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今朝8時すぎNHKをつけたら、息子が
「平和記念公園、広島の日や」
と言ってテレビの前で姿勢を正した。
去年の秋、娘②の入院と日程が完全に重なった事、感染の危険が否めない事、他の自治体では修学旅行を中止した所も沢山あった事、直前まで悩んで行かせた修学旅行の広島、ちゃんと意味があった
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それが漫画だろうが児童書だろうが、子ども達から『好きな作家がいる』と聞くと、財布の中身も考えずについ買って来て、そして存分に読んで応援しなさいと言う。好きな作家の本は生きているうちに、書いてくれるうちに買え、年を重ねることに喜びはないと言う年齢にならないうちに、いやまじで。
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9年前の今朝、娘①が生まれその穏やかな表情、控えめな泣き声、すべてが3つ上の息子と違っていてああ女の子ってこんな優しく柔らかなのかと感動した33歳の私、次の第3子は凄いよ、その子がたおやかで可愛らしいのはその子の持って生まれた才能です。
我が家の癒し娘①、9歳のお誕生日おめでとう。
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リビングの壁掛け時計の電池が切れて時間が6時半で止まっていて、息子がこいつ何してくれとんねんアホと言いながら慌てている傍らで今、3歳の妹が
「とけいさん、おなかへっちゃったのネー」
などいうので
「そんなん言われたら世界の何もかもを俺は怒れない!」
とりあえず怒りは収まったらしい。
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熱も高いし色々と数値は安定していないものの、医療事故予防の為に手首に巻かれている抑制のマジックテープを自力で剥ぎ取り口元の人工呼吸器の管を
(コレイヤナノ!)
そんな表情で引っ張るのを慌てて止めた。私の女王娘②少し本気出す。もう少しの辛抱だから呼吸器とCVの自己抜去だけはやめてね。
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ただこの件について執刀医は
「僕の意見としては、せん妄かと思うんですが、勿論断言はできません、でも食べられるようになって、この環境を出たら大分違いますよ」
そう言うし主治医2人は
「絶対俺の事わかってる」
と断言するのでリハビリを頑張ります。入園は遅れると思うけど
生きてるし。
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子どもが将来なりたいものは何処から来るんだろう。絵本で見た何か、身近な尊敬する人の仕事、大好きな誰かの模倣。
大学病院が第二の自宅、心疾患児の3歳に『幼稚園の七夕の短冊に書く将来の夢は何』と聞いたら
「ショーニノカンゴシサン」
そう言った。小児病棟の看護師、大好きな誰かの模倣。
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中1息子、遠隔授業の環境が整備された事で選択的休校を決定するも、自宅で学校の授業を受ける為には何より3歳の妹の
「ニィニ、アソボー!」
を回避する為に全力を注ぐ必要があると気が付き
「これが在宅勤務の親の気持ち」
12歳にして世の幼児持ちで在宅勤務中のパパママと心を鋭意同期中。
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術後、在宅酸素の他に再び経管栄養児になった娘②は、絶賛摂食リハビリ中。
今日は突然ヨーグルトを完食。
娘②のように疾患と闘う医療的ケア児が世に出た時、次に直接世の中と闘わないといけない、そんな事にならないよう、彼等が安心して暮らせる世界を大人である私達が希求したいと思います。 twitter.com/medcare_kids/s…
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お隣のベッドの赤ちゃんが泣くのをママがとても気にして謝ってくださるのだけどウチの4歳なんて昔は恐ろしい程泣く乳児で主治医が心底呆れた顔で
「トリクロ入れて」
と睡眠薬を処方されるも全く眠らず夜中病棟の廊下をずっと徘徊してたんですよ辛かったですよわかりますよいいんですよ泣いても!
