民主党(野田政権)で組織された国家戦略フロンティア・平和のフロンティア部会報告書(2012.7)は「集団的自衛権の行使を含めた国際的な安全保障協力手段の拡充を実現すべき」と記載している。民主党も政権を担当していた当時の報告書を読み直すべきだと思う。
現代の日本に求められるのはリアリストとリベラル国際主義の路線競争であって、55年体制下のオールドレフトのゾンビ的復活ではない。はっきり言って国会周辺にいるのは昭和時代のウオーキングデッドだ。
トランプ政権のアジア政策については振れ幅を想定する必要がある。ホワイトハウス・国防省・国務省の間でどのように振れるか、こんな座標軸で考えてみてはどうか、ととりあえず思っている。自信ないけど。。
共同通信配信記事ですが、昨夕時点のコメントを出しました。
トランプ・金正恩は通訳を交えて1対1で冒頭の会談を始めるという観測。アジアの安全保障の重大な交渉で、個人的な手打ちをしようというのか。「彼は非核化すると言った。それを信じる」→その後「裏切った、交渉は終わりだ」という解釈をひとりで握ることになる。 twitter.com/joshrogin/stat…
「米朝の非核化の定義の差はほとんど埋まっておらず、北朝鮮が核兵器を廃棄する確実なコミットメントの合意を得られていない」から今日も米朝の事務当局が引き続き協議しているとか報道されている。>あれまだそんな段階なの。。( ゚Д゚)!? reuters.com/article/us-nor…
(今のところの予想1)北朝鮮は①「完全な非核化」を宣言、②ICBM廃棄とその他のミサイル開発と実験の停止、③現存する核兵器の解体とPu/HEUを申告後段階廃棄を約束するが手続きは後回し、④検証措置についての作業部会立ち上げ、⑤板門店宣言確認 > incomplete, non-verified, reversibleな非核化。
(今のところの予想2)米国は①核・通常戦力での北朝鮮への攻撃意図を否定、②米韓演習の規模縮小と在韓米軍の段階的削減、③米朝国交正常化に向けた交渉と大使館設置、④終戦宣言と平和協定に向けた米朝韓(中)の作業部会の設置、⑤非核化プロセスに向けた支援、⑥①~⑤が満たされた場合の制裁緩和
(今のところの予想3)「すごい合意ができた。彼はグレートだ。友情をはぐくんだ。過去のどの政権もなしえなかった。非核化する。具体的なことはこれから交渉する。これはプロセスだ。それを開始したんだ。今度はワシントンに来てほしい。私も平壌に行く。」
あれほど強調していたCVIDが入らず、非核化の工程表も安全の保証の具体的措置もない。曖昧な非核化と曖昧な安全の保証にコミットしただけで何ら新味がない。何回も米朝が実務協議をしたり、昨日ポンペオ国務長官が非核化の専門的知見を強調していたのはなんだったのか。何か付帯文章があるのだろうか。
トランプ大統領は記者会見で米韓合同演習の中止に言及。そもそも演習もグアムから爆撃機を飛ばすのもコストが高く、挑発的だからという。同盟国の韓国のみならずマティス国防長官との調整はあったのだろうか。規模縮小や内容の変更ではなく唐突に中止で、全体の合意でここだけ具体的なのも不可思議だ。
これで中国とロシアが従来から主張していた「二重凍結」(北朝鮮の核・ミサイル実験と米韓演習の同時凍結)が実現してしまった。
思うに各新聞社は朝5時から8時くらいの出勤前の時間帯にKIOSKやコンビニで新聞を買いたくなるような当日の特集・解説記事の宣伝をもっとTwitterですべきなのでは。今や新聞買う動機となるのはネットで無料で読めない記者が時間かけて書く特集・解説記事なのに、埋もれちゃってもったいない。
スービック港にある韓進重工業のフィリピン造船所が破綻。この造船所再建を中国企業2社が虎視眈々と狙っている。スービック港造船所・LNG輸入基地・クラーク連結鉄道を中国に持ってかれたら、米比同盟は形骸化も甚だしくなる。日米は連携してでも早急にビッドに入るべきだ。 nikkei.com/article/DGXMZO…
