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恐らくヴ王の逆鱗に触れたのはこの点である。生命すら操る旧世界の技を独占する、神の如き存在を自称しながら、たかが失政すらカバーできないのか?人間は完全ではなく、人間が行う政治も当然に失敗することがある。その意味で失政は政治の(或いは人間の)本質である。それを救済できない存在が神?
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日本ではエンタメに社会批判入れるのが嫌われる?単に社会批判、というかやっっすいイデオローグに無理矢理エンタメ要素絡めて大衆受け狙った挙句失敗したのを、エンタメファンのせいにしてるだけでしょうに。要はエンタメを愚民向け宣教ツールと舐めてかかって失敗したのを逆恨みしているだけ。
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我が社の場合、トップから「大丈夫なのか!?大丈夫なのか!?大丈夫なのか!?」と詰められます。これも酷いやり口で、NOと言えば「そんな話持ってくるな!」で、YESと言えば「失敗したらお前の責任払い」とされるわけです。かくして、権限に見合う「責任」を一切持たない、無敵の体制が完成します。
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こうして見てみると、長期政権末期のgdgdぶりというのは、老年になって急に劣化したというより、それまでの長年の積み重ねによって「起こるべくして起こった」「組織/現場でのフォローが限界を超え決壊した」と言えるのではないでしょうか。
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ただ、現実には財務省が予算編成権を握り、そのチェックを通らないと政府予算にならない以上、財務省査定のお眼鏡に叶わないと予算化できない―にも拘わらず予算化の過程で「犠牲になったもの」については財務省が責任を負えないーのでは、現場サイドは「やってられない」となるでしょう。
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まず、トップの在任が長くなると細部の細部まで精通し、下手すると年数の浅い現場担当より詳しくなります。そうするとトップは、だんだん下からの―特に耳障りの悪い話を―聞かなくなります。自分の方が詳しいし上手くやれるんだ、オマエラはただ儂の言うことに黙って従えばよい、と。
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現場からの意に沿わない提案に対し「本当にそうか?もっとよく考えろ!」として跳ねつけ、現場から「自発的に」トップの意に沿う提案・報告をさせるわけです。そうすると、万一失敗したときは「お前がこうしろと言ったんだろ!」と責任転嫁できるわけです(勿論、上手くいったときは手柄を総取りです)
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A「どこの国が1番好きです?」
BC「ローマ帝国!」
A「気が合いますね!!時期いつですか?私五賢帝時代が好きなんですけど」
B「10世紀マケドニア朝」
C「12世紀シュタウフェン朝」
終
制作・著作
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財務省は「国家予算の編成」「税収確保」が主たる役目の省庁なので、それ以外の「査定された事業のその後」が責任対象外なのはある意味当然で、そこは本来、個別省庁を超えた官邸・国会で政治的になんとかすべき世界ではあるかもしれません。
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現場サイドからすれば「あんたら(財務省)も現場で生じる査定結果に責任を持て」か、それが無理なら「最終責任を負うところ(総理か国会)に直接話をさせろ」となるわけで、そのどちらもダメと言われれば、それは省益保護・組織防衛&責任回避の輩として厳しい目で見られるのも仕方ないでしょう。
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気のせいでなければ、とっつぁあんが水車を見た時、ルパンを運ぶ重みのせいか一瞬水車の速度が変化していて、それでとっつぁあんが勘づいたのだとすると本当に凄い…!
#カリオストロの城
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因みにヴ王が名君かと言えばやはり暴君に近い。本作の背景となる「トルメキア戦役」を引き起こした張本人であり、子供たちを常に疑い、自らクシャナ暗殺を命じさえした。墓所の主が嫌う、「愚かで醜い人間」の代表とさえいえる人物であるとさえ言えるかもしれない。
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そうすると、側近は「トップが聞いてくれ易い」形に情報を統制するようになります。悪い話は伏せ、いい話は成果を針小棒大に拡大し…かくしてトップにはますます耳障りのよい話しか入らなくなります。世界の全ては我が意の儘に!(笑)というやつです。
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そんな自身(と自身を含む人間全体の)愚かさに自覚的であったからこそ、墓所の主の欺瞞=全能の自分を崇める限り失敗はないとする宣教の裏の意図には敏感であり、また許し難いものがあったのであろう。人間の愚かさを切り捨てておいて何が救済だ?と。
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これほどトップ(と側近)の権力が強まると、ヘマしたときの反動=責任追及が大きくなりそうですが、実はここにもカラクリがあります。有体に言えば「責任だけ現場に押し付ける」なのですが、どうするかと言うと「具体にこうしろ」という命令・指示をトップや側近からは一切出しません。