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漢字ドリルの「魚が死ぬ」を書き取りをしたくないのと言う9歳の娘①の隣には今日心臓カテーテル治療を終えて退院してきて早速、姉のぼんち揚げを強奪してボリボリ食む娘②
娘①の繊細で柔らかな心と娘②の勇猛な図太さが同じ親からの派生だと言う遺伝子の不思議とあと夕飯前の菓子
(退院しました)
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そう言えば入院中、病棟のエレベーターボールで腕組みしたまま床を睨んでいた不機嫌そうな二十歳位の男の子が、向かいの産科病棟から飛び出して来たナースに
「お父さん、生まれましたよ2283gです」
そう言われパイプ椅子をひっくり返して立ち上がっていた。
男の子がお父さんになる瞬間を見た。
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娘②の入院と日程が全日被った息子の修学旅行、碌なお弁当も持たせてやれず中途半端な準備で病室から気持ちだけ見送った息子の私へのお土産が
「これ超うまかった」
岡山の宿で夕食に出された高級なマスカットを一粒大切にティッシュに包んできたヤツで、ええ食べましたよ腹は丈夫ですから。
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小学校の校外学習が凄く楽しみな娘①が『校外学習のしおり』を読んでくれているその横で微妙に不穏な横槍を入れてくる思春期の息子。
「持ち物は、お弁当とお菓子と敷物と筆記用具と..あと赤白帽子と動きやすい服と履き慣れた靴と〜」
「生きづらい自分」
生きづらい自分。
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30分前、妙に大人しい娘②をよく見たら顔、指、衣類全てが真っ赤で
「圧迫止血救急搬送小児外科SpO2通常85%です」
緊急フローチャートが脳内に3秒で立ち上がってからよく見るとそれは私の和装用の赤い口紅で、ねえそのペニーワイズみたいな口元どうするの、あとその服新品のグラニフのトレーナー
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この世の全部の医師は自分の心臓の音を聞く存在だと信じている心臓疾患児娘②は兄の定期健診に付いて行ってもさあアタシの心臓の音を聞きなさいと小児神経科医の前で服をめくり当の先生は僕心臓は全然専門外なんやけどなあと言いながら聴診器をあててくれて
「ウン!生きてる!」
「アイ!」
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先日突然、レスポールスタンダードが欲しいと言い出して、楽器屋さんでJ-45を見初め、今ネットフリックスで見ている、クレイアニメ『ピングー』の抱えているギター、ピンクでピックアップ3つのあの形は多分ストラトキャスターを
「アレホシーイ!」
と言う娘②、趣味が良いのは結構ですけれど総額。
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近所のスーパー位しか行かない暮らしの癖にキャンプ用品が大好きで何処をキャンプ地にする気なのかと思っていたら思いがけず病児を産んで折り畳みデスクもキャンパーマグもブランケットも病棟に活躍の場所を見つけられたし年内もう一度カテ入院なのでまだまだ活躍するし付き添い入院はキャンプ(真顔
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娘②、屋外への渇望と外出の希求が激しすぎて近所のスーパーに行くだけで100均の商品を北大路魯山人の目つきで眺めて手に取りゲームコーナーの乗り物に張り付きミスドに勝手に入店して買い物を始めるので大体熾烈な親子喧嘩になり今日
「ママモウヒトリデカエリナサイッ!」
と言われましてええ是非
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手術部看護師の姉との電話で
「患児の母としてはオペ終了時、執刀医だけじゃなく助手の先生、オペ室のナース、麻酔科、ME、薬剤部にも事務さんにもオペに関わった全ての人に御礼が言いたい」
と言ったら
「私達は最後まで裏方でいい、患者さんが無事なら」
今期アカデミー最優秀助演女優賞決定
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遅ればせながら『鬼滅の刃』を履修している息子と娘①が、最近特に粗暴に横暴で無茶振りが激しく些末な事で機嫌を損ねた時には兄も姉も容赦なくぺちぱちタコ殴りにしている2歳10ヶ月児の娘②を評して
「娘②ちゃんの名前は、今日から無惨様」
そう言いだした件については、お母さんもそう思う。
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noteにサポート下さる皆様、本当にありがとうございます。皆さまのご厚意がウチの車の一部、ホイールとかタイヤになりました。御礼が遅くなって本当にすみません。
ウチは疾患児がいるのに車が無かったという話を書きました。
娘の好きな車の話。|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/ne3703a…
