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「不適切な発言で会社に損害を与えたから解雇」なら分かるが「不適切な発言をしたから解雇」というのは気に入らない。「本日以降、当社と同氏との間には一切の契約関係はございません」という一文は、問題の人物をできるだけ強く蹴飛ばす反作用で少しでも浮き上がろうという経営陣の必死さを感じるな。
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解雇の理由が「多くの人々の反感を買う発言で会社の価値を著しく毀損し損害を与えたため」ならば、営利企業である以上順当な処分だけれど、比喩の話を「道徳的見地から到底容認できない発言のため」解雇というのは、道徳的優位や劣位を競う息苦しい社会に向かう流れを加速する動きだなと思うわけです。
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実際には顧客の囲い込みとかロイヤリティの高い顧客の育成なんてのはどこの企業も血道を上げてることなわけですよ。そういう依存症みたいな顧客を作る方がよほど不道徳だと思いますけども、むしろ現実に若い女性にそういうことをやれてる企業ほど「我が社は道徳的でござい」みたいな顔をしてたりする。
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東アジア全体で出生率が低下する中で日本は踏みとどまっている方だというのは、「結婚して子供を持つ」という規範が社会の変化に耐えてよく残った方だからなのだろうな。この規範が崩壊していると、少子化対策は手厚いシングルマザー婚外子扶助という人間の動物化を加速する策か移民しかなくなる。 twitter.com/aruto250/statu…
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「アダルトビデオに出演する動機にはホスト通いとか美容整形したいという女性の欲望もある」という話、女性の主観としては「ホストへの好きな気持ちを人質に取られてAV出演を強要されている」「きれいになりたい気持ちを人質に取られてAV出演を強要されている」と言った方がフィットするだろうと思う。 twitter.com/akihiro_koyama…
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人はどこで反出生主義になるのかという嘆きを見たが、自由と責任を真面目に教育されれば誰でも反出生主義になるのが当然だろう。「子供を作るかは100%自分の自由」「100%の自由の責任は100%自分にある」「命は地球より重い」ならば「地球より重い命の幸福を100%保証できないなら作るべきではない」と。
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校則について「おしゃれを禁止する校則は、校則で禁止されたくらいでおしゃれを諦めるようなバイタリティの低い個体をふるいにかけるためにある」という話があったが、反出生主義はまさに「生殖を禁止する校則」のようにバイタリティの低い個体を選別するふるいとして作用している。
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高等教育が少子化を招くという話、「教育されることで女性が賢くなって子供を産むという愚かな行為をしなくなる」というよりは「(男女ともに)教育を受けるほどに子供を持つという行為が相対的に愚かな(コスパの悪い)行為・不道徳な行為に思えてくる」といったところだと思っている。
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現代社会で教育は自分のために受けるもの、受ければ受けるほどできることが増え、選択肢が増え、自由になっていくものとされているよな。教育の場で「より学んだ諸君はより自由になる」という思想がセットで教えられている。良く教育された人間が子を産むなんて「せっかくの自由がもったいない」のだ。
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そしてまた、よく教育された人間は、様々なことが自分の自由になったことと引き換えに、自由の責任が100%自分にあることもよく自覚している。だから自分で思い通りにできる自分自身と比べて、自分の思い通りにできない子供を恐れる。思い通りにできないのに責任は100%取らねばならない子供を恐れる。
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「謝った人は赦す」風潮が失われているという話、つまるところ謝った人を赦すと「被害者ポジション」を手放すことになるからなのだよな。今の社会では何を言うにも「被害者」としてのポジションが絶対的に有利になるので誰もその立ち位置を手放さないし、「被害者」である限り人を赦すことはできない。 twitter.com/ganrim_/status…
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況してや、「機会さえあれば殲滅してやりたい」と思っていた相手を「加害者」―「被害者」の関係に持ち込めたなどというのは、「被害者」という無敵のバリアーを纏って相手を無限に攻撃できる僥倖が巡ってきたことに他ならないわけで、「罪を認めましたね」「謝って済む問題ではない」としかならない。
