藤原帰一(@kiichifujiwara)さんの人気ツイート(新しい順)

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ツイッターを追いかけていると気が滅入ります。根拠の乏しい言葉を信じこむ人がいかに多いことか。「本当のこと」を知るためには地道な作業が必要ですが、その作業を飛び越えて安易な言葉に飛びついてしまう。学者にとっては悪夢です。生涯ウソを退けて生きた高峰秀子の言葉をいま噛みしめています。 twitter.com/HidekoTakamine…
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中山俊宏先生の訃報に言葉を失います。アメリカ社会、特に中西部アメリカを踏まえた分析が素晴らしく、学んでまいりました。日曜討論でご一緒したのが最後になってしまいました。お悔やみ申し上げます→ 国際政治学者で慶大教授の中山俊宏さん死去 55歳:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASQ59… #
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国際政治について書くときは、分析ではなく、何をなすべきか、特に日本政府への提言を求められます。これまでにも状況のなかで可能な選択肢を書いてきましたが、どれほど選択が限られているかを知るためには状況を知る必要がある。突き放して言えば、プーチン政権が崩壊するまで戦争が続くと考えます。
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数々の戦争のなかでウクライナ侵略だけを取り出すことは不当でしょう。ですが、ほかにもあるからという理由によって目を背けることはありえない。ウクライナが侵略に対して武力で対抗し、それを国際的に支援することは必要です。だが、プーチン政権が侵略を断念する展望は見えません。
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なぜウクライナの人のことばかりを語るのか、ほかの戦争の犠牲者はどうなるのかという批判はあります。実際、この半世紀に起こった戦争で死者数が最も多いルワンダ内戦・コンゴ戦争では少ない推定でも四百万人の生命が奪われましたが、国際的な関心が高かったとはいえません。
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間違ってもウクライナ侵略だけが侵略ではない。アフガニスタン、イラク、リビア、そしてシリアへの軍事介入は、既得権擁護も併せ持ちながら自由と民主主義のために必要だとして正当化されました。特にイラク戦争は、アナン国連事務総長が言ったように、侵略戦争と呼ぶほかのない不当な暴力行使でした。
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ロシア政府による短期間の戦闘による勝利を期待した武力行使は、個別自衛権の発動として正当化する余地のない武力による現状変更であり、侵略です。さらに、非戦闘員への大規模な殺戮、文民施設の破壊、さらに戦時性暴力は、ジュネーブ四条約を始めとした国際人道法に違反しています。
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朝日新聞のインタビュー記事です。なお、2022年3月末日をもちまして東京大学を定年退職いたしましたので、ご報告いたします。今後も映画の合間に国際政治の勉強を続けます。最終講義「答えはない」 それでも連帯は存在する 藤原帰一さん:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASQ41… #ウクライナ情勢
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3月27日放送のNHK日曜討論、音声を文章に起こしてくださったものです。よい議論になりました。 twitter.com/nhk_touron/sta…
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12)平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会。日本国憲法の前文ですね。これは幻想だ、力の支配が現実だと考えることはたやすいでしょう。しかし、力の支配は、それ自体が現実の誇張に過ぎないことをプーチンの戦争が示しています。(連続ツイート了)
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11)これまでの世界戦争の終結は国際秩序を再編成する機会でもありました。戦争が終わってやっと国際秩序を構築した。逆にいえば世界戦争なしには変わらなかったわけです。この過去の国際政治の教訓は無残ですが、制度構築を準備しないリスクは極めて大きい。新たな戦争の機会をつくるからです。
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10)政権が崩壊するまでプーチンは戦争を続けるでしょう。国外ばかりでなく国内でも暴力が解放される。だが、プーチン政権とロシア国民は同じものではない。ロシア国民が受け入れることのできる戦後秩序を準備しなければ、この戦争を終結させても新たな戦争の始まりにしかなりません。