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どうも音楽全般にとても興味があるらしい娘②(2歳11ヶ月)がテレビとブルーレイのリモコンを2個持ちしてふすまやドアを叩く行動が実はドラムの真似事で、それだとリモコンの命が風前の灯火だと思って買い与えた本物のドラムスティックは勿論娘②の武器になり、今のところ家族全員斬られてます。
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うちは息子と娘②の間に9学年歳の差があり、小さな子供の信じるファンタジーの世界観から既に抜け出しているひとと、今まさにその中に暮らすひとが同居しているけれど、娘②の世界からサンタの存在を守るため息子は中学生以降もサンタからのプレゼントを貰うらしい。
「俺だけ無いと不審に思われる」
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対してその娘②と6歳年の離れた娘①は
「サンタはいると思う」
とは言うけれどそのあたりは微妙で、サンタに依頼するプレゼントが少し高額だと「高すぎる?」と私に聞くあたりは何か知っているし幼児番組のパペット的キャラがいつも切り株や謎の箱の上にいる理由は分かっていて娘②に絶対教えない。
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コノビーの記事が公開になりました。
この季節になると、特に疾患児界隈では
「あ、お母さん風邪ひかさないでね」
という無理難題が医師の口から飛び出しますが無理ですという話です。無理。
家族のピンチに母は戦う!きなさい、冬場の感染症諸君…! conobie.jp/article/17793 #コノビー #育児
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娘②の次回の処置入院が年末にずれ込み、最終ゴールである手術はいつですかと聞いたら
「春迄には」
当初の1月オペ予定を完全に覆す予定を宣言されたので3年前の術後の付き添い入院中に病院から走った娘①の卒園式に続き息子の卒業式も付き添い入院中の病院から走る可能性が出てきました、走れメロス
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息子に卒業式はお母さんが遅刻で登場かお父さんのみの出席になるかもしれないよと伝えたら
「俺の渾身の呼びかけ(※みんなで頑張った運動会的なアレ)を聞かないのは人生の損失」
と言うので何を言うつもりなのか不穏でしかないし行かなくてはならない気がするしオペはせめて2月にしてください。
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寒い日に目についた自販機で缶コーヒーを買って両掌に暖を取りながら味わう冬の楽しみは小さな子の親になると人生から暫く姿を消すけれど、先日かなり久しぶりに夫と子供と私の組み合わせで出掛けた時それを手に取れた時は少し嬉しかった。
130円の缶コーヒーはとりたてておいしくないけどおいしい。
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障害や疾患のある子が産まれた時、夫婦がケアする人間とサブの人間に分かれケア側が
「この生活すべてを食いつぶす程の労力を要す脆い命を守る責任から貴方だけが逃げるなんて絶対許さない」
その気持ちだけで夫婦をやる時が一度は来るというか少なくともうちは娘②が2歳位迄そんな感じで苦しかった
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その心臓疾患児が来月には3歳になるこの現実。思えば妊娠中の3年前のこの季節、新生児科の先生に
「3度の手術をクリアする事が大人になる為の条件です。勿論最後の手術にたどり着けない場合もあります」
とか言われたのに最終の手術の前でも元気な本人は今、2段ベッドによじ登ってバナナを食べてる
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娘②の最近の外界の認識と現実の齟齬が少し可愛くて
「ラムネノオミセ!」これはいつもラムネをくれるクリーニング屋さんの事で
「シールヤサン!」これは娘②におまけのシールをくれる調剤薬局の事で
「センセイノオウチ!」これは娘②のかかりつけの大学病院の事でこれだけあながち間違いじゃない
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買い物に帯同すると帰宅を断固拒否、床に張り付き携帯用酸素ボンベの時間制限一杯まで店内を徘徊する娘②との外出が最早苦痛で買い物をおざなりにしていた一方、小6の息子が菓子類のストックを密かに全て食い尽くし今日のおやつが急遽夕飯用のサツマイモご飯になった際の息子のコメント
「戦時中」
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毎回子どもが3歳になる頃に絶対思ってきた事で、今3番目の娘②が2歳11ヶ月。3歳の発育と発達に最後の猛追をかけているので本当に心からそう思って娘②に
「ねえ、そんな急がなくていいからもう少し赤ちゃんでいたら?」
と聞いてみたら回答は
「ヤダ!」
さよなら私の赤ちゃん。