ドレスの「胃袋」って知ってますか? 18世紀ロココ朝のドレスの胸当ては、取り外しができました その名も【ストマッカー】 名前の由来は、胃袋(ストマック)だそうです 華やかな装飾品なのに、なんかもっと適切な名称はなかったのかな?なんて思ってしまいます そんな胃袋を詳しく見てみましょう
【半・分解展の仕様書】を読んだことありますか? 衣服の「構造」を図解と共にまとめた仕様書を無料配布しています 私は内部構造を専門に研究しているので、少しでも構造に興味を持っていただけたらなと思っています PDFデータは5月31日までDLできるので、ご興味ある方は読んでみてください🙂
フランスから300年前のドレスが届きました 1720年につくられた【ローブ・ヴォラント】です 深紅のサテンシルクに、流れ落ちるヴァトープリーツが美しい1着です 10月18日からの半・分解展 東京で展示いたします 半・分解展で思う存分に、本物を味わってください 各年代のドレスを展示します
こちらはMet所蔵のサイクリングスカートとジャケットです 半・分解展の所蔵するサイクリングスカートと同じように、お尻の部分にプリーツが幾重にもたたまれています こんな格好で自転車に乗っていたなんて、想像するだけで格好良いですよね
サイクリングスカートは、如何に普通のスカートに見せれるか?が最大のキモでした 正直、構造的には「ズボン」なのですが、女性が股の割れたズボンを履くのはNGだったのです ヴィクトリア朝の貞操観念に沿うように、慎重にデザインされたのが伺えます ご覧の通り、普通のスカートに見えますよね
個人的に1番クレイジーだと思ったサイクリング スカートがこちら ズボンとスカートを合体させた設計になっています 産業の発展により、生地が大量生産でき、このような設計が可能になりました 19世紀末から、このように生地を贅沢に使う【1枚裁断】の技法が多くみられます(マジクレイジーです)
1895年の【サイクリング スカート】 当時の実物と、特許資料を見比べてみます 女性の社会進出が活性化した19世紀末 スポーツを楽しむ女性に向けて、様々なスカートが開発されました 脚を隠しつつ、いかに動けるようにできるか? こちらの特許は、お尻に大量のプリーツを設けて機動性を確保します
「ファン・リーベックの肖像画1775年」はロココ朝の男性ファッションの模範としてよく扱われます 大胆なまでに露出している黄金の服は【ベスト】です 現代でベストといえば「丈が短くて袖なし」ですが、本来は違います 「丈が長くて袖あり」が本当の姿です ベストは18世紀において最上級の服でした
現在、大倉集古館で開催中の【愛のヴィクトリアン・ジュエリー展】では、ヴィクトリア朝のジュエリーが100点以上も並びます 英国王室にまつわる貴重なジュエリーなども展示されており、目の保養にはピッタリの展示です 展示の詳細はこちらです↓ shukokan.org/exhibition/
これは「釦ブーツ」を着脱するための【釦フック】なのです 釦ブーツは、足の造形を美しく魅せるために、無数の小さい釦で固定します だって、釦の数が少ないと隙間があいて、歪んでしまいますからね その無数の釦を、楽に留めるために釦フックが必要だったのです
象牙のメモ帳があるということは、メモするための鉛筆が必要ですね ちゃんと鉛筆も付いています シャトレーヌはドレスに装着するので、ドレスを汚さないように収納式の鉛筆です なんか、似たようなものを小学生の時に持っていたような気がします...
