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1年近く髪を放置したら人生最高のロングとなりこれは無為にカットするよりヘアドネーションしようと思った瞬間
この髪はいずれ、AYA世代の娘さんの髪になるのかも
そんな天啓が舞い降りて四十路の私の髪は今『お嬢の御髪』と呼ばれ、人生で初めてええヘアブラシとええヘアパックを買いましたの。
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雨のせいか寝過ごした息子が朝食を喰む時間も惜しい。そうだ、今こそあの伝説のアイテム・食パンをくわえて学校へ走る千載一遇の契機とか言い出したんですが、生憎朝ごはんはおむすびで
傘
おむすび
カーキ色のハーフパンツ
坊主に近い短髪
4アイテムを揃えたら痩せた山下清画伯になった。
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普段コーヒー豆を買いに行く喫茶店のような食堂のような店があって今日も豆を買おうかなと思って出かけたら店が
『暑くてくさくさするしええクッキーも焼かれへんかったので俺は休む(大意)』
そんなことで臨時休業で、仕事とは人生とはかくありたいと思った向日葵のうつくしい夏の午後のことです。
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近所のスーパー位しか行かない暮らしの癖にキャンプ用品が大好きで何処をキャンプ地にする気なのかと思っていたら思いがけず病児を産んで折り畳みデスクもキャンパーマグもブランケットも病棟に活躍の場所を見つけられたし年内もう一度カテ入院なのでまだまだ活躍するし付き添い入院はキャンプ(真顔
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13歳の頃私には「この物語の言葉はずっと昔のものだけれど今日の自分に向って書かれたものだ」と思う本がいくつもあって、それは30年を経た今でも全然変わらないしそれで息子にも「本棚の本、読んでいいよ」と言っているのであって、それはカバーのすり切れた古本であるけれど私の血肉であるのです。
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小さな子どもって朝のまだ誰も起きてこない静寂に、すうすう柔らかな寝息を立てて眠っていて、アレなにか握り締めているなあ、小さいぬいぐるみかなあ、可愛いなあと思って近づくと
『リカちゃん人形の脚』
だけ握っていたりして時折猟奇的ですよね、本体はどうした。
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検査と処置の入院。お昼を食べ病棟中を徘徊しおやつも頂いてまた病棟をぐるりと徘徊しプレイルームの玩具を検分し
「クラクナッタネェ」
「ソロソロカエラナクッチャネェ」
という事で本人は処置も検査もしないでもう帰るそうなんですがそれ100回位説明した筈だしそうはいかないんですわ娘②さん。
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10歳に「整形外科でレントゲン」案件が出てならいっそ大学病院の整形に行くかということになりそこが普段のかかりつけである4歳が
「ばんごうよばれたらいくの」
「ないたらあかんよ」
「がんばったらアイスね」
得意そうに姉に説明するのを笑っちゃ悪いし己の尻をつねりながら聞いている次第です。
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大晦日の夕方みりんを切らして買いに出かけたスーパーで5歳と3歳くらいか、お揃いのマスクのそっくりな顔の兄弟が盛大にパパの背後で喧嘩をしていて
「ほらケンカしないよ、明日お正月なんやから」
という妙な仲裁をした私はすっかり関西のおばちゃんで明日は、例えそれがどんな時代でも新年だ。
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去年の今日は4歳が心臓の手術をしていた日でした。13時間の長丁場になったあの日から1年を経過し、あの時のこと覚えてる?と聞きましたら
「あたしのことおいていった!」
オペ室に置き去りにした事を今更怒られました。
去年の、今日のわたしへ|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n5d1ad1…
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冬の日差し柔らかな午後、2歳位の女の子とパパとでっかいハスキー、2人と1匹のお散歩を見たんです。ハスキーがひたすら女の子の周囲を蛇行して
「お嬢そっちはダメです危ないんで、お嬢、お嬢、お嬢ー!」
って感じに纏わりついてしまいにはお嬢に「メッ!」しばかれていて可愛いやら切ないやら。
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娘の2度目の手術前、術前最後の心エコーをするために出向いた診察室で主治医、執刀医、担当医数人にあと研修医たくさん、とにかくみっちり医者の詰め込まれた空間に私ひとりが市井の主婦で
「お客様の中に専業主婦はいませんかって言われたら私ひとりか」
