1126
「食堂はブーディカ達に任せた」
エミヤは微笑んだ
「後で護衛料は弾んでもらうきの!」
以蔵は笑った
「殺菌します」
ナイチンゲールはいつもの顔
「死にたくありませんが…あなたを死なせたくありません」
シェヘラザードは震える体を押さえつけ言った
『ORT戦に向かうサーヴァント最期の言葉』
1127
世界を救った藤丸立香は自分のためには頑張れず
理不尽な上司の叱責や膨大な仕事量に耐えられなかった
「死のう」
ビルから、飛び降りた
「ンン〜」
抱きかかえられる
「道満着地任せた、と言ってくだされ…マスター」
「道満…」
「それはそれとして会社は物理的に潰しておきました」
「道満!?」
1128
平和になりケーキ屋を始めたマシュと藤丸
時折不思議な客
「ええい、店ごと買うぞ!」
(王様…)
…
「腕を上げたな」
「エミヤに言われると嬉しい」
「なっ!?バレて!」
(バレバレ…)
…
「メロンのケーキいただくよ
甘いの苦手だし、この店好きじゃないけどね」
「いつもありがと、オベロン」
1129
母は離婚し再婚
新しい父は大きくて怖かった
でも優しかった
母がまた浮気していなくなっても、側にいて
参観日にも来てくれた
「藤丸の父ちゃんデケェ!」
「顔だけキレイで凄え!」
蒸発した母が不審死で見つかった時も優しかった
…
カルデアで道満を召喚し全てを悟った
「お父さん…」
母の死因は
1130
「安倍晴明では!?」
「晴明を喚んだ筈」
「…ハァ」
道満は大抵晴明召喚の失敗で喚ばれる
だから魔術師は大抵殺した
…
「今度もですか」
喚ばれた先には少女
「どーまんだよね?ママが言ってた人とそっくり!」
握りしめるのはバレンタインのお返し
「はい、拙僧が道満にて、なんなりとマスター」
1131
道満が召喚
「どうせ晴明の代わりでしょう」
マスターは日本人
「やった!道満さまじゃ!」
「…え?」
「地元じゃ晴明より道満さまじゃ!これで百人力!ありがとうございます道満さま」
「…まあ、拙僧播磨では晴明より有名、というか、まあ元々有能で多才ですし?なんなりとご命令を」
『嬉しい』
1132
認知症により藤丸はマシュのこともわからなくなった
「誰?」
「…」
しかし藤丸はマシュの手を握る
「熱くないよ大丈夫、一緒にいるからね…
あれ、ごめんなさい初対面なのに」
「いえ…グスッ、ありがとうございます、先輩」
「泣かないで、あなたが泣くと
胸が苦しい」
『ファーストサーヴァント』
1133
七夕の短冊に願いを書くマスター
「新しい礼装が欲しい、とかかな?」
「PUサーヴァントが来ますように、じゃない?」
「食堂のメニュー〇〇にして!とかだったり!」
わいわいしマスターの短冊を見たサーヴァント達
そこには一言
「はやく家に帰れますように」
「そうか、そうだよね…はは…うん」
1134
テスカトリポカを畏れる職員
「どうして?結構気さくだよ」
「立香ちゃん…彼が来たばかりの頃食堂の場所を教えたの、その時
この料理が美味しんです、ぜひ食べてみて下さい!って善意で言った
そしたら一言
「意見か?」
って
はいって返したら死んでたよね」
「あーポカニキそういうとこあるね」
1135
藤丸立香は目が見えない
冬木で負傷した
「藤丸君頑張って!」
「マスターいくよ!」
でも道満は…怖いし連れてかない
…
マシュは知ってる
職員は死んだ
残ったのは道満のみ
式神を操るだけで、マシュ以外全て道満
「拙僧は留守番してますぞ!いってらっしゃいませ!」
今日も道満は戦闘に同行する
1136
チリン
盲目の藤丸立香が最初に召喚したのは道満
藤丸は鈴の音で道満を判別し
聞こえるとマイルームを開けた
…
ある日、邪な想いを抱く職員が鈴を持ち扉に
チリン
「開いたら押し倒しそう…!」
ところが
「…違う」
職員の背後から声
「ン〜ご明察!」
『道満、あなたの音じゃない』
職員は消えた
1137
雨を降らして村を守るために化け物の生贄になる娘
実は化け物は生贄が来るたび育てようとするが言葉が通じず、娘を死なせてしまい
その涙が雨となっていた
ある娘が生贄となった時、化け物と意思疎通がとれ、娘は死ななかった
化け物は嬉しかった
化け物は泣かなかった
雨は降らなかった
村は滅びた
1138
5年ごとに生贄の娘が捧げられる村
「5年ごとに異界から化け物が来るから鎮めるために捧げるのだ、奴らは娘を見るとさらって帰る」
…
ある年捧げられた娘
化け物が喋る
「ああ、餓死寸前よ!
私達は人間保護団体のモノです
何故か5年ごとにこの場所に子供が捨てられるから保護してるの!もう大丈夫よ」
1139
去年出た音楽を「最近のだ!」と思って聞きますし
本なら10年前くらいまでは「新しいな」と思って読んでますが
「流行に乗り遅れてるよ」とか「遅いよ」と言われたりすることがあります
周りが速すぎるんだと思います
次から次に食い尽くし、あっという間に忘れ去る
なら私は「流行遅れ」でいいや
1140
村の娘は泣く
生贄として化け物に嫁ぐ
「きっと酷いことされる…」
…
化け物は泣く
「酷いことするんでしょ!」
化け物は娘だった
化け物も生贄だった
…
「今日はお味噌汁を作ったわ!」
「まあ素敵、お味噌はどこから?」
「あなたの村を襲ったの!」
「まあ、いいわね!」
娘2人は幸せに暮らした