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昨年以来ジェンダーの視点からイギリス史を再訪してみてわかったことの一つに、女性の経験とスキルが男性に都合の良い形で「女性あるある」的なステレオタイプで置き換えられてしまう、という問題があります。例えば男性が普段行かない魚屋で刺身を買ってくるシナリオを考えてみてください。
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最近日本のジェンダー格差について調べていて勉強になったこと。女性が社会進出したと言うよりは、むしろ男性労働者の立場が不安定化してきており、男性の労働環境が悪化することで結果として男女格差が減っている、という指摘です。
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4月からジェンダーの視点(女性だけでなく、男性性についても)意識して授業を組み直してきました。それと最近、新しい研究テーマとして近世イギリスのジェンダー、特に1630年代の洗濯婦と石鹸の使用について調べているのですが、色々気づきが多いので、忘れないように記録しておきたいです。
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ひろゆき氏の辺野古からのツイート、理解を欠いたひどいものだと思うけれど、取材企画を統括するディレクター的な方もおられるはず。そういう人がOKを出していたのだとしたら、メディアの問題でもありそうです。炎上させて、その後関係者や識者を招いて「激論」を交わすという魂胆ならあまりに安易。
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#日本学術会議への人事介入に抗議する
#自由な学問は豊かな未来の源泉です
学生のみなさんもぜひご賛同ください。
時々の政権の顔色を伺いながらしか研究を出来ない忖度だらけの教員たちに授業を受けるなんてことになったら、最悪じゃないですか。 そうなってる国はすでに東アジアでもありますよね。
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ホロコースト否認についての実際の裁判をテーマにした映画『否定と肯定』(Denial) 、なんと無料で見ることが出来るらしい。 26日(木)まで。 家にこもって視聴しよう!
gyao.yahoo.co.jp/episode/60e2a3…
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週2度のペースで進む学部講義が7回まできてほぼ折り返し地点なので、参加した学生に #遠隔授業の利点と限界 について感想を共有してもらいました。 予想に反して、ほぼ全員が遠隔授業のメリットを実感しているとの答えでした。以下、何点か紹介します。
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一言でいえば、女性たちの経験や暗黙知はあまり記録に残らず、「女ってこういうもの」というステレオタイプ的な記述ばかりが残されていくのです。
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そして「あたかも」女性達が男性の親切心を理解しないことこそが問題であるかのようなことを語ったりするのです。さて、記録の大半が男性たちによって残された社会でこの事例のような「置き換え」が繰り返されたとしたら、その場合、どんなことが起こるでしょうか。
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石原慎太郎氏は健康だった頃、女性や障害を持つ方々を生きる価値のある人間とない人間に分けていたらしい。けれど自分が脳梗塞の後遺症に悩まされると、今度は恐怖を感じるようになったという。要/不要を区切る考えはいずれ自分に帰ってくる。是非読んでほしい
tokyo-np.co.jp/article/3347
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「多様性」という言葉は、そもそも組織や社会慣習に埋め込まれた男性優位の構造を是正するためにビジネス用語としても使われるようになったものです。これをふまえずに優位なグループ内部の「多様性」を取り上げるのは的外れです。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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本来はそこに存在したはずの女性たちの知見や経験が、男性たちに都合の良いステレオタイプによって「塗りつぶされて」いく。そんな社会の力学が、段々とみえて来ました。
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紅茶大好きなレイシストがBlack Lives Matterを支持しないブランドを探そうとするも次々に公式アカウントから「うちの商品は飲まないで」と言い渡されて困ってる(笑) イギリスの会社は強い! twitter.com/hassanshabir78…
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つまり、この事例では、刺身の品質や購入に関わる暗黙知を持たずその知識の蓄積にも無自覚な男性が、低品質の商品を高価格で買った、ということになります。しかし、自分の失策を責められた男性は、女性たちの賢い判断やその背後にある暗黙知について語る代わりに、女性の言動に問題を見出します。
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政府の提灯持ち的アカウントが法人だったみたいだけど、氷山の一角なのでは。 世論喚起の一環として結構な規模のビジネスになっていると想像します。
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この状況で五輪やるとか医療従事者確保とかよく言えるよ。有権者は黙って忘れるとでも思っているのだろうね。
www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
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読んで衝撃だった読み物として、思想 2020年1月号に入ってる姫岡とし子「ジェンダーの視点からみたヨーロッパ近代の時代区分」があるんですが、オンラインで入手できないものですかね。授業でも読んだのですが、「常識を覆された」と学生からも評判でした。多くの人に読んでほしいです。
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僕もジェンダーついて長いこと向き合ってこなかったけれど、専門外だからそのことは傍においておく、というのはやっぱりまずいのだ、と思うようになりました。男性にあてがわれてる社会的役割や期待感を内面化したり再生産したりモヤモヤ感じている時点で、男も皆ジェンダー当事者なんです。
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これって本当に過去の産物なんだろうか? そんな風に思います。 今でもさまざまな紋切り型があふれていますよね。 SNSはそういった乱雑なものの見方の宝庫です。 そういうレッテルが貼られる時に「ぬりぶされている」経験はないか。そう問いかける必要がありそうです。
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女性(妻でしょうか)に問い詰められます。「で、そんなものにいくら払ったの?」
さて、男性はこうした経験をどのように理解し、記録するでしょうか。「ああ、口うるさいヤツだ」「女は不平ばかり言う」などと、言う。そんな事例が過去のケースから出てきたのです。
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ひと昔前の日本では、食事の支度と買い物の多くは家庭の女性が担っていたとします。材料の調達、品定め、価格交渉などのほとんどを女性たちが行っていて、魚屋では新鮮な魚の選び方、良い部位を売ってもらうためのコツ、値引きの仕方等について女性たちは経験とノウハウを共有しているとします。
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そこで一家の男性が、仕事帰りに通りがかった魚屋で刺身を買って帰って来ました。本人は、自分が「せっかく買ってきた」のだから、家族に喜んでもらえるだろうと思います。 しかし、普段から刺身を買っていないので、売れ残りを割高でつかまされてしまいます。帰ってきて自慢げに刺身を見せる男性は、
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自己啓発書ばかりを百冊並べた読書案内を見かけました。ショーペンハウエル『読書について』の一節を思い出します。『良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。』
ショーペンハウエル『読書について 他二篇』岩波文庫、134頁