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実家の姉と電話中、自分も電話をしたい人間4歳と姉に構ってほしい実家の黒柴13歳が
「かわってってばッ!」
「バフッ!(要求のある時の小声)」
そういって煩いもので4歳と13歳(犬)の耳元にスマホをあてたら犬はニンゲンの姪の声に嬉しそうに尻尾をふっていたとか。こんにちは犬、こんにちは人間
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定期外来、普段あるはずの採血の表示が無くて
「なんか今日採血ないみたいね」
と娘に言ったら当然娘はニコニコで主治医の診察を待っていたのにそれはただのオーダー遅れで処置室からナースが娘を採血の為に迎えに来た時の
「ダマシタナ」
の顔と機嫌を直してもらうのに今日は結構かかりました。
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月曜日の朝、私が週明けの荷物と提出物と昨晩の半沢直樹のせいで起きない小学生2人に翻弄されている間に、2歳の娘②は「テレビツケテ」「ジュース」「クツシタハク」と逐一母を呼びつけて世話をしろと主張しすべてを完遂して後、更に
「サミシイカラナントカシテッ!」
そんなこと言われましても。
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「俺17歳の誕生日やのになんでおまえらとカラオケやねん」と言って互いに小突きあいながらビッグエコーに吸い込まれていったあの子たちは梅雨の夕暮れのこの日が意外に一生の思い出になったりすることを知らないままの感じがまたいいと私は思います。
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娘②が3個あったら3個食う事で有名な三連プリンの最後の1つを手に取りながら
「コレハ、ニィニノダカラ、ガマンガマン!」
そう言いながら、ぺりぺりと蓋を数ミリずつ開けて行っていて、私は今人間が理性と欲望という決して調和しない感情の中で戦っている様をつぶさに眺めています(食うな
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源氏物語、歳経てから読むと
「まだ幼い娘を本妻の元に連れて行かれたの明石の上」
「母親が行方不明で使用人と見も知らない田舎に行く玉鬘」
「突然知らない男に拐われて育てられる少女紫の上」
平安絵巻に親としての感覚が払拭できず
「児相..弁護士..相談..モキーッ!」
ってならないですか。
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朝3歳を幼稚園に送った帰り道に高架下の細い道で上品なおばあちゃまとすれ違った時
(おばあさん、こちらの道は暗い上に自転車もきますから、気をつけてもう少しこちらへ!)
ジャーマンシェパードの面持ちでおばあちゃまをお守りする茶色のトイプードル殿にお会いした
犬は、かしこいいきもの。
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「小児病棟のいったいどこから中秋の名月っていうのは見えるのやろか」
あっちか、いや建物が邪魔して見えやんてって、点滴台をがらごろさせながら皆んなで探してやっと向こうの窓、ブラインドの隙間に見つけた白く光る月のことを、4歳もお友達もずっと覚えていられるといいね。
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節分の煎り大豆をいつも余らせてしまうので今年は私の好きなピスタチオを撒きましょう、殻付きやから落ちても大丈夫やし美味しいしと思ってそれを用意して「お母さん賢ない?」とにこにことうちの一番上の13歳の子に見せたら
「ピスタチオって木の実やろ、豆と違うやろ」
と言われて私は
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今日も色々な状況で色々な事情のお産に臨むお母さんが居る事でしょう。胎児の疾患、母体の健康上の心配、望んだ形で挑めないお産になった人。
それでもどうぞ無事に良いお産を。個人的にお送りするとオマエ誰やねんになるので盛大に不特定多数にあてた長文にしました。で、オマエは誰やねん。
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この週末ギリギリ3歳と兄姉で晴れ着の記念写真を撮るので「今度お写真撮るのよ」と伝えたら
「どこで?いっかいで?」
と嫌そうにした『1階』というのが大学病院の1階、レントゲンCTMRIなんでも揃う放射線科の事だろうと、そんなRTさん達と3歳でお写真とかお母さん、ちょっとやりたいわ(やりません
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そう言えばこの前、大学病院の小児外来でバギーにのったお姉ちゃまと4歳がちょっと目があうたびに「えへへ」と微笑み合って凄く嬉しそうにしていて、思えば4歳の周囲には言葉を発することの難しい子も多いのだけど、その子達と4歳は言葉を介さずに会話をする。