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8)停戦の呼びかけが、戦争でさらに殺されるよりは停戦を受け入れろというようなゼレンスキー政権の実質的降伏を意味する内容であれば、正義がないばかりでなく、実効性もない。停戦合意を支える安全の保証がないからです。しかもウクライナ側は、いま戦争で優位にあります。
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4)これからは即時停戦・ロシア軍撤兵と戦争のエスカレーションの回避を同時に達成しなければならないのですが、それが極度に難しい。プーチン政権が自壊に向かっていると書いたのは希望の表明ではなく、状況分析です。政権が崩壊するまで、停戦交渉と大量殺戮が続くという残酷なシナリオです。
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1)昨年12月は、数あるシナリオのなかで、ロシア軍がウクライナ東部の自称人民共和国地域に進軍する可能性が高いと考えていました。全面攻撃に訴えた場合は緒戦に勝つことが難しく、侵略によって進駐した地域における住民の結束を高め、ただでさえ難しい占領支配をまったく不可能にするからです。
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日本が独自に核開発すれば、アメリカの核に頼っていることが日米関係の基礎にありますから、アメリカと緊張を招くうえに、日本が核武装する前に攻撃すべきだというインセンティブを与えてしまう。核への依存と核廃絶の願いに引き裂かれてきた現状が核共有や独自の核開発で改善されることはありません。
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核兵器と国際政治について、驚くべき発言が繰り返されています。もとよりアメリカの核抑止力に頼ってきた日本が核の共有によって新たにどのような選択をするのか、意味がわかりません。原潜ではなく、核ミサイルを地上配備する意味でしたが、容易に索敵されるので安全を弱めます。
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リアリズムを過信せず、リベラリズムも過信せず、不必要な戦争は避けることができるという確信を持って外交の役割に注目しなければならないと授業で申し上げてきました。プーチン政権を相手に外交によって撤兵を実現する余地は少ない。それでも戦争を過信せず、即時停戦を実現しなければなりません。
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ウクライナ侵略は、核抑止の安定どころか抑止の失敗という私たちが恐れてきた危険と結びついています。日本でも核兵器について希望的観測に基づいた議論が見られます。The Age of Hiroshima の日本語版が3月19日に発売されますので、核兵器のことは知っているとお思いにならず、ぜひご覧ください。
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戦争は起こってはならないし、軍事力以外の手段で回避できない国際紛争は稀です。しかし稀ではあっても、戦争を過信する政治権力者は存在する。外交もルールも人命も度外視する権力者が侵略をはじめれば、戦うほかはありません。戦えば、戦火を広げる危険がある。プーチンの開いたパンドラの箱です。
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SWIFT決済停止もドイツの武器供与も、電撃戦によってウクライナが制圧されたら手遅れだったのに、三晩キーウ(キエフ)が抵抗し持ちこたえたので、有効な選択になった。戦争拡大を許さずにプーチン政権の侵略を排除する可能性が僅かとはいえ生まれた。キーウはいま四晩目。夜明けまで、あと七時間。
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まだわからないことは多い。ドンバス地域の「人民共和国」承認と軍事支援にとどめる可能性も残るけれど、基本はドニエプル川東岸一帯の制圧まで進むでしょうし、キエフとオデッサも押さえたならウクライナ全土の統合まで一歩。ただ、支配される住民に対して正統性のない権力なので脆弱な政府でしょう。
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電撃戦を予定に組み込んだ瀬戸際政策を取る相手に対しては、戦争以外には実効的な選択肢がない。紛争拡大を阻止するために軍事介入が必要になるからです。欧米諸国が対ロ戦争に追い込まれてゆくのはそれが理由です。その選択は、間違ってはいない。でも多くの人命が奪われます。無念です。
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ロシアのウクライナ介入はナチスドイツのポーランド侵攻と対比すべき武力による現状変更であり、認めてはならない行動です。認めないというのはただ世界各国が結束して非難するというだけでなく、行動を変えさせなければならない。ところがロシアは、経済制裁も武器供与も織り込んで電撃戦に走った。
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ロシアのウクライナ侵略を経済制裁やウクライナへの兵器供与だけで阻止することは難しい。欧米諸国は対中抑止のためにも次第に対ロ戦争に追い込まれてゆくだろう。ロシアには勝ち目がない。プーチン政権は崩壊する。終幕までに数多くの兵士とさらに多くの国民が死ぬ。愚かで残酷で、意味のない戦争だ。