451
子供の頃お祭りで道に迷った
「おかーさんどこー?」
「迷子ですな?」
背の高い男の人
「…怖い」
「藤丸立香ちゃん?
拙僧お母様の友達にて!」
なら、と手を引かれ無事に戻った
(今思うと…絶対道満だったな)
「何でいたの?」
「リンボに会わず倒さず
マスターが幼くして死ぬは嫌でしたので」
452
マスターが致命傷
痛みにのたうち回る
酒呑童子が側に来て
「旦那はん、うちに任せ」
そう言いマスターの喉笛を噛み切った
「消える前にちゃんとやるさかい、安心してな」
肉と骨をバリバリ食らい
血の一滴まで飲み干した
「これで旦那はんは独りじゃあらへん、今までお疲れさん」
『鬼の看取り』
453
「お酒は相手を油断させるため
敵を騙すなら味方からって
以蔵さん、不器用だけど
早くからここに来たサーヴァントだから
君のこと、いつも気にかけてるよ」
「イゾーが酒飲むのは趣味も入ってるけどな!」
「そこは置いといてね、でも
以蔵さんを編成から外すのはオススメしない」
「死ぬぞ、お前」
454
新米の頃
以蔵さんが好きじゃなかった
柄悪いし
戦闘でもダラダラしてるだけに見えた
「連れてくのやめようかな」
お竜さんが言う
「イゾーはムカつくが
夜中の不寝番も、戦闘時のお前の安全確保もイゾーがやってる
アイツいなきゃお前何度も首飛んでるぞ?」
『しくじらない故、気づかれない護衛』
455
ナイチンゲールに病室へ監禁された
『失意の庭』の事が知れたからだ
「戦わなきゃだから出してくれないかなあ」
「いけません!貴方は精神を酷く負傷しています、それに貴方の周りもそうです」
「1人に世界の命運を託していられるなど正気ではありません、治療が必要です!」
『正常なバーサーカー』
456
何かあると道満が疑われる
「アイツに違いない」
「前科もある」
…
「道満真犯人分かってるんでしょ?」
「拙僧が被れば全て収まります故」
「それやめて」
「なら道化衣装は脱ぎ捨て全裸になりましょう!」
「それもやめて」
道満は、藤丸が懐いていた真犯人の職員を庇ってた
『マスターの為なら』
457
「なに?今ならビーストになれるのでは、と?
獣は単独で降り立つ者
拙僧生憎独りで進むつもりはございません
この心は、マスターに差し上げました
何故って?
あの方が全てくださったからです
拙僧が知らなかったものを全て
だから拙僧も全て差し上げるのです
…当然でございましょう?」
458
その道満は聖杯を上限まで貰った
「行くよ道満!」
「はいマスター」
……
強敵と戦闘
マスターが重傷
道満も満身創痍
「…かつてリンボというモノがおりました
愛を知らず無様に敗北致しました
しかし拙僧は違う!マスターから多くの愛を受け取った!
負ける道理はございませぬ!」
『愛を知る獣』
459
「この呪殺、やはり道満殿が…」
「おおおそろしや!やはり晴明殿に嫉妬して」
「そうに違いない!」
……
「道満、いくよ!」
「頼りにしてるからね!」
「…牙を抜かれたと思われましたかな?
いいえ、いいえ、牙は研いでおりまする
マスターの敵を屠るために!!」
460
誰もが召喚された道満を疑った
「監視が必要」
「リソースをあげるのは待て」
でもマスターは
「召喚に応じてくれたから大丈夫!」
聖杯まであげた
マスターが負傷
「ンフフ、哀れなマスター…
必ずカルデアに生きて帰還させますぞ!
この愛されし道満が必ずや!」
『愛してくれてありがとう』
461
「道満怖い」
霊基保管庫に封印したマスター、カルデア襲撃で致命傷
血塗れで這う前方に道満
「緊急事態故出て参りました!どうなされました?」
「助けて…」
「しかし種火も貰っていない身
敵1人倒せませぬ…
悲しいですがここでマスターを看取らせて下さいませ、ヨヨヨ」
『貰った分しか返さない』
462
「その忠誠、騎士として称賛いたします
しかし戦いは戦い!ここで倒させていただく!」
「なんの!生き汚なさこそ拙僧の真骨頂、相性不利?
呪と呪厄で削り切ってしんぜよう!
