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首の痛みに耐えかねて受診した整形外科でレントゲンを撮り、そこに帯同した娘②が私の傍らでひたすら
「コッミテヨ!」
「ジョージュダッタネエ」
「エラカッタネエ」
「アトデジューシュカイニイコーネ!」
私が娘②のレントゲン撮影に際して使う台詞すべてを完コピで叫んでRTさんに笑われました。
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確かにお母さんは娘②ちゃんに「いつも元気にお返事しようね」とは教えたけど薬局で
「湿疹ですか~?」
「そうなn…」
「アイッ!」
「それでこちら抗生剤が…」
「アイッ!」
「1日2回程度…」
「アーイッ!」
薬剤師さんの説明に全部返事かぶせてこなくていいし用法用量一切聞き取れないし。
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大学病院の病棟にいた頃、PICUが全床循環器疾患の子で埋まろうがカテ室で患児の心臓が止まろうが現場の最前線に立ちつづけていたタフと書いて『4歳の外来担当主治医』はご自身のクリニックを持ってこの第七波
「忙しすぎて倒れた」
らしく額に大きな擦過傷。みんなこんなに頑張っているのに。
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娘②6時に爽やかに起きて朝ごはんをまずパン(半分)兄が起きてきたら一緒にまたパン(半分)そしてパパからお味噌汁の豆腐を全部奪い姉からスープのクルトンを奪いそれが終わったら勝手にベランダのたらいに水をせっせと汲んでそこに尻をつけ、お母さん朝から5回位精神が死んだし凄いオーバーキル。
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我が家にネトフリが参入して1年、スマホで映画を見る環境を手に入れた不惑は今、松田龍平や安藤サクラや柄本兄弟の親御さんに「よい役者を世界にありがとう」と感謝し、尾野真千子と松岡茉優に恋をして、宮崎あおいの表情筋に慄いて、綾野剛がお尻を出しすぎじゃないかと、それを心配しています。
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うちの娘達、姉の方は6年間末っ子だった期間があって、妹の方は上の兄姉と年が離れているので一人っ子みたいな育ち方で妹の自覚がぜんぜんなくて姉が帰宅すると
「きょうはなにしたの?」
「だれとあそぶの?」
「しゅくだしなさいよ」
質問攻めにするしたまに叱るし絶対10歳のことを妹だと思ってる
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対してその娘②と6歳年の離れた娘①は
「サンタはいると思う」
とは言うけれどそのあたりは微妙で、サンタに依頼するプレゼントが少し高額だと「高すぎる?」と私に聞くあたりは何か知っているし幼児番組のパペット的キャラがいつも切り株や謎の箱の上にいる理由は分かっていて娘②に絶対教えない。
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そして相変わらず張り切って母に付き添ってくれる心疾患児すなわち娘である4歳先輩は、勝手知ったる心電図とレントゲンと聞いて
「うごいちゃだめよ、いたくないから」
そう言って私が怖くないように次はぬいぐるみなどを持参するのが良いと勧めてくれましていつもそうしてるものね、ありがとうね。
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大阪の長居公園の中の自然史博物館には駅を降り公園に入って1㎞ほど、この炎天下に心臓疾患児の4歳はそう歩けないし上の子に酸素ボンベをもたせて私が17㎏を背負った訳ですが木陰のベンチの大阪のじいちゃんばあちゃんらに
「おかあちゃん、がんばりー!」
という声援をいただきました、まかせろ。
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お陰様で直前に迫ったコイル塞栓という、鼠径部からいれたカテーテルで肺の細かい血管にチタンだか何かを詰めるという聞くだけで肺の痛みそうな処置に挑むこの娘②にあまりナイーブにならずに済むと言うか、多分勝つやろ、そして年明けの手術も勝ち抜いて生き残るやろという感想しかない、強い(気が)
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お母さんらはどうして、飴に「ちゃん」をつけて、お揚げに「さん」をつけて、お豆に「さん」をつけて呼ぶんやろなというお兄ちゃん達の会話に5歳さんが
「からあげ君!」「なっちゃん!」「がりがり君!」
己の知り得るそれっぽい言葉で参戦してきたけど大体違う。
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昨日発熱の4歳、平熱ではあるものの活気なくお腹も壊してずっとソファで寝たまま。
