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持ちかけられた陶器メーカは困った。
「いやウチ、ディナーセット作る会社なんだけど?」
だが、がいしについての話を聞くうちにやる気になった。
「営利ではなく、国家のために」
こうして共同開発が始まった。
ちなみにこの2社は、世界最大級高級陶磁器メーカ・ノリタケと重電メーカの東芝である。
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アメリカから持ち帰ってきた特別高圧用のがいしを基に解析し、形、釉薬の研究を行い、国産の高圧用がいしを完成させる。
だが売り込みには苦戦した。不良品率が高かったのだ。
職人の腕のみに頼っていては、安定した製品が作れない。
製法を見直し、品質の向上に努め、海外製がいしを追い抜いた。
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その後、日本ガイシとして分離独立し、がいしだけでなくエンジン用スパークプラグ等セラミック分野へ裾野を広げる。
現在では様々な特殊材料を扱う企業として、業界をリードする存在となっている。
熱い思いがなければ、新しい技術を手に入れることは出来ないのだ。
#にいがたさくらの小話 その394
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工事はトンネルを含む用水路の建設がポイントだった
清流・奥入瀬川から水を引くには高い技術力が必要
藩内には鉱山開発技術の流れをくむ土木工事集団『南部土方衆』がいた
普段は農民だが、隣の仙台藩などに集団出稼ぎを行って技術を蓄積してきた人々だ
彼らの技術力によって計画が具体化していく
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通水した用水路は稲生川と命名され、300haもの水田が生まれる
しかし、水田があるだけでは『街』にはならない
養蚕や馬鈴薯、味噌作り、地場産業の馬市や革細工など全国各地からありとあらゆる職人・商人を呼び寄せた
街には産業が必要だからだ
産業以外も街に必要な神社仏閣も遊郭も誘致した
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三本木原開発計画は途中で息子に引き継ぎ、水量アップのための二次計画が開始したところで明治を迎えた
明治時代になると、北海道開拓計画のプロトタイプとして注目され、その技術や考え方は北海道の都市計画にも影響を与えることとなる
その後二次計画は会社や国営事業を経て、昭和41年に完遂する
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現在の十和田市は郊外に広がる美しい田園風景、中心街は碁盤の目状の美しい街並み、そして現代アートの美術館がある青森県第4の街だ
幕末の開拓初期から美しいものを根付かせたからこそ、現代美術館が受け入れられたのだろう
#にいがたさくらの小話 その146改
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東北·北海道地方の方言で、丁寧に喋ろうとするとなぜか過去形になるというのがある
理由は諸説あるんだが、有力な説として、『敬語はそもそも相手との距離を保つもの、これらの地方では時間軸で適切な距離にするために過去形にする』ってのがあるらしい
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オノマトペ(擬音語、擬態語)は状態や気持ちを表すことが多い
医療で必要な語彙である気持ちや状態を表すものは、名詞と違って標準語への置き換えが難しい
例えば「胸がどやっとする」と言われて、「どやっとするとは標準語ではどういいますか?」と聞いても、患者は答えに窮するだけだろう
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震災前からこの問題は言われていたが、震災で表面化した
通常と異なり、現場に来ているのは全国各地からの医者
地元の方言は理解できても、東北方言はわからない
現場のニーズに即応するように2011年9月には試作1版、2011年11月には試作2版が完成
現場の声を反映しつつ2012年3月に完成版ができた
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方言は心の底から出てくる言葉だ
ぴったりハマる標準語訳がない場合も多く、単純に標準語に置き換えれば済むという話ではない
国語の研究でも人命救助に携わることはできるのだ
ちなみに『東北方言オノマトペ用例集』は以下からDL可能です
www2.ninjal.ac.jp/past-publicati…
#にいがたさくらの小話 その396
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彼の業績は、戦前日本では立身出世の人、戦後日本では日米友好の父として讃えられた
米国でも彼を讃える施設ができた程だが、近年は彼の業績を知る者も減っている
ちなみに真偽不明だがポテトヘッドは彼がモチーフらしい
彼は形を変えて現代でも愛されているのだろう
#にいがたさくらの小話 その398
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ネット広告とかで地政学って言葉がひとり歩きしているように感じる
地政学は、地理学と歴史学、政治·経済学を複合した学問なんだから、地理と歴史を一通りやらずに地政学やっても陰謀論以外身につきません
ドラクエで例えると、戦士武道家をやらずにバトルマスターになろうとするくらい横着な行為です
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