草木のこと(@herecomethewar1)さんの人気ツイート(古い順)

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Rosmarinus officinalis L. ローズマリー Rosmarinusには「海の雫」という意味があるらしい。和名は迷迭香。ヨーロッパでは悪魔から守ってくれる不思議な力を持つ植物と信じられていた。香辛料としての利用だけでなく、薬用植物としても研究されており、当に我々を守ってくれる植物言える。
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Pecteilis radiata サギソウ、別名サギラン。湿地性ラン科の多年草。台湾、朝鮮半島、日本に分布。スズメガを媒介者とする、スズメガは長距離の移動も可能なため点在する湿地の個体群の間でも遺伝子交流は活発。2002年まで190円切手のデザインに使用されていた。準絶滅危惧種の指定を受けている。
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Anemonopsis macrophylla レンゲショウマ、花は蓮に似て葉はサラシナショウマに似ているということで蓮華升麻。キンポウゲ科の一属一種、東北南部〜近畿地方にかけての太平洋側にのみ見られる。複数の地方自治体から絶滅危惧種の指定を受けている。直径4センチほどの花だけど、何とも趣きが深い。
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Taxus wallichian インドイチイもしくはヒマラヤイチイと呼ばれるイチイ属の一種。イチイには抗がん剤の原料となるタキサン類似体が含まれている、同時にタキシンなどの有毒アルカロイドを含む。果肉は甘く食用や果実酒として利用されるが果肉以外の種子や葉など植物全体にタキシンは含まれる。
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Coprinus plicatilis ヒメヒガサヒトヨタケ、漢字で書くと「姫日傘一夜茸」柴田錬三郎か山田風太郎の妖しい忍者小説にありそうな名前。図鑑で調べると食用価値なしとあっさりと切り捨てられてしまった。朝に開き午前中には萎んでしまう傘。儚い女忍者。
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Cananga odorata イランイランノキ、中枢神経をリラックスさせるとアロマセラピーでもその精油が利用される。しかし科学的にはリラックスと言うよりも刺激作用をもたらすはずとの意見があり、鬱状態の軽減などの効果が期待できる。イランイランとはタガログ語で「花の中の花」の意味。
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Adansonia サン・テグジュペリの『星の王子さま』では、星を破壊する邪悪な木として描かれたバオバブ。実はオレンジよりもビタミンCを牛乳よりもカルシウムを豊富に含む有用な植物。2004年に浜名湖花博においてはじめて日本の屋外開花に成功した。樹形と同じく花もまた少し変わり者。
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虫瘤、昆虫、線虫、菌類、細菌などの寄生によって葉や果実などが異常な発達を起こし出来たコブ状の突起のこと。最近スナヅルという蔓性寄生植物が寄生すると、この虫瘤の中に寄生する虫をミイラ化してしまうという現象が確認されたそうで、なんだかトムとジェリーの追っかけっこみたいだなと思った。
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Commelina communis ツユクサ、朝開き昼頃には萎んでしまうその花を朝露に喩えた名前。古くは月草の名前で万葉集などに記された。これは花の色が着きやすいことに由来するらしい。道端で見慣れたこの花も、下痢止めや解熱効果のある薬草。また開花時間の短さからか自花受粉する機能を持つ。
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Xylaria polymorpha マメザヤタケという和名は豆鞘に似ているということなんだろうけど、英語圏の「dead man's fingers(死者の指)」という呼び名を知ってしまうとそうとしか見えない。地中からゾンビが這い出てくる姿が想像出来てしまう。このキノコを見て美味しそうと思う人は少ないだろう。
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Phallus indusiatus キヌガサタケ、レースのヴェールを纏ったようなキノコ。この外見から食用キノコと言うと驚かれるかもしれないが、中華料理などでは高級食材として扱われる。胞子を運ばせるために風ではなく昆虫や小動物を利用するため独特の異臭を持つが、食べる際はこの異臭の元を外す。
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Trichosanthes cucumeroides カラスウリ、原産地は中国・日本。夏の日没後白い花を開き夜明け前には萎んでしまう。レースのような細く白い網は夜行性の蛾を引寄せる。赤い実の中の種が打ち出の小槌に似た形であるため金運の縁起物として重宝される。中国では生薬として利用されているらしい。