私が所有するのは1880年ごろの「ソーイング・シャトレーヌ」です 文字通り、お裁縫セットが付いています さて、この3点それぞれ何だか分かりますか? 一番上の「ハサミ」はわかりますよね 「ハサミ入れ」の中にスッポリと収まります
シャトレーヌは、こんな風に腰からジャラジャラとぶら下げて装着されました 元々は、女主人やメイドが腰に鍵束をぶら下げていたそうです それに目を付けた上流階級が、真似してお洒落?な装飾品にしてしまいました シャトレーヌは持ち主によって、ぶら下がる道具が個性豊かに変化します
皆さんの「メモ帳」って紙ですか? それとも、スマホにメモしてます? 19世紀ヴィクトリア朝のメモ帳は【象牙】です 植民地のアフリカから採ってきた象牙を、薄くスライスしてメモ帳にしていました 上流階級が身に付けた装飾品【シャトレーヌ】には、そんなメモ帳が付いているんです
現在、1860年につくられた【クリノリン ドレス】の復元作業をしています 復元するには、まず壊します パーツごとに分解し、それぞれを修復してから最後に合体するのです 今回は、復元することで見えてくる「美しい内部構造」を紹介します 美しさの秘密は、見えざる内部の手仕事に隠されています
半・分解展のアトリエ【初めての服装史】 ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました 今回は、絵描きさん向け講座や、小中高生向けの講座など新たな挑戦をしました 私自身、学ぶことが多く、今後の表現に活かせる発見ばかりでした 次回10月は約2年ぶりとなる半・分解展です また会いましょう
2016年にアメリカのLACMA催された「Reigning Men」という展覧会は、紳士服の伝説的な展示でした ストリートビューで当時の展示風景が見れますので、私と一緒に少し覗いてみませんか? 半・分解展にも同様の衣裳が展示されていましたよね ストリートビューはこちら↓ google.com/maps/@34.06335…
【【【東京展の開催が決定しました】】】 2023年10月18日~31日まで、渋谷にて「半・分解展 東京」を開催します 半年先の予定ですが、ぜひ手帳にメモをお願いします また会場で私とお話ししましょう 18世紀、19世紀の仲間と待ってます HPはこちら sites.google.com/view/demi-deco…
当時「男性のパツパツズボン」は格好の風刺画のネタとなりました 1枚目は、ハンカチを落としたけどズボンがタイト過ぎて拾えない 2枚目は、理想のスタイルのためにパッドで身体をモリモリ(ふらはぎにも) このように、かなり行き過ぎた、攻めのズボンがパンタロンだったのです
19世紀初頭、男たちはパツパツのタイトフィットズボン【パンタロン】を履き始めます 古代ギリシャ彫刻のような、重厚な筋肉質のシルエットをお手本にしたのです とりわけ紳士服の【ふくらはぎ信仰】は16世紀から続く男性美の象徴でした
こちらは210年前の、西洋のズボンです この時代の【男性美】【男らしさ】【セックスアピール】を象徴する部位はどこだと思いますか? 割れた腹筋? 逆三角形の広背筋? いいえ、違います _人人人人人人人_ > ふくらはぎ <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
1890年 女性版「肋骨服」のお直しがやっと終わりました とても130年前の服には見えませんよね ゲームの悪役が着てそうなデザインです さて、4月16日に渋谷でおこなう【初めての服装史】 中高生の回が残り8席となっております 親子参加も出来ますので、お早めに! 詳細↓ sites.google.com/view/dd--ateli…
ちなみに「太ったお腹」は18世紀において、本当に貴族たちが求めていた美意識でした 写真1は1750年のベストです ご覧の通り、お腹が出ていますよね このシルエットがロココ朝の男性美だったのです ちなみに、ブルジョアを太っちょに描いた風刺画も、大量に存在します
海軍の為に開発された「ライフセーバーベスト」でした 英国の老舗テーラー【Gieves】が当時、大真面目につくったベストです 第一次世界大戦中の1915年につくられ、ちゃんと特許も取得しています 写真1枚目は空気を抜いた状態です The John Bright Collection所蔵 thejohnbrightcollection.co.uk/costume/life-s…
1915年イギリス 成金のための太っちょ補正器具【ブルジョア・ベスト】を紹介します 貴族文化は没落し、資本家が邁進した20世紀 力を付けたブルジョアが求めたのは、金持ちの象徴である「太ったお腹」でした 喰うよりも着ることで、手っ取り早く理想のお腹を手に入れたのです というのは嘘で実は、