76
学問とはある時期まで、過去から継承された古典をきちんと読みこなせることであった。いつしかそれはまともなデータをきちんと処理できることに変わった。どちらがいいとは言わない。両者を適切に結び付けられたらと思う。
77
水田洋先生というと、歴史上の人物だと思っていた。ところが、社会思想史学会に行くと、総会では後ろからよく通る声で発言され、懇親会ではいの一番に挨拶される。しかも、つねにスミスのテキストで新たに見つけられたことを話す。尋常でない方といつも思っていた。ついに。 nordot.app/99493589576405…
78
今、多くの人が、「この組織に自分がコミットするだけの意味があるのか」と思っている。自分が無理して、犠牲を払って、そこまでして関わる意義があるのか、迷っている。それだけの意味があると反論できるのか。この問いは「日本社会ははたしてコミットするに値するのか」という問いにもつながる。
79
僕は何度でも言うよ。国民の代表を選ぶ選挙戦で候補者やその応援者を暴力で襲うのは民主主義への挑戦だ。「民主主義への挑戦」という言葉がどれだけ手垢にまみれ、凡庸で、政治的な言葉だとしても。
80
今日、人と話していて、現在の小説の黄金パターンは、それぞれに傷ついた人たちが何かの事情で同じ空間に居合わせ、共に何かを行動するが、一瞬の感情の交錯を経て、しかしそれも何かの錯覚だったのかと思いながら解散していく、というもの。そうなのか、と納得してしまった。
81
人生の基本は本を読むことだと思っている。仕事はその合間にするものだ(本を読むのは仕事ではない)。なのに仕事が多くなり過ぎると、本が読めなくなる。僕がいらついているのはそういうときだから、「あー、本が読めていないんだな」と優しくスルーして下さい。
82
いろいろなデータを見ていて思うけど、このままでも日本は5年はもつと思う。ひょっとしたら10年もつかもしれない。でも15年はもたない。最後の余力がある今こそ未来のために投資すべきだと思う。これからのためにやるなら今だ。