226
藤丸立香の体は限界だった
瞬く間に痩せ細り
「沢山のサーヴァントがこの体とカルデアで縁を結んでくれた
死んだ後、悪用されるかもしれない…だから」
「うちをよんだんよね?ええよ」
酒呑童子は藤丸の顔を覗く
その息が止まるのを見届けてから
骨の一片、血の一滴残さず食い尽くした
『鬼の葬式』
227
雨を降らして村を守るために化け物の生贄になる娘
実は化け物は生贄が来るたび育てようとするが言葉が通じず、娘を死なせてしまい
その涙が雨となっていた
ある娘が生贄となった時、化け物と意思疎通がとれ、娘は死ななかった
化け物は嬉しかった
化け物は泣かなかった
雨は降らなかった
村は滅びた
228
「また義母さんのお供えに虫集っとる!」
「母さん生きてる時から虫に好かれとった、蚊蝶ムカデ!」
「何でそんなに?」
「『虫の王子様』に好かれとったんだと」
「なら熱烈ね、毎日仏壇来とるなんて!」
…
「クソッ…虫共のせいで来る度バレる…」
「いつもありがとオベロン」
(本人にも…最悪だ)
229
230
藤丸の孫は「視えた」
「ばあちゃんの後ろ、おっきなピエロおる」
「あー…すぐ分かるな」
…
「蝶々のはねの王子様!」
「えー来てくれてるんだ、意外」
…
「金のコップ持った女の子!」
「わ!嬉しいねえ」
…
最期の時
「ばあちゃん、沢山来とるよ、部屋はみ出してる」
「…そっか、ありがとう…」
231
小料理屋を始めた藤丸とマシュ
連日不思議な客が
「来たぜよ!酒とつまみじゃあ!」
「飲み過ぎないでね以蔵さん」
…
「フン…粗末な小屋よな、酒をもて!」
「はい王様」
…
「ラーメンあるかい?」
「あるよ一ちゃん」
…
「こんばんは〜」
「あ、人間のお客様ですね、どうぞこちらへ!」
「?」
232
道満は来た当初、皆警戒
しかしマスターが「大丈夫」と言い
実際幾度と危機を救ったので
「道満、カツカレー大盛りにするか?」
「どーまん肩車して!」
「道満お話聞かせて!」
…
「おかしい
拙僧どこでも皆に嫌われ疑われる筈
はあ、マスターの善性に引っ張られましたかな」
『大人気の蘆屋道満』
233
カルデアに来た頃は
頭が割れ手足がもげても何とも思わない戦いを見せていたサーヴァント達
徐々に、出来るだけ怪我をしない戦法に変わった
「うちはかまへんのやけどねぇ」
「拙僧の身などどうでもよろしいのですが」
「でもなぁ、あの子が」
「あんな顔されるとなぁ」
『マスターが悲しむから』
234
#FGO
イマジナリ•スクランブル恒常化おめでとうございます
「もう、独りじゃないよ
ヴァン•ゴッホ、みんながいるよ」
235
絆0の道満
「拙僧の体などどうとでも
所詮はサーヴァント、物として扱えばよろしい」
「道満には自分を大切にして欲しいな」
(この小娘、全く意味が分からぬ…)
絆10の道満
「美しい拙僧の体が傷つくと愛しのマスターが気になさるのでな!無傷で行かせて貰いますぞ!」
「道満極端なんだよねー!」
236
237
バグで生前の傷が出現
「みてイゾウ!首が取れたわ!」
「わしもじゃ、おひいさんとは事情違うが
あ、サンソンが泡吹いとる」
「拙者も仲間にドゥフフ」
「首もだけど、腹が裂けたままも落ち着かないね
あ、斎藤くんが倒れた」
「私にもダメージですゲホッ」
「本能寺ファイヤー!」
「姉上ー!」
238
#FGO
モルガンとバーヴァンシー
花の戴冠式
(どうか今度こそ、今度こそ、幸せに、)
239
退去しなかったドラコー
藤丸は世界を守る為契約を続けた
最期の時
「今まで令呪で縛っててごめんね…令呪を持って命ずる…自由に生きて…でも、都市を滅ぼしたりはしないでね…」
「…もとより貴様の令呪の拘束力で余を縛れるわけなかろうに」
『自由に生きたからこそ、貴様と共に生きたのだ』
240
#FG
龍馬とお竜さん
「…ちょっと出かけただけだったのに」
241
ママは体中傷だらけ
お風呂で
「何で傷あるの?」
「昔秘密のお仕事でね、でも私
この傷嫌と思ってない、皆が守ってくれた証なの」
「ママ…もしかして」
…
ある日温泉に
「何アレ…」
「かわいそう」
「ママはかくれて世界を救ったヒーローなの!」
「…え?」
「そうだよね、ママ!」
「…え?」
242
ゴルドルフが就任したての頃
毎晩コソコソ
「あのおっさん、怪しいぜ」
ムニエルと一緒に部屋を覗く
「殆ど名しか知らんが…ジム、キャシー、マサアキ、フランチェスカ…
… … … すまなかった、本当に、ううっ」
「…カルデア襲撃で死んだ奴らの名前だ」
『毎晩犠牲者に謝り続ける新所長の話』
243
#FGO
酒呑童子
「ええ肴があるさかい、一緒にどない?」
244
「藤丸立香はね、
選択肢を間違えちゃいけないの
些細な事でも
間違えた立香は
『藤丸立香』じゃなくなるの
どうやったら藤丸立香じゃなくなったって気付けるかって?
負けた時、人理修復、異聞帯攻略ができなかった時
その時やっとわかるの
「ああ、私は違ったんだ」って」
『主人公の条件』
245
ある日、世界に毒ガスが撒かれた
助かったのはほんの僅か
「せっかく汎人類史を取り戻したのに…こんな」
「これは数日後の現実、その前に世界を救って
喚んでマスター」
…
夢から覚めた
パパとママの挨拶を無視して走り出す
私の夢は、大体やばいのだ
プルルル
「マシュ?私!今すぐ会える!?」
246
藤丸立香の墓が荒らされた
遺骨を使う為だ
「これでエクストラクラスを!」
「…へぇ、うちは喚んでくれへんの?」
魔術師の首を酒呑童子が掴む
「その骨、なあんの変哲もないやろ?うちの好みやあらへん
でもなあそのただの骨が好きなんよ、だから」
首をへし折った
『平凡なあなたが好きだった』
247
#FGO
キャスターアルトリア
『春の記憶』
248
藤丸立香には3人の子供が
2人は実の子 1人はドラコー
立香が老衰で死ぬのを子供とドラコーは見届けた
…
子は結婚し子供が
ドラコーは少女のまま彼らとも遊び、また看取った
…
百年たっても子孫は続き、全てを獣は看取り
肖像画にはいつも少女も描かれた
『藤丸一族の側にいる金髪赤目の獣の少女』
249
250
ORT戦が終わった
サーヴァント達も戻った
なのにマスターは泣き崩れている
「どうしたのですか?」
「戦いはおわりました、大丈夫ですよ」
「違う、違うの
私星5のサーヴァントを後回しにした、レア度の低い方から行かせた
きっと、万が一のことを考えて
皆は変わらず戦ってくれたのに
私、私は…」