ニューシネマパラダイスさながらですが、これは実話を基にした物語。つまりそう、その男の子が成長して撮った映画が、この映画です。全編に渡って溢れる映画への愛、郷愁溢れる監督自身の故郷グジャラート州の風景、映写技師おじさんとの心温まる友情、そして自ら餌付けされにいくおじさんが見どころ。
『エンドロールのつづき』は2月中旬上映予定です。どうぞお楽しみに。
世界最北端駅までの旅行を恋人の女性にドタキャンされた女子大生が仕方なく一人で寝台列車に乗り込んだらデリカシー能力値ゼロの男と同室になって(最悪じゃん…)と思ったら実際普通に最悪で、最悪なんだけど、そうなんだけど、いつしかその旅が2人それぞれ特別な時間になっていく映画を上映します。
普段なら交流しない見知らぬ人との出会い、車窓を流れるどこかの土地の風景、かりそめのような贅沢なような食堂車の食事、出発地に置いてきた心残り……旅に、とりわけ列車での一人旅に特有の、あの浮き立つような物悲しいような雰囲気をたたえながら、物語と列車は北へと、終着点へと向かいます。
彼女と彼が乗り込んだ6号客室に流れる時間を描く『コンパートメントNo.6』は3月頃上映予定です。このユホ・クオスマネン監督の作品、地味でささやかなんだけれど、好きです。どこかアキ・カウリスマキを思わせるんだけど、ユーモアの味付けがまたちょっぴり違って。
生きることを楽しんでたお父さんが脳卒中で倒れて安楽死を望むようになって、悩みながらもその希望を叶えようとしていたらリハビリのおかげかお父さんちょっと回復してきてめでたしめでたし……のはずがお父さんが安楽死する気持ちを変えてくれない映画を上映します。他人事だと笑い話だけども……
気乗りしないままパリ万博のモニュメントを考案することになった男がパーティで出会った友人の奥方に「あなたの野心作を見たい」と言われて【圧倒的なモニュメント】を造り始める映画を上映します。 2つ補足 1.彼と奥方、実は初対面ではなく過去があります。 2.彼の名はエッフェル。つまり造ったのは…
豪華客船に乗り込んだセレブや富豪ら"持ってる"人々の表層的で愚かしくて無自覚に傲慢な生態をさんざん見せつけられて(船沈まないかな…)と思ってたら船沈む映画を上映します。で、一行は無人島に漂着。すると無能連中の頂点に君臨するのが"持たざる者"だったトイレ清掃員で…面白くなってきました。
ヒエラルヒーが転覆して、持つ者が持たざる者に、持たざる者が持つ者に。『フレンチアルプスで起きたこと』や『ザ・スクエア 思いやりの聖域』でも現代社会の規範や基盤がちょっとしたことで壊れたり反転したりする様をシニカルに描写してきた、カンヌ常連の鬼才リューベン・オストルンドの新作です。
『逆転のトライアングル』今春上映予定。本作もまたカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞しています。"転覆後"が楽しみかもしれませんが、予告の通り、この監督の苦くてブラックで意地の悪いテイストはストーリー前半から存分または存分以上に味わえるはずです。
死に近づき薄れゆく"彼"の意識の中に、こうして時がうつろい時代と国が変わる前、自分が一つの国の皇帝に即位することになったあの幼い日からの激動の記憶が千々の断片となって浮かんでは消えていく、歴史絵巻の如き壮大なスケールの映画を4Kレストア上映します。彼の名は愛新覚羅溥儀。清国最後の皇帝
両家の厄介者どうし見合いでくっつけられた2人が所帯になって身を寄せ合い、さして豊かでもない土地で作物を育て、日干しレンガで家を建て、つつましく、口下手に、慈しみあいながら暮らすだけ、の映画が、公開2ヶ月後に突然TikTokで中国の若い世代に火がつき奇跡のように大ヒットしたので上映します。
すでにベネチアとカンヌの映画祭で作品上映経験があり、本作がベルリン映画祭のコンペ部門に選出された中国の新世代監督ルー・ルイジュン。大作系しか追っていないと気づきにくいのですが、こういった規模の作品を細やかに丁寧に仕上げる中国新世代監督たちの仕事ぶりにはいつも驚嘆させられます。