言葉がすべてではないのだよね。
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「今日雨やからプールなんかないって」と思っていた上の子の体育の授業はまさかの水泳でプールの中に温かな雨の落ちる中、25mのレーンの中を若い魚みたいにざぶざぶ泳いだクラスの全員は「雨やで?」とゲラゲラ笑い大変にやばい授業であったと聞いていやべつにお母さん羨ましくはないねんけどな。
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「ねえ卒業式って着る物の決まりってある?先生何か言ってた?」
「ふつうの服でいいって言ってた。俺はいつもの服がいい」
「普通って何?いつものって息子が毎日無印・ユニクロ・GAPのローテで来てるトレーナーの事?」
「ウン」
という会話を今、しました。それは多分違うと思う。
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3歳の「秋の遠足」を上のふたりと同じ親子遠足やろ、ママが行くしと思っていたらすっかり時代は変わっていてそれは園児と先生だけの親ナシ遠足で、医ケア児やし怪我は禁忌事項やし色々大丈夫なんかと思って心配していますが本人はもう既にリュックを背負っています。
遠足は明日ですらないです。
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そして奇跡は起き、提出日当日の朝採尿できた事をお知らせします。無理なら訪問看護さんに導尿してもらう気でいたのに、人間やればできる。
尿でこんなに喜んだのはついこの前の心オペ後、心不全腎不全肝不全トリプルコンポの中
「今日はいい尿出てます!」
そう言われた術後3日目以来です。
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人間の看護師の姉の本気の看護技術を駆使し保険の効かない犬に湯水のごとく医療費を使い大往生と呼ばれる年まで老犬介護をしていた実家家族の様子を見てきたので、相手の人となりを全然良く知らなくても
「26歳の老猫と暮らしています」
などと聞くと、直ぐにさては貴方いいヤツだなと思う性。
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11歳の娘は今が食べ盛りの育ち盛りで特にお菓子のタルトとかクッキーとかのサクサクしたのに目がなくて、だからタブレットで色々を検索してなにかのサイトを開いた時に時折『すべてのCookieをうけいれますか』という質問が出てくるとウキウキしてしまうそう。お母さんはそんなあなたが大好きです。
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大人になった今も「東の空が遠くひかり朝のくるとき」とかいう文章を作る際「太陽は天才バカボンの主題歌の反対に昇って沈む」と思い返すのですけどこの程10歳の娘も太陽の昇沈を「何の歌か知らないけど『西から昇ったお日様が東に沈む』の反対で覚えた」と言い出してあなたの赤塚不二夫はどこから。
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「俺は合理的な人間やからな」
そう言って風呂上がりに明日登校する時に着用する学校の体操服の上下を着て現れた息子の目の前に出された夕飯が
『鶏肉のカレートマト煮』
だった今日、息子の合理性が試されているし、それ以前にそういうのやめてくれないかな。
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『なればこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのごとく、絶え間なく過去へと押し戻されながらも』
フィッツジェラルドの墓碑に刻まれている一文。暗い谷も高い山も越えた筈のお友達が突然天国に旅立った時にいつも思い出す言葉。
あの子はあんなに頑張ったのだから。
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3歳の『先生』序列の中でこの程、主治医①主治医②執刀医という一時は病棟、ICUで3歳の命を不眠不休で守って来た方々を押しのけて
「Sセンセイがいちばんすき」
幼稚園の担任の先生が一番好きということになり、最近は幼稚園に母がお迎えにいくと知らんぷり。主治医先生達、多分よろこぶ。
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予定の入院はいい、慣れました。入院前の診察をパスして病棟に上がってそれから主治医がICして次の日処置、それはいいんです。ただ事前の準備が面倒過ぎだし残される家族の食事とか兄妹喧嘩とかさっきからカバンに入ってどかない娘②とか、もう検査というか病院が、主治医が、処置がウチに来い。