さあさあ道満の大一番、マスターとくとご覧あれ!」
「令呪を持って命ずる、道満!勝って!!」
「はい、マイマスター」
463
初召喚が道満
冬木のスケルトンは即死
「道満最強!道満いれば大丈夫!」
不利なクエストも皆勤賞
……
キャメロット
ガッツを使い切り血塗れの道満がガウェインと相対
「相性も悪い、勝ち目は無い
何故向かってくるのです?」
「…マスターが拙僧を信じているからです」
『最強のサーヴァント』
464
「なんでシャドウサーヴァントがあんなにいるの!なんで私たちを攻撃するの?
うああああああん!!」
「まったく…これがいずれビーストを倒す藤丸立香とは思えんな…」
「だって献血してたらいきなり連れてこられて!分かんないよ!もう!」
465
「獣のマスターとして、戦え!」
「えっえっえっマシュは?ここはどこ?戦うって何で?」
「しっかりせよ!」
「だってわかんないもん!冬木とか言うとこの奴やっと解決して
それで!オルガマリー所長が!だから何のことだかわかんないよ!
何人類悪って!ねえ!助けて!」
『新米マスター』
466
レイシフトで怪我
心配かけるの嫌で隠してるとオベロンに会った
「やぁマスター、無事に戻ったんだね!」
「…うん、ありがとうオベロ
バコッ
顔を思い切り殴られた
「これで無能な奴らも気づくだろうさ、見ためもばっちり怪我人だからね!
さっさと医務室に行けってんだよクソヤロウ」
『不器用』
467
藤丸立香の日記
「カルデアにゾンビウイルスが
無事なのはマシュと俺だけ
所長やムニエルは鎖に繋いだ」
「マシュが熱を出した」
「マシュが発症した ベッドに固定」
「食べ物が尽きた
感染した職員を食べる
大丈夫、俺はかんせんしない」
「いつかもにもどるそだよね?」
日記はここで途絶えた
468
先輩は時々、数時間意識を失う
それは大抵午後1時頃から、6時まで、たまに時間になっても目を覚さなく
その時は皆大慌て
「原因が思い当たらないんだよねえ、夢の中で特異点に、というわけでもないし」
今日も先輩は1時から目を覚さない
6時に目を開けることを、祈るばかりです
『メンテナンス』
469
マシュが職員を殺してしまった
藤丸を部屋に無理矢理連れ込もうとした職員を突き飛ばしたら頭を打ったのだ
「どうしましょう私、私!」
「大丈夫だ、私たちが殺した事にしてくれ!」
サーヴァントは皆庇った
「それより記録を抹消するか?最初からいない事にするとか」
他の職員は言った
『隠蔽工作』
470
カルデアが1日をループするように
レイシフトも不可能
原因は探したが不明
皆パニックになったが段々落ち着く
「平和だし、このままでいいかも」
藤丸立香が呟いた瞬間アナウンス
「この世界は剪定事象からこぼれ落ちました
停滞を良しとする者は、藤丸立香ではない からです」
『藤丸立香の資格』
471
「止まりなさい!」
ナイチンゲールがジャックを呼び止める
「なに?…このにおい
あなたお医者さん?」
「看護師です、治療開始!」
「へぇ!わたしたちになにする気?」
一触即発
しかし婦長はジャックを抱え頭を撫でた
「これが治療?」
「「あなた達」にはこれが必要です」
「あは!へんなの!」
472
「爪を一欠片頂けませんか?」
「やだ!道満絶対悪いことに使うもん!」
「いえいえ!これは魔除け
マスターそっくりの式神で、邪なる者を誘い滅するものにて」
敵を退治する為なら、と好きにさせた
翌朝、男性職員の変死体
自室で真っ裸
側には爪が一欠片
「邪な想いを抱いていたんでしょうなあ」
473
「本当は阿鼻地獄でもどこでもお供するつもりでしたが、既に地獄のような道のりは経験済み、拙僧独りで十分ですな」
「さあてこれより大暴れ!閻魔大王殿に地獄をさっさと追放して貰いカルデアに帰りましょうぞ!
しんみりいたしましたかな?結構結構
しかし拙僧そこまで殊勝ではございません!」
474
負けて気絶
目覚めると暗い
「冥土?」
側には道満
「道満、地獄一緒に行ってくれる?」
「そう思いましたが辞めました
お前のような足手纏いはいらぬ、とっとと消えよ!」
……
「意識戻りました!」
必死なマシュの声
生死の境を彷徨ってたらしい
道満は消え部屋には手紙
「地獄は独りで参ります」
475
「道満は凄いんだ!」
藤丸立香はマシュに語る
「父さん母さんを式神に降ろしてってお願いしたら本当にやってくれた!
言動も行動も間違いない!本当の霊を降ろしてくれたんだ!」
マシュは道満に尋ねた
「あぁ、マスターのご両親?降ろすなど、勿論不可能
あれは拙僧がそれらしく操ってるだけです」