル】がたくさんあります さて、どう使いますか? ドレスの表側に縫って飾り付ける? それは凡人の考えですね 貴婦人は【ダスト・フリル】として、スカートの裏側に大量に縫い付けます なんと、ゴミ刷毛としてシルクのフリルを使いました
【初めての服装史!】 この春、ファッションから読み解く 美術史 を学んでみませんか? 半・分解展を主宰する私と巡る、ガイドツアーのご案内です 初心者でも楽しく学べるツアーです 日時は4月14~16日 渋谷でおこないます 参加チケットはHPよりお求めください↓ sites.google.com/view/dd--ateli…
4月に渋谷でおこなう半・分解展のイベントは、このようなタイムスケジュールでおこないます テーマは【初めての服装史】 今回は新たに「小学生向け」「中高生向け」「絵描きさん向け」の回をつくりました もちろん「大人向け」も用意しています 洋服から読み解く美術史・文化史を探りましょう
フットマンの給料には「イケメン手当」が付きました 整った顔立ちは必須として、身長が180cm以上あったり、美しいふくらはぎの持ち主だったりするとアップチャージされます 特に男性美において「ふくらはぎ信仰」は100年以上の歴史があります パッドを入れて、盛ったりもしたそうです
彼らのユニフォームは、主人の所有物と合わせてコーディネートされました 例えば「馬車」です 馬車と同じ色合いや紋章を取り入れて制服がデザインされました また、彼らが実名で呼ばれることはなく、ジョンやチャールズなど、主人が勝手に決めた名前で呼ばれます これは女性メイドも同じですね
18世紀イタリア 召使いの花形【フットマン】の制服を紹介します 一見すると派手な貴族の服に見えますが違います 貴族に雇われた召使いの制服です 彼らの役目は「人間アクセサリー」 主人を惹き立てるための、お飾りでした 現代でいうならばブランド物のバックです The John Bright Collection所蔵
こちらは1860~70年 フランスの「クリノリン・ヴィジット」 ポンチョのような見た目のかわいい羽織りです 【半・分解展の型紙】は、3月13日(月)までの販売となります 100年以上前のマニアックな型紙に挑戦してみてください 購入はこちらから↓ d-d-pattern.myshopify.com
書籍化に向けて、撮影中です 本日の主役は、1860年ごろのクリノリンドレスです 当時「鬼滅の刃」が流行し、このような緑✕黒の柄が人気でした 😂
こちらは、1892年イギリスの「ヴィジット」という女性の羽織り物です 現在販売中の【半・分解展の型紙】のなかでもヴィジットは人気のアイテムです この美しくも不思議な造形を、ご自身の手でつくってみませんか? 3月13日(月)まで型紙販売中です HPはこちら↓ d-d-pattern.myshopify.com
さぁ、問題です この4つは、19世紀の女性ファッションに欠かせないものたちです 一体なんでしょうか? 名称や使い方など、考えてみてください ユニークなアイディアお待ちしております 4つ全問正解した人は、かな~りマニアックな人ですよ (答えは後ほどツリーにて)
19世紀、室内でくつろぐ際の羽織りとして「ドレッシング・ガウン」という衣服がありました そして、KIMONOをドレッシング・ガウンとして着用する日本かぶれな人たちも存在したのです 写真1枚目は、ロサンゼルスカウンティ美術館が所蔵するドレッシング・ガウンです
1880年につくられた不思議なKIMONO? 上流階級の室内着【ドレッシング・ガウン】を紹介します 皆さん、この140年前の洋服「着物」に見えますか? 私には、西洋人が試行錯誤しながらつくった着物風ガウンに見えます 当時、西洋ではジャポニズム人気が高まっていました この謎のガウンを探ります
ジャポニズに関して【KCI】の所蔵品は必見です 美しい衣服が、素晴らしい写真と共に丁寧に解説してあります KCIのHPはこちらです↓ kci.or.jp/featured/japon…
こちらはFIDM museum所蔵のティーガウンです 藤の蔓と花が刺繍されています ウエストは、ゆるやかにフィットしており、着心地は良かっただろうと想像できます それにしても素敵な色です
こちらはMet museumが所蔵するイギリス製ティーガウンです ユリの花が大きく刺繍された1着です 「日本の着物や18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズの影響を受けてつくらている」と説明されています この作例も裏に中綿が入っているようで、私が所有するティーガウンと同じ仕立てになっています
1880年イギリス お茶会に着るドレス【ティーガウン】を紹介します 上流婦人たちにとって、午後のティータイムは「リラックスとファッション」を最大限に愉しめる時間でした ウエストを締め付けずに、ゆったりと着用するティーガウン 前面に散りばめられた刺繍は、日本的な鶴とキキョウの花です
お待たせいたしました 【半・分解展の型紙】を販売いたします 3月13日(月)までの期間限定販売となります 100年、200年前の造形美を、ご自身の手でかたちにしてみませんか? 型紙を買って、縫製士さんに頼むのも良いでしょう こだわりの1着をおつくりください🔥 HP↓ d-d-pattern.myshopify.com
近々、ジャポニズムに関するTweetをいくつかする予定です 半・分解展から視るジャポニズムは、KIMONOを着た典型的なスタイルではありません 極東の文化に憧れた西洋人が、イメージのなかでツギハギしたような「奇妙な衣服」を紹介します 皆さんと情報交換できたら嬉しいです
実際に着られる人が現れちゃうのも、半・分解展の面白いところです やはり人間の身体が中に入ると迫力がちがいます 半・分解展は「ガラスのない美術館」です 見て、触れて、嗅いで、着て、ようやく知ることのできる「感動」がそこにはあります 私が人生を懸けて追い求めているものです
このアルスターがつくられたのは1880年代 寸法はバスト94cm、ウエスト52cmです 私はこの時代の婦人服を数多く研究・分解してきましたが、この子が断トツにクレイジーな造形を描いています さすがに「バスト-ウエスト=42cm」の数式は間違ってます 人間の数字じゃありません