と思った事があって、疲れてたんやな私。
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朝、幼稚園への通りの端にピンクの靴下が片方ぽつんと落ちていた、多分ベビーカーの上でもぞもぞしているうちに、もしくは抱っこ紐の足を振り回してうちに脱げて落ちたのだろうそれ。
赤ちゃんとは偉大だ、抜け殻すら可愛い。シンデレラを遥かに凌駕する。あと乳児の靴下と靴は異様に脱げやすい。
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娘②を育てていると毎日
「投げるな」
「触るな」
「登るな」
「ちょっと待って!」
を四六時中叫び続けていてそれを定期の循環器外来で主治医に「娘②ちゃんどう?」と聞かれたら毎回訴えるも
「そんだけ動けるなら苦しくないんやろうなあ」
嬉しそうにするしそうじゃなくてもう鎮静して先生。
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その心臓疾患児が来月には3歳になるこの現実。思えば妊娠中の3年前のこの季節、新生児科の先生に
「3度の手術をクリアする事が大人になる為の条件です。勿論最後の手術にたどり着けない場合もあります」
とか言われたのに最終の手術の前でも元気な本人は今、2段ベッドによじ登ってバナナを食べてる
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コロナ感染拡大の為に娘②の次の手術が更に遠のく予感しかせず、ついアイツ(コロナ)これ以上調子乗るんやったら南港で泳がすか琵琶湖に沈めるか大和川に流すぞとか考えてしまうので美しい俳優さんの恋とか結婚とか、よそのお子さんの誕生日とか、猫のへそ天とかそういう物で私の脳内を全部埋めたい。
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長い入院中、辛い治療中は、それが普段はどんな朗らかで聞き分けのよい子でも泣いたり暴れたり塞ぎ込んだりするもので、そんな時にこんな太陽の色をしたワンちゃんが「ごきげんいかが」と尻尾をフリフリ病室に遊びに来てくれたなら、どんなに慰められることでしょうと思うのですよ。 twitter.com/sokidsjp/statu…
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幼稚園がこれよりマラソン週間であるためウチの3歳に
「娘ちゃんはみんなが走っている横を歩いて応援しよな」
と伝えたら
「うちみんなとはしれるよ?」
自分も幼稚園のお友達と同じことをするのやと言って承服しないので心臓の事を説明はしたものの「ハァ?なんで?」てずっとそんな顔。
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いま昨日の『魔女の宅急便』の録画を見ているのですけど、丁度いまごろのみどり輝く季節に13歳の娘の旅立ちの衣装を整えながら
「大切なのは心よ」
「そしていつも笑顔を忘れずに」
真っ直ぐに娘にそう伝えるキキのお母さんの気持ちを考えると10歳と4歳の娘のいる私は空の青さが少し霞むのですが。
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4歳と、同じ手術を受けた子にあいに行く。
きょう初めて会った4歳の手を取って階段を駆け上がって飛び跳ねてここから遠い海のさらに向こうにだって翔けて行ってしまいそう。長い手術を越えてきたのだよねえ、さみしいICUの中たった1人で頑張ったのだよねえ、うちの子だけじゃ、ないのだよねえ。
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娘①と息子に『あつまれどうぶつの森』のパッケージ版を買うことを確約したのでずっと自分の島の名前を考えている息子の『オレの島』の名前候補が
『よ島(与党)』
『や島(野党)』
『ランゲルハンス島』
なんか全部、島じゃない。
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娘②の最近の外界の認識と現実の齟齬が少し可愛くて
「ラムネノオミセ!」これはいつもラムネをくれるクリーニング屋さんの事で
「シールヤサン!」これは娘②におまけのシールをくれる調剤薬局の事で
「センセイノオウチ!」これは娘②のかかりつけの大学病院の事でこれだけあながち間違いじゃない
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娘②ちゃんが「マホウ、ツカイタイ」とか可愛い事を言うからお母さん100均で音と光の可愛いピンクの魔法のステッキを買って来て渡したのにどうしてそれでお兄ちゃんとお姉ちゃんを叩くのパパを踏むのもやめなさい。何で物理攻撃なの魔法はどこに行ったの。
(注釈:ノー昼寝のため超絶機嫌が悪い)
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「お友達のご葬儀は遠いとこやから5歳を連れて行けそうにないねん」
と話をしたら5歳が『幼稚園と教会でもらったいろいろ』を並べて祭壇のようなものを設えてくれました。夏至の、一年で一番明るい夕暮れ、我が家は西から、みんなの大切なお友達を見送ろうと思います。
#おもちくんまたね