なのにお昼は絶対食べるらしく介助付きの側臥位で上手にうどんを食す。それで思いついてつい
「寝ながらうどんを食べた人は生きていけるわ」
などと言ってみたけど「はぁ?」という顔。
はやくよくなれ。
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間近に迫った子の付き添い入院生活の助っ人として大好きなおばあちゃん(弊母)が北陸から厳重警戒の中にやって来て嬉しくて張り切る4歳が
「ばぁばがいる間あたしがたくさんお手伝いしてあげる」
ずうっとついて回る君こそが今週、予定の処置入院なのだよって説明は5回くらいしたのだけど。
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寒い日に目についた自販機で缶コーヒーを買って両掌に暖を取りながら味わう冬の楽しみは小さな子の親になると人生から暫く姿を消すけれど、先日かなり久しぶりに夫と子供と私の組み合わせで出掛けた時それを手に取れた時は少し嬉しかった。
130円の缶コーヒーはとりたてておいしくないけどおいしい。
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30分前、妙に大人しい娘②をよく見たら顔、指、衣類全てが真っ赤で
「圧迫止血救急搬送小児外科SpO2通常85%です」
緊急フローチャートが脳内に3秒で立ち上がってからよく見るとそれは私の和装用の赤い口紅で、ねえそのペニーワイズみたいな口元どうするの、あとその服新品のグラニフのトレーナー
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酸素ボンベや呼吸器、経管栄養や胃ろう、その他の医療機器を携えそれを駆使して生きる子たちは保育園や幼稚園への入園が難しく、受け入れを求めて親子で今度は世間と文字通り戦う事になります。既に生まれてからもう長い間病院で自分の身体を切って繋いで取り替えて、懸命に戦ってきた子ども達です⇨
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ウチの娘②(2歳10ヶ月)。兄と姉がゲームや読書に興じて何時までもご飯を食べに来てくれない時、在宅酸素のホースを引きずりつつスタコラ彼等の部屋に行き
「オシマイdeath!」
ほぼ香川照之の発音でシャウトするのとてもロックで良い。
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今日で4年
亡くなった犠牲者の中でお母様の決断により名前を公表した『美帆さん』はこの事件の夜19歳
この事件の当日には影も形も無かった障害のある私の娘は今2歳7ヶ月
育てる事自体が大変なチャレンジであるお子さんを、成人の前にあんな形で失ったお母様の気持ちを、今またよく考えます。 twitter.com/3h4m1/status/1…
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この数年、私の周囲では脆くて小さな命が静かに消えてしまうことがあまりにも多くて、しかし当たり前だけれど健康な大人の命だって有限なのであって、才能ある、言葉と共に生きている人もそれに殉じるようにしていつか彼岸に渡るのだと、そのことにとても驚いています。
でもね、54歳は早いですよ。
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買い物に帯同すると帰宅を断固拒否、床に張り付き携帯用酸素ボンベの時間制限一杯まで店内を徘徊する娘②との外出が最早苦痛で買い物をおざなりにしていた一方、小6の息子が菓子類のストックを密かに全て食い尽くし今日のおやつが急遽夕飯用のサツマイモご飯になった際の息子のコメント
「戦時中」
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夏休み、オリンピックが開催されかつての夏が帰って来たんじゃないかと思いたくなる今
それでも自宅に低酸素状態の心疾患児がいる以上、あの5月、国内でも数少ない心臓移植可能施設である大学病院のICUがコロナ病床として一時閉じられた事実を忘れる訳にいかなくて、去年並みの少し退屈な夏です。
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娘②、屋外への渇望と外出の希求が激しすぎて近所のスーパーに行くだけで100均の商品を北大路魯山人の目つきで眺めて手に取りゲームコーナーの乗り物に張り付きミスドに勝手に入店して買い物を始めるので大体熾烈な親子喧嘩になり今日
「ママモウヒトリデカエリナサイッ!」
と言われましてええ是非
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娘②の発達検診、長期入院経験のある疾患児で医療的ケア児の娘②の結果はお察しだったけれど、来年は幼稚園に行ける位なのだから、もう普通の子にほぼ近いんじゃないか、いやむしろひとつ位優秀な面があるのではと思ってがっかりしてしまった自分はさもしい。こんなに毎日を楽しそうに生きている子に。