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少なくとも人文系で、英語で読んで英語で書けばよろしいみたいなこと言うのは、ただでさえか「恵まれた」条件を享受している、(人種・ジェンダーを問わず)「ヤンキー」どもに、もっと楽させることにしかならない。そんなことは、北米大陸の陸の孤島でやっておけばよろしい。
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フランス語、読める人はまだいるのだが、どんどん文学、哲学中心になっていて、歴史学含め、社会科学系はもうほとんど絶滅危惧種だろう。デュルケムとかモースとか、フランス語で読める社会学者が今どれほどいるのか。
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国民文庫版『資本論』訳者の岡崎次郎、岩波文庫訳もほとんど一人でやりながら、名義は師匠・向坂逸郎に奪われ(アカハラ、パワハラの類)、恨み骨髄で晩年奥さんと失踪したのは知っていたが、『資本論』訳で滅茶苦茶儲かったので、「失踪」中、移動は全部タクシーだったという驚愕すべき話を聞く。
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西日本の人間は概して東北を知らない。多分、心理的には北海道より遠い。しかし、東京-仙台は東京-名古屋とかわらず、東京-盛岡は東京-大阪都大してかわらないと知ると、なんかこう、地図が歪む感じがする。関東の人にとって一番遠いのは、山陰か奥丹後あたりだろうな。
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ちょっと真面目に言うと、文系の学者がブルジョワでなくても務まるようになったのは、70s以降のことなんじゃないかと思う。自分自身も含め、資本も文化資本もさしてないのに、学者になれるようになった。ある意味、幸福な時代。今はまた、旧体制に復しつつある気もする。
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大体万策尽きると「兵隊」の根性のせいにするのが、われらが大日本国の伝統である。この「労働者のスキル」って、ほとんど、もっとよく働け、程度の意味だろう。何が経済学者だか。 twitter.com/NTR66802653/st…
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円安で、教科書に使うフランス語テクストが大幅に価格上昇し、学生に買わせられないような値段になっている。感覚として、プラザ合意以前に逆戻りした感じ。この案配で円安が続くと、外国文化研究も随分様変わりせざるだろう。本を買うのにも、外国と行き来するにも、一苦労だ。
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73才だった。
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チャールズは76才で王位に就くのか。ご苦労なことである。日本でも今の天皇が即位する前、学習院大学院の同窓会か何かで、みなが退職後の希望について話すのに、「私はこれからです」と言ったという話を聞いたときには、天皇制反対論者の私も、さすがに少しかわいそうだと思った。
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哲学者ってなんであんなにエラそうなんだろうなと思うことがあるが、文学部というところでわかったのは、哲・史・文という伝統的な言い方は、単なる順番ではなくて元々、序列なのだなということだった。蓮實重彦風にいうと、哲学者はエラそうなのではなくて、エライのだ。
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中年疲れ易く学なり難し
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兎も角、日本の研究者が、というより日本語の話者が、日本の資本主義同様、日本語という最大最強の非関税障壁に守られているのは確かで、グローバル資本主義は必ずこの非関税障壁をぶち壊しにくるし、現に来ている。アメリカ人みたいに英会話ができるようになりましょう、みたいなのはその尖兵だろう。
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論文を何語で書くべきか、とかいう話を真剣に研究者がしているのをみると、いつも少し鼻白む。英語で書くとオーディエンスが飛躍的に増えるというのも多分に幻想で、論文って基本的に専門的になればなるほど、大体世界中で20人くらいの人しか読んでわからないものだと蓮實重彦先生も言っておられた。
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文学部で仕事するまで知らなかったが、実際、文学部はたくさんの小さな研究室=専門分野の寄合世帯で、哲・史・文・行動科学系の間にまず交流はない(誰も人文諸学一般のことは考えていない)。しかも(なんとなく異種だと思っていた)行動科学系でも、社会学と社会心理学では全く傾向が違うのだった。 twitter.com/yoh_heidegger/…
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王様は裸だ、という言葉が暴露として機能するには、少なくとも、裸で人前に出歩いてはいけないという了解が成立していなければならないが、いまや裸だと言われた王様を、みんなして、いや裸だけど何か?と開き直って擁護する。
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かくして、文明開化の論理の終焉とともに、我らが極東の島国の大学は、もはや御雇い外国人さえ雇えない後進国への「逆コース」をひた走るのであった。ーこれ何の弁証法?
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かつてバルトやフーコーがたびたび日本に来て「現代思想」ブームを後押ししたひとつの理由は、仲良しのモーリス・パンゲが駒場で教えていたからだった。アルチュセールとも近しかった人(学生の頃、駒場東大前の駅で見かけた。退官前の最後の年)。そんな事態は、余程の偶然がない限り再来しまい。
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日本の旧国立大学にはラフカディオ・ハーンやケーベル先生の昔から御雇外国人の制度があり、90sまで残っていた。独立法人化後消滅。その結果、語学文学系に残る外国人教師は、日本人並(以下)の賃金・雇用条件に切り下げられた。長い「文明開化」の終わりで、それ自体はよしとしよう。
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だが今般の円安のせいで、日本の大学の給料は私学でも、比較的低給で知られるフランスの大学より低賃金になった。レーヴィットのように今の日本に亡命してくる人も少なかろうし、「シーニュの帝国」流の神秘化のオーラもいまや昔。こうなると、日本で優れた外国人学者が教えるのはどんどん難しくなる。
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元首相が選挙演説中に銃殺され、マスメディアがこぞって喪に服し、民主主義の危機を喧伝しながら、それが別段選挙結果に影響を与えたようにも思えず、ほとんどの国民は黙って棄権を選んだというのは、それ自体すごいことだな。
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『政治少年死す』(山口音矢)に始まり、『河馬に噛まれる』(連合赤軍)を経て『宙返り』(オウム)まで、大江健三郎はWWII後日本のテロリストたちの魂を鎮めるように小説を書いてきた。とても私的な動機に突き動かされていたらしい今度の犯人に、同じことができる作家がいるだろうか。
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集団安保法制の頃から、権力行使が超法規的になり、個人に具現化され、対する批判が政治家個人に集中していく一方で、政治的・法的手段による責任追求ができないなら、普通はテロかクーデタが起こるはずだと思っていた。今回のテロの動機は不明だが、日本でも物理法則は実現するんだなと感じる。
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これでテロリズムに抗して民主主義を守れとか、みんながこぞって言い、それによってますます民主主義もへったくれもあったもんじゃなくなるんだろうなあ。
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外国語のテクストの訳読が早晩技術的に乗り越えられてしまうトレーニングとばかり思えないのは、訳読の主眼が外国語を日本語に移すことにではなく、言葉の次元でどんなふうに思考が組み立てられているかを検証し、それによって日本語自体の拘束を反省する契機になるからだと思う。
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たぶん、もう日本で全く新たに仏和辞典が編纂されることはない。第二外国語教育縮小の結果、辞書の需要が減って採算が取れない。じきに、ちょっと高等な調べ物をするには、仏仏か仏英の辞典を引かなくてはいけない日が来るかもしれない。現に、中等以上のフランス語教本の類はすでにほとんど絶版。 twitter.com/isnki/status/1…