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Dionaea muscipula ハエトリグサ、北アメリカ原産の食虫植物。見た目あまりに凶暴な葉のイメージが強烈なため、その花の姿を思い浮かべることができる人は少ないのではないだろうか?純情そうな女の子が右手に青龍刀、左手に爆砕スイッチを握っているのを見てしまったくらいの衝撃。
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jacaranda mimosifolia ジャカランダ・ミモシフォリア、和名はキリモドキ。花の見た目が桐に似ていることから。英語ではfern tree(羊歯の木)という、葉の見た目が羊歯に似ているからだと推測。文化によって着目するポイントが違うのか、単に命名者の感性の違いなのか。どちらにしても面白い。
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hyper- accumulator ハイパー・アキュムレータ(重金属蓄積性植物)、動物と異なり植物の栄養源はすべて無機物である。そして中には栄養源以外の重金属まで体内に取り込んでしまうものもあり、土壌汚染された土地などの浄化を期待したりもする。人の手で汚しておいて何期待してんだって話だけど。
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Actinidia polygama マタタビ、別名 夏梅とも呼ばれる。北海道から九州にかけて分布。猫にマタタビ、なんて言われるがその果実を見ると猫じゃなくても唆られる。中を切って見るとキウイそっくり。食べることは出来るが、美味しくはない。虫瘤の出来た果実は生薬としても利用される。
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cornus kousa 山法師の果実、ゴツゴツした見た目に反して熟した果実は皮ごと食べることが出来るほど柔らかい。果肉はマンゴーを思わせるような甘味を持ち、果皮はザラメをまぶしたような食感。街路樹にも利用されるこの樹木、見かけたら一つ口にしてみてはいかがでしょう?ジャムにしても美味しい。
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Taxus cuspidata イチイもしくはアララギ、中部地方以北では庭木や生垣にもよく使われるため馴染みのある木だと思う。この果実も甘く食べることが出来る。ただし種子にはタキシンという有毒成分が含まれるため注意が必要。数粒も飲み込んでしまうと中毒症状から麻痺を起こし呼吸困難に陥り死に至る。
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Asteraceae キク科の植物は植物の中でも最も分化し最も進化した一群だと言われる。確かに世界からキク科の植物が消えてしまったら、随分と寂しくなってしまうだろう。春のタンポポも夏のヒマワリも、あの花もこの花もなくなって世界からおよそ2万種の植物が消えてしまうことになる。
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Mycena lux-coeli シイノトモシビタケ、漢字で書くと「椎の灯火茸」。日本にのみ見られる発光性茸、種小名のlux-coeliはラテン語で「天の光」を意味する。朽ちた椎の幹に発生することが多いため椎の灯火なんて名前が付けられた。1950年に伊豆諸島八丈島で発見された。食用茸ではない。
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Nepenthes hemsleyana ネペンテス・ヘムスレヤナ、ウツボカズラ属。蝙蝠と共存する植物。写真は蝙蝠を食べているのではなく、蝙蝠がこの花を寝ぐらにしている様子。寝ぐらを提供する代わりに蝙蝠が落とした糞を養分として吸収する。花にすっぽり収まった蝙蝠が有袋類の赤ちゃんみたいだ。
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steve axford スティーブ・アクスフォード、オーストラリア ニューサウスウェルズに住む写真家。もしかすれば誰も気付かず見向きもしない菌類、キノコを、これだけ美しく記録する写真家は彼だけかもしれない。朝の通勤ラッシュにうんざりしても、明日なんて来なければいいと思っても世界は美しい。
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Bassia scoparia ホウキギ、箒木と言っても樹木ではなくヒユ科の一年草。アジア原産でその名の通り乾燥させた茎を束ね箒としていた。また果実は秋田の郷土料理「とんぶり」の材料として利用される。それとは別にこんな丸っこいのがコロコロしていたら可愛いし、秋に紅葉して真っ赤になるのも良い。
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Trichosanthes cucumeroides カラスウリの実、赤く熟した実は美味しそうに見えるのだけど、果肉を舐めた瞬間は甘く感じるが後から苦味が襲ってくる。一般的な味覚の凡人には無理がある。烏瓜と言われても烏だってあまり食べちゃいない様子。中の種は打ち出の小槌に似た形のため金運の縁起物らしい。
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Lupinus ルピナス、園芸植物としてよく知られるが大豆アレルギーを回避するための代用食物の原料になる。但しアルカロイドを含むため、きちんと処理して利用しないと危険。かのアルセーヌ・ルパンが隠居した家の庭にこの花を植えていたという。自分の名前と同じ花、怪盗も粗末には扱えないよね。