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しかし皆さん実際のところ、新聞やニュースや道徳の授業を通じて、世の中の問題を「加害者」―「被害者」の関係で読み解くことや、「『被害者』とは『正義の側』とイコールである」という見方を身に着けながら大人になったわけです。そんな世の中で「謝った人は赦す」なんてことが通用するわけがない。
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男性に交際経験がないことが一般的になってきたことにより、かつてオタク界隈に(それまでならオタクにならなかったような)一般人が大量に流入したことで、流入前からオタクだった人々からオタク性が奪い取られ単なる「社会不適合者」に落とされたのと同じことが最近の非モテ界隈で起きているようだ。
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いや交際経験のない男性が増えてるのは十年以上前からだし、どんな時代でも異性と関われないような男性への批判も折りに触れちらほら言われてきたことではあるけれど、このところ急に大っぴらに言われるようになってきたように見えるのは、やはりスペースという新しい仕組みが彼らを可視化したからか。
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自尊心の低さや発達特性やその他様々な理由で異性と関われない、あるいは加害的にしか関われない男性はいて、そうした人間に何らかの解決策を提供することがほとんど無理なことは分かってはいるんですよ。ただ、彼らに軽蔑や嘲笑ではなく、せめて敬意や同情が欲しいのだということはずっと言っている。
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こういう議論をみていても思うけれど「男性の性欲は環境と刷り込みによるもの」という認識が流通するようになれば、次に来るのは「男性の性欲は『治療』可能なもの・『治療』すべきものだ」という論だろうな。(特定の形でない)性欲がある状態そのものが病的である、という。
togetter.com/li/1878287
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よほど燃えて生きている幸運な例外を除けば、40代・50代の「あとはもう働けるだけ働いて寿命がきたら死ぬだけ」という閉塞感は本当にバカにならない。趣味や娯楽で瞬間的に楽しむことはできるだろうけれど、その先が何も未来に繋がっていないのに何の意味があるのか、という悩みからは逃れられない。
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「婚姻の目的が生殖であってよいはずがない」と考える人が多いけれど、ではそう考える人にとって婚姻とは何なのだろう。2人が特別な関係にあることを国や世間がオーソライズすることだとすると随分と権威主義ではあるし、有利な制度を利用したいがためであればフリーライダー志向が強いのではないか。
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「『キモイ』は女性を守るセンサー」というのは確かにそうなのだろう。それは「本能のように」と言うか実際本能だろうけれども、それはサルのレベルでは役に立つけれど、人間のレベルでは動作が粗雑すぎたりハックされたりしてしまうのだよな。だから薬漬け神父やホストや権力者を弾くことができない。
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「女性が男性のアプローチを断るときに本当の理由を言わないのは本当の理由を言うと逆上され暴行されるリスクがあるから」という話に万単位のいいねが集まっているけれど、これ「男性を逆上させるほど酷い理由だから」ということでもある。女性が男性を選別する際はどんな差別も許されることの裏返し。
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見知らぬ男が一人で歩いていると常に不審者を見るような目で警戒されるけれど、女性を伴っていると警戒レベルが一気に下がる。これはそれだけ「女性の何でもありな選別をくぐりぬけられた男なら危険ではないだろう」と社会に受け止められるからなんだよな。女性が身をもって男の品質を保証している。
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婚姻制度は何のためにあるのか、結婚がなぜめでたいことなのか、なぜ婚姻によって特別扱いが受けられるのかと言えば、あくまで「次の世代を生産し、社会(共同体)の繁栄に繋がるから」が基本にあるだろう。だから婚姻の条件の中に「愛し合っていること」が含まれていないのだ。愛と婚姻は別の問題だ。
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もちろん愛がそこにあればその方が喜ばしいことは言うまでもない(ただ婚姻してから愛をはぐくむこともできる)。婚姻しても子を産まない夫婦だっているではないか、という指摘もあるだろうが、産めるのに産まないというのは婚姻制度へのフリーライダーに他ならず、本来は想定外の存在のはずなのだ。
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ただこういうことを言うと「産みたいのに産めない夫婦だっている」と、不妊カップル(の「かわいそう力」)を盾に反発してくる人もいるが、不妊はあくまで不幸な例外であって、そうした不可抗力の同情すべき(というと怒られるかもだが)人々と単なるフリーライダーは厳に区別されるべきだろうと思う。