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元首相が選挙演説中に銃殺され、マスメディアがこぞって喪に服し、民主主義の危機を喧伝しながら、それが別段選挙結果に影響を与えたようにも思えず、ほとんどの国民は黙って棄権を選んだというのは、それ自体すごいことだな。
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かつてバルトやフーコーがたびたび日本に来て「現代思想」ブームを後押ししたひとつの理由は、仲良しのモーリス・パンゲが駒場で教えていたからだった。アルチュセールとも近しかった人(学生の頃、駒場東大前の駅で見かけた。退官前の最後の年)。そんな事態は、余程の偶然がない限り再来しまい。
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だが今般の円安のせいで、日本の大学の給料は私学でも、比較的低給で知られるフランスの大学より低賃金になった。レーヴィットのように今の日本に亡命してくる人も少なかろうし、「シーニュの帝国」流の神秘化のオーラもいまや昔。こうなると、日本で優れた外国人学者が教えるのはどんどん難しくなる。
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日本の旧国立大学にはラフカディオ・ハーンやケーベル先生の昔から御雇外国人の制度があり、90sまで残っていた。独立法人化後消滅。その結果、語学文学系に残る外国人教師は、日本人並(以下)の賃金・雇用条件に切り下げられた。長い「文明開化」の終わりで、それ自体はよしとしよう。
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かくして、文明開化の論理の終焉とともに、我らが極東の島国の大学は、もはや御雇い外国人さえ雇えない後進国への「逆コース」をひた走るのであった。ーこれ何の弁証法?
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王様は裸だ、という言葉が暴露として機能するには、少なくとも、裸で人前に出歩いてはいけないという了解が成立していなければならないが、いまや裸だと言われた王様を、みんなして、いや裸だけど何か?と開き直って擁護する。
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文学部で仕事するまで知らなかったが、実際、文学部はたくさんの小さな研究室=専門分野の寄合世帯で、哲・史・文・行動科学系の間にまず交流はない(誰も人文諸学一般のことは考えていない)。しかも(なんとなく異種だと思っていた)行動科学系でも、社会学と社会心理学では全く傾向が違うのだった。 twitter.com/yoh_heidegger/…
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論文を何語で書くべきか、とかいう話を真剣に研究者がしているのをみると、いつも少し鼻白む。英語で書くとオーディエンスが飛躍的に増えるというのも多分に幻想で、論文って基本的に専門的になればなるほど、大体世界中で20人くらいの人しか読んでわからないものだと蓮實重彦先生も言っておられた。
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兎も角、日本の研究者が、というより日本語の話者が、日本の資本主義同様、日本語という最大最強の非関税障壁に守られているのは確かで、グローバル資本主義は必ずこの非関税障壁をぶち壊しにくるし、現に来ている。アメリカ人みたいに英会話ができるようになりましょう、みたいなのはその尖兵だろう。
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中年疲れ易く学なり難し
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哲学者ってなんであんなにエラそうなんだろうなと思うことがあるが、文学部というところでわかったのは、哲・史・文という伝統的な言い方は、単なる順番ではなくて元々、序列なのだなということだった。蓮實重彦風にいうと、哲学者はエラそうなのではなくて、エライのだ。
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チャールズは76才で王位に就くのか。ご苦労なことである。日本でも今の天皇が即位する前、学習院大学院の同窓会か何かで、みなが退職後の希望について話すのに、「私はこれからです」と言ったという話を聞いたときには、天皇制反対論者の私も、さすがに少しかわいそうだと思った。
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73才だった。
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円安で、教科書に使うフランス語テクストが大幅に価格上昇し、学生に買わせられないような値段になっている。感覚として、プラザ合意以前に逆戻りした感じ。この案配で円安が続くと、外国文化研究も随分様変わりせざるだろう。本を買うのにも、外国と行き来するにも、一苦労だ。
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大体万策尽きると「兵隊」の根性のせいにするのが、われらが大日本国の伝統である。この「労働者のスキル」って、ほとんど、もっとよく働け、程度の意味だろう。何が経済学者だか。 twitter.com/NTR66802653/st…
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ちょっと真面目に言うと、文系の学者がブルジョワでなくても務まるようになったのは、70s以降のことなんじゃないかと思う。自分自身も含め、資本も文化資本もさしてないのに、学者になれるようになった。ある意味、幸福な時代。今はまた、旧体制に復しつつある気もする。
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西日本の人間は概して東北を知らない。多分、心理的には北海道より遠い。しかし、東京-仙台は東京-名古屋とかわらず、東京-盛岡は東京-大阪都大してかわらないと知ると、なんかこう、地図が歪む感じがする。関東の人にとって一番遠いのは、山陰か奥丹後あたりだろうな。
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国民文庫版『資本論』訳者の岡崎次郎、岩波文庫訳もほとんど一人でやりながら、名義は師匠・向坂逸郎に奪われ(アカハラ、パワハラの類)、恨み骨髄で晩年奥さんと失踪したのは知っていたが、『資本論』訳で滅茶苦茶儲かったので、「失踪」中、移動は全部タクシーだったという驚愕すべき話を聞く。
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フランス語、読める人はまだいるのだが、どんどん文学、哲学中心になっていて、歴史学含め、社会科学系はもうほとんど絶滅危惧種だろう。デュルケムとかモースとか、フランス語で読める社会学者が今どれほどいるのか。
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少なくとも人文系で、英語で読んで英語で書けばよろしいみたいなこと言うのは、ただでさえか「恵まれた」条件を享受している、(人種・ジェンダーを問わず)「ヤンキー」どもに、もっと楽させることにしかならない。そんなことは、北米大陸の陸の孤島でやっておけばよろしい。
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大学まで行った人間には日本語と英語以外にもう一つくらい言語を身につけておけ、というのは、中長期的に見て「国益」に適っているはずだけどな。日本語と英語だけで済む世界に住んでいる植民地エリートの言うことだけ聞いていたって、その世界がいつまでもつかは分からない。保険みたいなものである。
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昔、酒場で遭遇した西部邁が「同性愛者が隣に引っ越してきたら俺は引っ越す」と言った端からプラトンを云々するので、カチンときて、「プラトンも同性愛者ですけどね」と半畳入れて席を立たせたことがあった。褒められたもんじゃないが「俺は引っ越す」というのは、西部さんなりの慎みでもあったな。
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女性の哲学者が普通にいるフランスでも、女性の哲学者は美学・道徳哲学・政治哲学・フェミニズムに集中していて、認識論・科学哲学・形而上学となると、がくんと数が減る。逆に、圧倒的に女性が多いのが文学と精神分析。あれはどういうことなのかね。 twitter.com/gubibibi/statu…
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フランスの大学教員養成校ENSは、年300人程度しか入学できない狭き門だが、学費がないどころか、在学中4年間は給料が支払われる。その代わり、卒業後6年以上公職に就く義務がある。できる学生にカネ出して国家に奉仕させるので、学生に借金を負わせて労働を強いる今時の日本よりよほど合理的だ。
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かっこよかった。長塚京三がソルボンヌで論文書いてたのは知らなかった。モリエール、ル・サージュ、ボーマルシェなんて、古典喜劇の王道だ。でも言われてみれば、留学中にフランスで役者やったりした人、ポスト68年世代の仏文学者にはちらほらいると思う。
koken-publication.com/archives/1883 @koken_Editより