Shotaro TSUDA(@brighthelmer)さんの人気ツイート(古い順)

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オリンピックはナショナリズムを煽るという意見がある一方、むかしある先生が「戦争を始めるぐらいなら、スポーツでいがみあってエネルギーを発散する方がずっと良い」と言っていて、未だに自分のなかでは決着がつかない。
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ちょっと前に「憎悪クリエイター」というのが話題になった。要するに、集団間の憎悪をわざと煽る記事を書いてPVを稼ぐという話。1996年に出版された本(翻訳の出版は2003年)を読んでたら、米国ではその手の話はかなり以前からあったことが分かったので、ちょっと紹介。
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昨日の事件に関係なく、「経済的な不安定さと犯罪行為との間には関連性がある」というここと「抑圧された負のエネルギーが差別的な思想を通して特定の人々への攻撃につながる」ということは完全に両立しうる話なので、いずれの見方を取ろうとも他方を否定する必要は全くない。もちろん、経済的に不安定
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な人々の大多数は犯罪に手を染めないし、富裕な層が差別思想や犯罪に加担しないなどということは全くないというのは大前提。
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地雷本(政治や社会、歴史に関するもの)を避ける大まかな目安としては、①タイトルで何かを攻撃している、②タイトルに「真実」が入っている、③短期間のうちに同じ著者が何冊も出している、ぐらいかなあ。
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しばしば「人は歴史から学ばない」と言われるが、外交史家のアーネスト・メイによると、外交政策(外交に限らずだと思うけど…)ではむしろ「歴史から歪んだ教訓を引き出してしまう」のが問題だという。
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ずっと前に読んだ、E.H.カー『新しい社会』(岩波新書、1953年)をパラパラめくっていたら、こんな箇所に横線が引いてあった。「歴史家が自分の仕事の中にある主観的要素をハッキリと意識することによって、自分自身の限界、自分の仕事の性格を一層よく知るようになる…」
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「『理論を持たぬ歴史家は、その空白を自分の偏見で埋める』とハンコック教授は申しております。声高に公平中立を宣言する歴史家こそ、最も疑わしい歴史家であります。」(p.150)
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むかし「文化資本が豊かな家庭は長く、複雑な構文で会話をする」というような話を読んだ。そこで「我が家の文化資本を高めるために、長い文章で話をしよう」などと思ったのだが、その効果がミリほども感じられないので、今では「ワロス」「ドゥフフ、大草原不可避」などと語る父親になってしまった。
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「PCがない世帯が増えている」というのがちょっと話題だったので、いちおうデータを。PCを保有している世帯は2010年には83.4%だったのに対し、2020年には70.1%。出典は令和3年度版情報通信白書。
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何かについて調べたいというとき、資料を4つの層に分けて考えている。第1層は入門書。大学の学部生ぐらいが読むことを想定して書かれたもの。これは意外とバカにならなくて、自分が知ろうと思う領域の全体像を知るうえで役立つし、第2層以降の読書案内にもなる。
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第3層は刊行されている回顧録、日記、報告書等。最近では図書館になくとも、海外の文献もネットで買えることが多いので、昔よりもアクセスが容易になったはず。そのぶん、読むべきものは果てしなく増えていく。
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第2層は専門書や論文。先行研究として挙げられるのはこのクラス。領域によっては膨大な数があるため、第2層を突破するのは大変。「これ、先行研究を読むだけで一生が終わるんじゃね?」という不安に陥ることも。それでも、主要なものはやはりおさえておきたい。
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あと、日本語文献があまりない領域の場合、海外の入門書クラスの文献をもとに日本語の概説書が書かれているケースもある。もちろん、日本語で読めるものを増やすのは大切なことなので、そういう概説書にもちゃんと意味はある。ただ、個人的にはなんとかその水準を越えたいと思っている。
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日記や回顧録に「本当のこと」が書かれているとは限らないというのは頻繁に言われるところだが、それでもちゃんとした研究書であれば、先行研究のほかに多くの日記や回顧録も参照されている。
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ここからがようやく本題なのだが、ネット言論だと「一次史料」が高く評価される傾向にあるし、第1層、第2層をすっ飛ばして、いきなり第3層や第4層に突撃してしまう人もいる。「先行研究は思想的に偏っていて、無価値だ」という価値判断があるのかもしれないが、やはりそれはまずい。
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それでようやく第4層、未刊行の資料。文書庫や資料館にいかないと閲覧できないもの。面白そうな資料とかをみつけるとワクワクする。が、それが論文になるかどうかは分からない。
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第3層、第4層の資料をその背景まで含めて理解するのはかなり難しくて、第1層や第2層をすっ飛ばすと、逆に「分析者の思想に合致するよう、読みたいように読んでしまう」という可能性が高まるんじゃないかと思う。
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あと、補足として、第1〜4層は必ずしも時系列的に並んでいるわけではなく、第1、2層のものを読みながらも、第3、4層を読んだりするケースも多いはず。それを繰り返して、全てを網羅するのを「諦めたらそこで研究終了ですよ」みたいな。(おわり)
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というわけで、何が言いたいかというと、「一次史料」に目を通しているからちゃんとした研究だというわけでは必ずしもなくて、むしろ先行研究をきちんとおさえているかどうかがより重要なのではないか、ということ。
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こういう問題も、何十年か経ったら「実習生もちゃんと契約に合意しているのだから、問題はない」「いつでも逃げ出すことができた」とか言われちゃうのかなあ。www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
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米国の名前のややこしい新聞(一部修正)。こうやって並べてみると、ニューヨークポストのロゴが分かりやすくタブロイド紙なので、ある意味では好感がもてる。
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政治報道が政局報道に傾斜していれば、野党が何をやっても埋没するのは避けられない。政局で言えば、次の総理が誰かを決める人間ドラマ以上に盛り上がるものはないのだから。それを改めるには、政策ベースの報道が必要になるわけで、それには今の政治報道を根底から変える必要が出てくる。
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日本の政治報道は政治家の人間関係を扱う政局報道に傾斜しすぎていると何十年も前から言われていて、野党の側のイニシアティブでそれを変えるのは、おそらく至難の業です。 twitter.com/SentMantNamuB/…
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論破する/されるみたいなモードだと、間違えた情報を流すイコール敗北という感じになるので、間違いを素直に認めるのが難しくなってしまう。本当は「そこ間違えてますよ」「あ、ほんとだ、ありがとう」「いえいえ」ぐらいのコミュニケーションがいいんだろうけど。