生きることのつらさや苦しさが描かれているのに、なぜだか幸福や愛について大切なものを受け取って劇場を後にすることになる映画『小さき麦の花』は3/17(fri)から上映です。この予告、最初の10秒で涙腺にきます。
RRRを3/10から上映すると言いましたが、あれは嘘。待ちきれないので3/3から上映します。もちろん3/10からも上映します。 twitter.com/sarnathhall/st…
アメリカのスタイリッシュお仕事系ドラマの主人公みたいな感じで時には遅刻で上司に小言喰らったりしながらも仕事は結構できるし彼女と婚約して湖畔の一軒家を買ってその祝いのパーティで湖に飛び込んで脊髄を損傷して、 人生がまったく異なるフェーズに入っていく、実話を元にした映画を上映します。
映画のタイトルはこれです。仕事も恋人も失って、待っているのは完治しないと知りながらのリハビリの日々。昨日まで生きていた、自分が主人公のドラマが理不尽な打ち切りにあって、急に別ジャンルの番組が始まったような苛立ちと困惑。だけどそこから彼の本当の、本物の物語が始まります。
瓶から自由になるために人間の願いを叶えたい魔人が、願うと不幸になるオチを疑う物語論学者を説得するため、封印と解放を繰り返してきた3000年の身の上話、ソロモン王の治世から続く万華鏡の如き驚異の物語の数々を(CVイドリス・エルバで)語って聞かせる、想像力が極彩色に花開く幻想映画を上映します
魔人は語る。シバの女王の情念に、オスマン帝国の王位継承に、あらゆる知を求めた女性の才能に、立ち会い、関わり、そして愛、こみいった愛と運命のひとひねりによって幾度も封印され解放されてきた顛末を。さあ驚くべき物語は全て学者に語られた。彼女が願いを口にするのか否か、最後の物語が始まる。
『落下の王国』好き必見の、この蠱惑の映画は『マッドマックス』ジョージ・ミラー監督からの贈り物。ホテル内で封印が解かれたので学者のティルダ・スウィントン様に加えてイドリス・エルバ魔人までバスローブ姿な『アラビアンナイト 三千年の願い』は3/31(金)から上映です。
4歳の男の子を連れたシングルファザーが、その子へのプレゼント選びに悩み続ける日々を綴った、昨日の雨に濡れた芝生のように柔らかで穏やかで少し寂しげな映画を上映します。シングルファザーの彼は病で余命わずか。残された時間で訪ねて回るのは養子縁組を望む人々。新しい親、それが最後の贈り物。
まだ4歳の子には「死」というものが理解できない。これから何が起こるのか理解できない。今日と同じ明日が来ると思っているし、父だってそうであればどれだけ…。それでも彼は父親として、息子の将来を考えなくてはならない。新しいおとうさんとおかあさん。それが君への贈り物。
『おみおくりの作法』の監督による、実話を元にした映画『いつかの君にもわかること』。 『お見送りの作法』同様いかにもお涙頂戴な演出は抑えて、父子の日々をそっと綴っています。それにまだ予告編ですからね。涙は本編までとっておきましょう。3/31(fri)から上映します。
メキシコの、営利誘拐がもはや"準日常化"している町で、身代金を払ったのに娘が帰って来ず警察にも見放された母親が、自力で娘を取り戻すために社会そのものに複雑無慈悲に組み込まれた"誘拐というビジネス"の深淵に踏み込んでいく映画を上映します。コネもノウハウもなく、彼女にあるのは愛と執念。
人里離れた山荘で野菜を育て、きのこを採って、あれやこれやと料理して、自分と、時には東京の恋人の舌とお腹を喜ばせる。そんな風に暮らす作家の春夏秋冬を綴った映画を上映します。1人でも恋人と一緒でも満ち足りているけど、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に収めらないまま、季節がまた一つ過ぎる。