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どんなに手を尽くしても指の隙間から砂が零れ落ちるように亡くなる命があまりに多い現場であるのだろうし、辛い仕事であることよと思うのですけれど、あなたの一言で頑張ってきた人間がいることを忘れないで
「お母さんが一番頑張ったよ」
そう言って術後のICUで抱きしめてくれた主任さんでした。
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スイミングスクールの観覧席にセブンティーンアイスがあるだけでそこに通いたかった子ども時代が私もありまして、17歳を越えた日から食べてはいけないとなぜだか思い込んでいたあれは今、子ども達の一番好きなソーダフロートのみずいろと白い制服と夏空の取り合せがあまりに夏すぎて個人的に夏の季語。
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『困った事があったら相談して』に応えるにはまずそこにある問題を抽出して言葉にする事が必要だし『問題を解決する』事は今の流れを変える為に相当の力を要する事で痛みと共に静かに嵐が過ぎ去るのをただ耐える事しか出来ない日もある。
で今、小麦粘土を畳みの目地に刷り込む3歳が目の前にいる。
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夏休みの宿題
「担任教師に暑中見舞いか残暑見舞いを書く」
を、向田邦子氏の『字のない葉書』方式
「元気な日はマル書いてポストに入れなさい」
で行くのはアリだろうかと考えているのを、担任の先生が気の良い国語担当である点でいけるかいけないかギリギリの線だなと思う7月最後の日。
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大体術後でも補助循環装置とかその手のものに繋がれている子なんて、ちょっとの事でスグ方々から出血して要輸血状態になるし、病棟に移って来ても「ごめん、血液検査しすぎて貧血にしてもうた」そんな理由で輸血する羽目になるし、あの赤色のパウチを何度見た事やら、ありがとうございます、ホント。
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界隈の娘と同じような、もしくは少し違う何かしらの病気のお友達の話をする時娘が
「そのこあるける?」
娘ちゃんとお話しはできるかしら、何をして遊べるかなと、その子の今の状態をつぶさに聞いてくるのはこの子が、自分が皆と違うように、皆も自分とは違う事があるのだと知っているからだと思う。
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24年の大河が吉高由里子さんで『紫式部』とのこと、平安絵巻に合戦はないのだろうけれど紫式部と同時代を生きた清少納言は登場するのだろうし、できればそれぞれに「あんな人のものより自分の書くものの方が各段に良い」など言いあう、創作をする者の業と嫉妬が如実に描かれたドラマが見たいです。
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コノビーの記事が公開されました。今回息子の卒業式に娘②の手術入院が重なりましたが息子は母が出席できるかより
「当日俺が貰う紅白饅頭を妹は食えるのか」
を気にしています。多分まだ無理
卒業式って何着るの?忙しい年度末の特大落とし穴に…ドボン! conobie.jp/article/18708 #コノビー #育児
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五歳の新しい病院はいろんなことが前と違ってまず「入院に際して夜間の付き添いは必要ない」という事実に私は「この人かつてCVCと人工呼吸器の挿管を引き抜こうとして、実際に抹消は何度も引き抜いた前科があるんです」とそう外来の先生に伝えたら先生は静かにそれをカルテに記載してはりました。
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娘と私が入会している病気の子の家族会から今年も手作りの素敵なお誕生日カードが届きましてそこには
『あなたの人生はあなたのもの』
とありました。それは当たり前に思えてこの子達にはとても難しい事なのですよね、病気と障害にあなたが仕える人生ではない、あなたがあなたの人生を生きる事。
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娘②のCT造影、2度目の今日は鎮静の種類と配合を変えサブの主治医が添い寝までしてそれでも眠らず、入院対応や仕方ないねと言われて小児科に戻った瞬間娘②が寝落ち
「でももう間に合わへん」
「間に合わへん事ない!電話する!」
