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第四段階 抑鬱 トランプが大統領じゃもうだめだ! (トランプが大統領になるアメリカ、その4)
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第五段階 受容 トランプが大統領になったんだ・・・ (トランプが大統領になるアメリカ、その5)
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トランプ候補大統領選挙当選から一日余り、まだヘコんでいます。選挙予測がまるで外れたショックもありますが、それ以上にマイノリティが人口の37%に及ぶアメリカで、マイノリティへの差別的言辞を口にする指導者が生まれたショックが大きい。これからどうなるのかという不安です。
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トランプ氏の暴言は選挙目当だ、大統領になれば変わるという言葉を聞きます。ただ、そんな暴言を口にする候補が選挙で当選するのがそもそも異常事態。トランプ氏には政策顧問も少ないので、大統領になった後の政策を見極める手がかりも乏しい。レーガンのように役割を委任するかどうかもわかりません。
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トランプ氏が同盟見直しを訴え、経費を日本が負担しなければ米軍撤退も辞さないと発言したためか、沖縄米軍基地撤退の機会として評価する声もあるようです。しかしトランプ外交顧問グレイの政策構想では、同盟を維持し中国に対してオバマ政権以上に強硬姿勢をとりつつ日本の負担は増やす方向です。
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トランプ氏の外交顧問アレクサンダー・グレイとピーター・ナヴァロの文章は以下をご覧ください。駐留経費の大幅な増加を求めつつ日本や韓国との(さらにヨーロッパ諸国との)同盟を堅持するという内容です。foreignpolicy.com/2016/11/07/don…
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スコセッシ監督の最新作「沈黙ーサイレンス-」を観ました。スコセッシが撮りたくて撮った映画。最初から最後まで、画面も音も、みんな監督の頭の中に入っている。この仕上がり、「エイジ・オブ・イノセンス」以来のものです。
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スコセッシの「沈黙」では日本と日本人が徹底して他者として突き放されているので、そこが篠田正浩版と違う。遠藤周作には、信仰を持つことで「日本」から離れた、自分が日本に生まれながら外国人であるかのような感覚がありました。日本人を突き放した視点はこの映画も原作も共有しています。
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メリル・ストリープはどんなに酷い役が来ても、それを跳ね返すように演技をつくり、それによって今一つの映画を見応えのある作品に変えてきました。そこを突っ込んで、メリル・ストリープはいつもミスキャストだと喝破したのがポーリン・ケイル。ですが、今回のゴールデン・グローブ受賞演説は名作。
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ストリープが受賞スピーチで言及しているのは、身体に障害を持つジャーナリストのことをドナルド・トランプが真似した、というよりも嘲った瞬間です。そんなことをする人が世界最大の軍事力と経済力を持つ国家の指導者となった悲しみを、メリル・ストリープは伝えました。演技ではない、心の声でした。
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トランプ大統領就任から一週間あまり、選挙のさなかに訴え、私を含む数多くの人が恐れていたことを実施に移しているだけですが、それでも毎回ショックを受けます。ひどい。
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トランプ本人がツィートに使う言葉、そしてトランプを退けるときに使われる言葉はいかにも醜く、それがショックを拡大します。そのような言葉を私は使いたくありませんし、考えるのもイヤですが、罵倒の応酬が政治の議論を覆いつくしたとき、誤った選択をどう表現すればよいのか悩みます。
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北朝鮮への抑止力は十分に存在しますが、抑止力によって核実験やミサイル実験を抑えることは難しい。圧力を加えたら相手が妥協するというのは希望的観測です。だから抑止を前提としながら外交交渉の機会を探るほかはない。さらに先制攻撃の合理性を過信してはいけない。状況に流されてはいけません。
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パキスタンはもちろんのこと、インドも全面戦争に訴えるリスクはきわめて高い。インド空軍機を二機も撃墜したというパキスタン側の発表が事実かどうかもまだわかりません。ただ、それが事実であるとすれば、軍事的には優位に立つインドがパキスタンに反撃する公算は高い。選挙前だからなおさらです。
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え・・・すばらしい方でした。情報が入り乱れ、多数が頼る情報に誰もが流されるときにあっても、現場で何が起こっているのかを見極めることを怠らない。言葉に気を配り、大切なことだけを選んで口にされました。ご冥福をお祈りいたします。 twitter.com/asahicom/statu…
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菅総理は「原爆」と「広島」を言い間違えただけでなく、「我が国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、核兵器のない世界の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要」という、本来なら中心となるはずのメッセージをスピーチから省いてしまいました。
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同意します。いったん決めた総裁選を先送りし、政策審議ではなく解散のために臨時国会を開き、すぐ解散して総選挙、議席を減らしても選挙で既成事実を作って留任する。このような有権者を外に置いた、菅氏ひとりの権力だけのための権力闘争を受け入れることはできません。 twitter.com/TanakaDiplomat…
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菅総理の失政が続きました。COVID-19に感染しながら入院できず、自宅療養を強いられる多くの方が生まれた。アフガニスタンに送った自衛隊機は待避できない人々を残して撤収しました。記者会見では回答をはぐらかし、政敵を脅し、国会審議を避け続ける。国民に責任を負った指導者の行動ではありません。
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解散できる状況ではないと菅総理。総裁選先送り、9月に衆院解散と総選挙という毎日新聞のスクープは菅氏本人によって覆されました。毎日新聞の誤報だったという可能性もありますが、むしろ総理とその周辺が混乱していると見るべきでしょう。リーダー不在の日本政治の光景。
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中根千枝さん死去 94歳 社会人類学者「タテ社会の人間関係」 | 毎日新聞 mainichi.jp/articles/20211…
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ロシアのウクライナ侵略を経済制裁やウクライナへの兵器供与だけで阻止することは難しい。欧米諸国は対中抑止のためにも次第に対ロ戦争に追い込まれてゆくだろう。ロシアには勝ち目がない。プーチン政権は崩壊する。終幕までに数多くの兵士とさらに多くの国民が死ぬ。愚かで残酷で、意味のない戦争だ。
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ロシアのウクライナ介入はナチスドイツのポーランド侵攻と対比すべき武力による現状変更であり、認めてはならない行動です。認めないというのはただ世界各国が結束して非難するというだけでなく、行動を変えさせなければならない。ところがロシアは、経済制裁も武器供与も織り込んで電撃戦に走った。
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電撃戦を予定に組み込んだ瀬戸際政策を取る相手に対しては、戦争以外には実効的な選択肢がない。紛争拡大を阻止するために軍事介入が必要になるからです。欧米諸国が対ロ戦争に追い込まれてゆくのはそれが理由です。その選択は、間違ってはいない。でも多くの人命が奪われます。無念です。
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まだわからないことは多い。ドンバス地域の「人民共和国」承認と軍事支援にとどめる可能性も残るけれど、基本はドニエプル川東岸一帯の制圧まで進むでしょうし、キエフとオデッサも押さえたならウクライナ全土の統合まで一歩。ただ、支配される住民に対して正統性のない権力なので脆弱な政府でしょう。