きなこ(@3h4m1)さんの人気ツイート(新しい順)

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正義って何のことよとミートローフを食べながら13歳の子が私に聞くもので、それは暴力の対極にあるもののことやと思うと答えながらよそった飯が妙に山盛りになっていて、今日みたいな日はしっかりご飯を食べなさい、そして一体何が正義であるのか考えられる大人になりなさい。
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2日お休みして幼稚園に行ったらその間もの凄い勢いでマリア像の前の花壇の向日葵が咲いていて幼稚園中に蝉の抜け殻が集まっていたんですよね、それでビニール袋いっぱいの抜け殻を見せてくれた子にすごい数だねーって言ったら 「夏やからさ」 夏やからね。
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散々日焼け止めを塗っているのにじわりじわりと日焼けしている4歳が帰り道、まだ入院中のお友達のいる大学病院を見上げて 「みんなは?びょういん?」 退院してわたしだけ病院の外なのは悪いなあとか4歳児は思うのか、あの子もあの子もあの子もみんな、来年は夏のひかりの中を走れ。
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『サラダ記念日』の日だそうです 短歌って世界すべてが31文字に圧縮されているものでそれの解凍が私には酷く難しいのですけど俵さんは私の最初の現代歌人。そしてこれは「サラダ記念日」の収録歌ではないけど娘のNICU時代幾度も唱えた 『生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり』
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大人になった今も「東の空が遠くひかり朝のくるとき」とかいう文章を作る際「太陽は天才バカボンの主題歌の反対に昇って沈む」と思い返すのですけどこの程10歳の娘も太陽の昇沈を「何の歌か知らないけど『西から昇ったお日様が東に沈む』の反対で覚えた」と言い出してあなたの赤塚不二夫はどこから。
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私「質のよい子ども」というすごい日本語を聞いてファッ?となった疾患児の親ですけれど、それをネタに書いたショートショートと雑文です。ところで「びっくりするほどユートピア」って除霊の言葉なんですか、今知りました。 7月の世界、反転せよ。|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/nfa793a…
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スーパーの『ねがいごとを書こう』と短冊の置いてある笹飾りのコーナーに 「おひめさまになりたい」 「おばあちゃんが元気になりますように」 「せいかへいわ」 いくつもの幼い文字のささやかに壮大な願いごとの中にひときわ大きな文字で3枚 「タイガース日本一」 があった、君ら友達やな。
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昔々、まだ私の子どもたちが影も形もなかった学生のころ、深夜のロイヤルホストに自転車でよく行ったけど、そこの暇そうなウェイトレスもチョコレートパフェを食べる男の子も外がとっぷり真っ暗で宇宙のさい果てみたいに見える京都の町もひとつも歯が立たないドイツ語も全部まとめて結構好きだったな。
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アリゾナだってこう暑くないだろうと思いながら信号待ちをしていた今日の昼1時、青になるのと同時に期末考査明けらしい高校生の男の子達が横断歩道を駆けて行くそれが全員制服のシャツのボタンが全開の上、片手にファンタの500ml缶を持っていて、空は抜けるように青いしなんだかすごく夏だった。
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暑さに弱い4歳と昼の日差しを避けてやっと今くらいの時間、夕方の外気と共に金色の夕暮れを踏んで散歩してると昔 「いつ夏が始まっていつ終わったかわからんような生活はもう嫌や」 と言って誰が聞いても「へぇ」と驚くようなええとこのお勤めを辞めて突然鰻屋さんになった先輩を思い出すんですよ。
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かき氷屋さんに娘ふたりを連れて出掛けた土曜日、それが評判通り本気の氷屋さんの軒先に机と丸椅子があって適当に座ってなという店構えで、そこに出てきた氷イチゴがふわふわの夏の初雪で隣の席の男の子が 「オレ毎日かき氷でええわ...」 溜息と共につぶやいて、そこにいる皆フフッて笑った。
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息子に教科書を見せてもらうと掲載されていたのは 列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし シャボンまみれの猫が逃げだす午下がり永遠なんてどこにも無いさ でした。上が寺山修司、下が穂村弘。