米朝首脳会談の決裂で注目したのは、①北朝鮮が制裁の全面解除という無理筋な要求にこだわったこと、②トランプ大統領が寧辺以外の核施設の廃棄も重視し、安易な合意は同盟国の信頼を損ねる、と判断したことだ。②は意外な朗報だが、①は北朝鮮の対米認識の誤算と交渉戦術の劣化が伺え懸念している。
米朝が段階的非核化の原則で合意し、北朝鮮が寧辺の核施設の廃棄と検証措置を受け入れ、米国が南北経済交流(開城工業団地と金剛山観光の再開)を制裁の例外とすれば米朝合意は可能だったように思う。しかし寧辺以外のHEU施設廃棄と制裁の全面解除はおよそ取引不可能だったというのが実態ではないか。
昨晩の日テレ深層ニュースで話した内容:抑止力には主として懲罰的抑止と拒否的抑止があり、日本の敵基地攻撃能力は持ったとしても日米同盟の中でしか懲罰的抑止になりえず、一定の損害限定が唯一追求しうるオプションだがそれもIAMDの中でしか拒否的抑止は達成できない。政府・自民党も整理すべきだ。
「敵基地攻撃能力」という矮小化された概念のみを論じることはもう止めてはどうか。議論すべきは日本が持つべき「統合的な攻撃(防衛)能力」のあり方であって、その対象は敵基地に限られない。例えば対中戦略で議論されるべきスタンド・オフ攻撃能力の拡充と北朝鮮への攻撃能力をどう資源配分するか。
敵基地攻撃という旧概念の使用を、メディア各位はもう止めるべきだ。中国の軍事力、北朝鮮の核・ミサイル能力の動向に対し、日本が抑止/拒否力・事態対処能力・エスカレーション管理能力をどう構築すべきかが焦点で、それなくして敵基地攻撃を踏み絵のように問う議論は安全保障論の劣化である。
米国のアフガニスタン撤退、豪原潜配備支援、米英豪安保協力「AUKUS」は、全て戦略的に優れた決定だが、なぜ「どう進めるか」という手続きに失態が続くのか。米政権がアダプティブな戦略に高揚して、伝統的手続きを軽視する傾向があるとすれば、米インド太平洋シフトも注意深い歓迎という姿勢が重要。
トップの鶴の一声、時間・準備不足、責任が不明確、部門間の対立、納得度が低い、片手間の実行、情熱・本気度の不足、これらは清水勝彦『戦略と実行』に記述された戦略実行失敗の構造的問題。戦略と実行のギャップが大きい企業は失敗する。少しだけ米バイデン政権をこの目線で見るようになっている。
1. NFUは敵対国に通常戦力のみで現状変更の既成事実化が達成しうる、という見込みを強めてしまう。特に中国の能力が米国の戦力投射のコストを大幅に高めている状況において、非核の戦略攻撃に対する米核攻撃の可能性を排除しない、という宣言政策はむしろ重要性を増している。 jp.reuters.com/article/idJP20…
@show_murano 核兵器が侵攻を抑止しなかったのではなく、ロシアはウクライナ侵攻によって核エスカレーションが起きない、という想定に基づいていたことになり、むしろ核態勢のギャップ(ロシアのエスカレーション抑止に相当する態勢が不備)をつかれたということですね。
@show_murano @tnak0214 核抑止は使い手を選ぶということですね。最初から「ウクライナで核戦争が起こることを誰も望んでいない」「米露が互いに発砲し始めたら、世界大戦になる」(バイデン)のは事実だとしても(だからこそ)、米介入と核エスカレーションの可能性を最初から遮断するのは戦略コミュニケーションエラーです。
ここ数日間、千々和さんの論考を読みたいと思っていたところ、核心的な論点を踏まえて掲載。紛争の根本解決か妥協的和平が成立するかは、戦争終結を主導する側の「将来の危険」と「現在の犠牲」 の天秤だという視点を論じている。toyokeizai.net/articles/-/535… #東洋経済オンライン @Toyokeizaiより