202
親子が街を歩く
「立香ぁ!こっちこい!」
(ガラ悪…)
(虐待されてないかしら)
「遠く行くと守れんからの、アイス食うか?」
「食べるー!」
「買うてやる、一つくれ」
「いぞーさんのは?」
「わしゃええ」
「じゃあ半分こ!あーん」
「…あーん」
(何だただの仲良し親子か)
(優しいパパね)
203
「余は帰らん!食べ足りん!」
退去しなかったドラコー
「酒をもて!」
「ほどほどにね」
…
「ハンバーグがよい!」
「了解〜」
…
「お昼作るね」
「さっき食べたぞ?」
…
「粥である、余が作ったのだ!」
「…誰?」
…
「容体が悪化し…今夜にも…」
「…」
…
「…貴様のいない世界は味気ない」
204
マシュが怪我して、背負う
はやく!
ナイチンゲール達と合流すれば治療が
「おーい!マシュが!」
パンッ
乾いた音
マシュの頭を、婦長が撃ち抜いた
「…な、何を!?」
「あなたの精神を蝕む雑菌を消毒しました
まだ分からないの?
彼女はカルデア待機でしょう」
マシュの死体はどこにもなかった
205
「助けて」
呼び声に道満が応える
「はて、聖杯戦争で拙僧を?街を地獄絵図にしたいのですかな?」
…
街はとっくに地獄絵図だった
ゾンビが氾濫
「これは…」
「えーん、えーん」
泣いてるのはオレンジ髪の子
「マスターですな?」
「ママが困ったら『どーまん』呼べって」
『この子を助けて、道満』
206
誰もが召喚された道満を疑った
「監視が必要」
「リソースをあげるのは待て」
でもマスターは
「召喚に応じてくれたから大丈夫!」
聖杯まであげた
マスターが負傷
「ンフフ、哀れなマスター…
必ずカルデアに生きて帰還させますぞ!
この愛されし道満が必ずや!」
『愛してくれてありがとう』
207
藤丸立香はいつも光る石を持ち歩く
きっと素晴らしい宝石だ!
魔術師はそれを盗んだ
が
「魔術的にも、芸術的にも無価値です」
「何だよクソッ!」
苛つき壊そうとした時
陣が現れサーヴァントが
「やっぱり触媒になるじゃないか」
現れたサーヴァントは一言
「悪は、裁かれなければならない…」
208
「『藤丸立香の手記』にも
「キュケオーンをすすめてくる、足挫きそう」等チョロそうな記載が多い
コイツなら楽に手懐けられるだろ」
魔術師はキャスターを召喚
その日のうちに豚にされた
「きみ、この大魔女キルケーを舐め過ぎじゃないか?あのピグレットと自分達がどうして同列だと思うんだい?」
209
#FGO
「はぁ、あいも変わらず平凡で底抜けの善人ヅラだな
このとき◯しておけばこいつは……
あはは、なぁんて、そんなことしないよ、
ね、怖がらないで?未来のマスター?」
オベロンと10歳の藤丸立香の邂逅の話
210
公園にて
「おかあさんがねー」
「嘘つき!お前んちシングルファザーじゃん!」
「うそじゃない!おかあさんだもん!」
…
「おかあさん、今日悪口いわれた」
「…俺のせい?」
「ちがう、おかあさん悪くない
でもねわたしたちえらかったの
殺さなかった、ほめて?」
「…偉かったね」
『混沌、悪』
211
213
藤丸と暮らした道満
最期の時
「今までありがと…ログボ聖杯あるから受肉しな」
「取っといてたのですかコレ」
「令呪を持って命ずる…悪い事はダメ…いいね?」
「…」
…
「拙僧から悪事を奪うとは、毎日墓参りし近所の子供と遊び、老人の相談にのっております、酷いマスター」
『良き陰陽師道満』
214
#FGO
「母娘の愛」
215
近所のばーちゃん、藤丸立香は変
結婚せず独りで変な話ばっかり
「関わるな」ってママは言うけど、近所の子は皆ばーちゃん家行ってた
「アルゴノーツの話聞かせて!」
「えんたくの話がいい」
……
「ばーちゃん独りで寂しくないの?」
「…見えない友達に守って貰ってるから平気なの」
「やっぱ変だ」
216
近所に独りのばーちゃん
「寂しくないの?」
「この子がいるからね、ドーマン」
デカい猫をなでる
…
ばーちゃん死んだ
「どうなるの?」
「独居老人だからね…」
…
親戚のデカい男が来て全部やってった
「今まで何やってたんだよ!」
「はて、ずっと一緒におりましたが…」
猫のような目で男は笑った
217
#FGO
キャスターアルトリア
『春の記憶』
218
藤丸立香は4歳頃家に置き去りに
しかし3ヶ月半放置しても生き延びた
部屋は綺麗、料理もされた形跡
侵入者は不明
母親が惨殺され放置が発見
…
「ああ立香、なんて事でしょう!すぐ重湯と風呂を!」
「立香、回復しましたね、母は嬉しいです」
「立香、暫しお別れです
いまから鬼を退治して参ります」
219
戦闘で死亡
地獄に行く藤丸
道満と共に三途の川を船で渡る
「マシュ達どうなったかな…」
川を眺めてると
「よそ見を!しましたねえ!」
道満に突き落とされた
…
ピッ
「意識戻りました!」
泣きそうなマシュの声
助かったらしい
道満はカルデアから完全に消滅
部屋に手紙
「地獄は独りで参ります」
220
藤丸立香が死んだ時、子供達は喜んだ
葬式などどうでも
ようやく遺産が手に入る
そこに金髪赤目の少女が
「親父の隠し子か?遺産は」
「いらぬ、ただ遺体は引き取る」
…
「家族のいうのは難儀なものよな…」
沢山のバラが敷き詰められた棺
「では頼むぞ」
「はい、偉大なる獣のお方」
読経が始まった
221
222
藤丸立香の葬式に尼僧が
だが明らかに雰囲気がおかしい
「私も僧侶、読経に参加いたしますわ…」
(なんたる魔性…人ですらない、返答を間違えれば呑まれる…しかし)
「藤丸さんを弔おうという気持ちは、本物ですな」
「そうだ、この女は最低最悪だが、弔いに来た、俺は引率だ恨むぞ藤丸!!」
223
晴明!何故勝てぬ!晴明!晴明!
…
「道満って何で指の先黒いの?」
「魔力の酷使で壊死を」
「…」
(さて、笑うか哀れむか…)
「だからいつも私の魔力残量気にしてくれるの?」
「え」
「私の指も気にしてるよね
ほら大丈夫だよ!
道満は優しい頑張り屋さんだね」
「ンン…初めて言われました」
224
小学生の頃、「とおりま」が出る為外遊び禁止だった
ある日夕暮れに刃物男
「たすけて…」
その時
着物の男の人が刀を抜き前に
「ちゃんばら!」
「立香!さっさ家帰れいいゆーのに!」
慌てて走る
(ふしぎな言葉…)
…
「わしゃ護衛はしくじらん
お初にお目にかかりますぅ」
『通り魔VS人斬り』
225
藤丸立香の墓が荒らされた
絵の具で何かが描かれ
謎の符が貼られた
「悪質な悪戯ですね!」
「…このままにしなさい」
「住職!?」
「…危機が迫っとる、これは守りの呪い
わしらも気合い入れるぞ弟子!」
「はい…」
…
「侵入した魔術師、星月夜で発狂」
「こちらも呪殺完了致しました」
『墓守』