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私には病気の子どもがあるものでTLには同じように病気のあるお子さんの親御さんの言葉がたくさん流れてゆくわけですが、中には「今朝亡くなりました」というものもあるもので、そんな時ここは白い花をささげるための献花台にもなるのです。
さようなら、みずからの体を最後まで戦い抜いた勇敢な子。
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小児病棟入院は嬉しい事ではないけど、楽なのは子ども達が全員何かの病気なのでカニュラをして歩けない娘②も、お顔が浮腫んでいるお友達も、体に麻痺があるお友達も、体の何かが無いお友達も
細かい事は分からないけどそういうモノ
そんな空気の中誰も何も聞かない事。ただ、今その子がそう在る様に
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いよいよ罹患者の出だしたマイ故郷の看護師・姉に
「心配だ大丈夫か姉」
とLINEしたら
「私は娘②の最後の手術が終わってこの家に娘②を迎え入れるその日までは院内の最後の一人になっても死なない」
甥姪を溺愛し死後は財産を全てウチの3人に残すと今から遺言する姉らしい答えが帰ってきて強い。
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障害のある人が公共交通機関を使う時にどう対応するべきか、その出来事の見え方はその人の経験の有無で情報の解像度がきっと全く違う。電動車いすがどんな物か、小児用の車いすがどんな構造か、介助者としてでも一度見る価値はあると思う。経験して初めて見える景色があって、それには結構愕然とする。
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鬼気迫る勢いでごはんを食べる娘②、経管栄養を早々に離脱。
誤嚥防止の為とは言え、寝ながらごはんを食べて周りから超絶褒められるボーナスステージ。
病棟は共感が先にあって憐憫の無い、面白い世界だと思う。
笑わない(Unexpected survivors8)|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n700cc9…
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病院によって規則は違うのだろうけど、娘②のいるPICUでは親が付き添える時間帯を見た上で、看護師の監督補助の元、お手伝いのような形で親も患児の洗髪や足浴が出来る。長期入院中でも親子関係が良好に保たれるように考慮されているのだと思う。看護師チームの本気を感じる。頼れる専門職の人々。
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退院した娘②は今一番リハビリを頑張らないといけない時期だからと、私も含めた訪問PTも主治医も夫も兄も姉も皆で
「リハビリ頑張って」
「頑張ろう
「頑張らないと」
そう言いすぎて『リハビリ』と聞くと
「バブー」
赤ちゃん定型文を呟き遠くを見るようになった。悪かったよ、けどバブーてもう。
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雨の予報の筈が梅雨の晴れ間のような晴天の今日、生まれて初めて青空の下に出た白いおくるみの新生児とその子を抱く若いお母さん、その傍らに「眩しいでこれは」とハンドタオルで赤ちゃんの上に小さな日よけを作る若いお父さん。
そういう幸福を大学病院の正面玄関で見ました。
退院おめでとう。
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どんなに提出期限を守って色々な申し込みをもたせても半分は紛失して間に合わない息子が今回は
「部活の試合用のゼッケン」
を買えず、致し方なくインクジェット用の布を買ってフォントを調整しつつ偽造したらこれがまた完璧な仕上がりで、おかあさんスパイとしてエージェントを探そうと思うねん。
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今朝も息子(小6)が何かタブレットで遊んでいるなあと思っていたら
「おかーさん!視力検査のあのフチがくっついてない黒マルって『ランドルト環』ていうねんで!」
そう叫んで学校へ駆けて行き
母の無駄知識は増え
そして上靴と体操服と給食袋の入った手提げが丸ごと玄関に残された。
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娘②がお腹を壊したので、大学病院の主治医先生の開業したクリニックに初めて行ったんですが受付で
(こんな知らない病院..帰る...)
珍しく気弱に泣き出した娘②が、診察室で先生の姿を認めるや否や
(なんだ!先生なの?ウフフ)
秒で様相を変えたその表情が恋だった。
そんなに好きか先生が。
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娘②が退院したら書類と衣類の密林と化している6畳の部屋を整理しようと張り切って注文したIKEAの組み立て家具が届いたのでまず段ボールを開けて中身を出し、空箱に入って来る3歳の娘をどけて、工具を持って来てから空箱に入って来る娘をどけて、それから説明書を読む前に娘をどけ…以下繰り返し。
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病院から一旦家に戻る時
「ダウンコートは持って帰ろうか、退院の時はきっと春だから」
そんな風に自分で自分に呟いた言葉に心を軽く剥離骨折しましたが、娘②、予定通り入院しました、手術は週明け。
久しぶりの長い不在です。