外来ナースのゴリ押しで時間ギリに滑り込みで無事終了です(達成感
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4歳朝から発熱、活気食欲まあまあ、体温38.5℃、バイタル安定、日曜に熱発で救急外来に行くと過酷な発熱外来に回されて大変エライ目に会うので1日待とうとハーゲンダッツなど食べさせていると、上2人が
「死ぬ時は一緒やぞ」
ニセの桃園の誓いと共にスプーン持ってやって来る
アカンよ、解散して。
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「3年で本当に大きくなったねえ」
「下の皆もねえ、会いたがってるよ」
「ウンチデタ」
「ウソ!まじで?」
「そりゃ大変だ、オムツ替えておいで」
手術前の説明中の会話。疾患児生活も3年を過ぎると術前説明は帰省の挨拶だし話しているのは執刀医で下の皆というのは術後お世話になるICUスタッフ。
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うちの娘②は『となりのトトロ』の5月の姉妹の妹、めいちゃんと同じ歳なんですけれど私が仕事をしていると
おてがみでーす
おかあさん、アイスやさんね
ヤクルトのみたい
のべつ幕無しに話しかけてくるもので、めいちゃんのパパはこの状態でよく論文執筆なんかできるなと、スゴイねと、私は無理。
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3歳は酸素ボンベを携帯をしている関係で幼稚園バスには乗らず私が自転車で送迎していて、まあ遠いし雨の日もあるしで大変だけれど、娘を教室まで届けている今が人生史上最も人類にモテている。
スモックが後ろ前の、ぴょこんとした寝ぐせの、膝小僧に泥のついた、そういうのの満遍の笑顔のある毎日。
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「お前油汚れ取るヤツなんか..」
「お前交換できるんか」
「お前だったのか糸屑を取ってくれていたのは..」
外出自粛GWに暇を持て余した夫が換気扇の掃除やフィルター交換や洗濯機手入れとかを横目で見つつそれ何これどうやんのと手伝い始めごんぎつねの兵十みたいな事を言い出す
#おうちで新美南吉
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「4さいちゃん、さいけつがんばった?」
「れんとげんもがんばった?」
「しゅじゅつは?がんばった?」
「せんたくものたたんであげる!」
これは「ウチの今年の八面六臂の奮闘の日々にサンタが来ない訳ないやろな」という今日の4歳の言葉であって、何ならサンタが今から来いやの圧がすごい。
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酸素ボンベと点滴台に24時間繋がれている入院中の4歳児が病棟をお散歩中に突然
「おにごっこしよか、ママがオニね!」
そう言ったのでとりあえず丁重にお断りしました。
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医療的ケア児娘②の幼稚園入園、幼稚園側は可能な限り受け入れたいが看護師が手配できていないという現状でもしこのまま4月入園を敢行した場合、母子同伴通園になるという痛み分け膠着状態である事を評した主治医の一言が
「そんなん幼稚園の意味ないやないか」
ですね、神様なんとかしてくれさい。
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所謂『推し』が持っている物、着ている服、それが世界で一番良いものに映り自分でも所持してしまう現象。
普段LINEでビデオ通話をする時いつも娘②がバイキンマンを抱えていてそれが凄く可愛らしいものだと感じた母が、自分でもバイキンマンのぬいるぐみ(L)を購入していました、はい今年72歳です。
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妹の入院中、十六夜の晩に互いを想い合う宮沢賢治の童話のように優しくうつくしい姉妹だったはずがいざ退院して帰宅するとどうでもいい100均の玩具を取り合って死闘を繰り広げる姿は最早風流ですらあるし元気は結構ですけど蹴りはやめなさい蹴りは。
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ワーファリンを服用しているのでタンコブひとつが大事故の4歳が、ソファから落ちて少し頭を打ちまして、ああ祝日で病院は救急になるのにと私は焦るのに4歳は特に痛くはないらしく冷静で
「Hセンセイがいてるしダイジョブよ」
この主治医への絶大な信頼、祝日は当直やろと言うその実績(大体いる)