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息子が私の本棚を見て 「穂村弘って知ってるわ俺、寺山修司も、この人ら何?友達?」 など言うのでその2人どこで知ったんと聞いたらそれは国語の教科書で、ふうん令和4年の中2の教科書は「抒情の算術家」と「ニューウェーブ短歌の旗手」ふたりを並べて教えてくれるんや、やるなあ義務教育。
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毎日大体同じ時間に毎日大体同じ道を必ず同じ娘と酸素ボンベを自転車にのせて通園していると、ちょっとした顔なじみができるもので、同じ時間に信号待ちをしているヘルプマークの女の子とその子のお母さんかな、その2人が今日は話しかけてくれた。 「あついね、なんさい」 「あついね、よんさい」
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4歳児によると幼稚園という世界線ではいま男女共に 『ピカピカどろだんごをつくるのが一番上手な子が一番かっこよくて人気者』 ということらしい。いいなあ、お母さんもちょっとだけそっちに行きたい。
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そこだけが光るような文章に付箋を貼り、ずっと忘れたくない文言に付箋を貼り、うんと美しい言葉に付箋を貼ってゆくことを読書とする人間なもので、子ども達には 「いつかお母さんがしんだら一番付箋のついてる本をお棺に入れて」 そうお願いしている今、このへんがわたしの一番好きな本。
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人には決して破ってはいけないこの世の則というものがあって、それはあなたの愛する誰かを裏切ること、無辜の子どもの心身を傷付けること、誠実に汗して働く人々を貪ること。 そして雪見だいふくのふたつのうちひとつを相手の許可なく食べることです。
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4歳と、同じ手術を受けた子にあいに行く。 きょう初めて会った4歳の手を取って階段を駆け上がって飛び跳ねてここから遠い海のさらに向こうにだって翔けて行ってしまいそう。長い手術を越えてきたのだよねえ、さみしいICUの中たった1人で頑張ったのだよねえ、うちの子だけじゃ、ないのだよねえ。
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昨日の話ですけれど44歳になっちゃったんですよ44歳だなんて当たり前だけど初めてなりました。四捨五入したら40歳の最後の年、30歳年下の息子と精神性が変わらない気がするし、しかし掌のカサカサする44歳。宝石も香水も今特にいらない44歳は正岡豊の歌集とニカラグアの珈琲豆と靴下を買いました。
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2学期、4歳は幼稚園に週5で登園するという体力不足の心疾患児にはかなりの荒業を貫いて昼間は私が家に1人でいるものでクロネコさんと佐川さんから 「あの…いつもいてた女の子、どうしてます?」 というお問い合わせが相次いでいますが親の手に負えないくらい元気です。
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「ママのすきなものってなに?」と聞かれたもので好きなものを並べてみると 春雷、彗星、満月、冥王星、プラネタリウム、プラタナス、観覧車、天井桟敷、夏の夕立、冬の初霜、秋の夕闇、春の曇天、4歳のあの子の癖毛、10歳の貴方の小指の形、13歳の君の肩甲骨。 それから不細工な猫と黒い犬。
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院内ただひとりの小児心臓外科医が退職しそして誰もいなくなって治療環境が大きく変わり秋に決まった入院も前途多難というか、面倒なことが多くて私は辛い。それと小児外来で先生のいた6番目の診察室をじっと見つめて「Kセンセイはどこに行ったの?」と聞く4歳児。K先生はきっとどこかで元気だよ。
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穂村弘さんと言って、現代短歌を代表する歌人のおひとりなのですけれど、そのひとの最初の歌集『シンジケート』の新装版をずっと欲しいなあと思ってエイって買ったんですよね、それでカバーイラストのなんて素敵なことよと思っで見たらそれはヒグチユウコさんでそりゃあ素敵よね穂村弘とヒグチユウコ。
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駅前、大学生っぽい女の子が「今更見た目が好みじゃないし別れたいって何なん、やばない」という話をしながらあと2人、計3人がこの雨の中チョコモナカジャンボをばりぼり食べていて、雨の雫かなという程度にその子が頬がほんの少し濡れていて、そいつは増水している淀川に流そうぜと思った次第です。
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10歳が明日学校で『環境問題』について発表するのだけれどスライドがまだできていないのと言うもので、じゃあママが何か手伝ってあげようかと言いかけた私に 「Googleスライドでつくるねやけどね」 頬杖ついてそう言ってきて、その時の私の頭にあったものはオーバヘッドプロジェクタ、OHPでした。