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「前人みとう」の漢字表記は、「未到」は主として業績・記録に、「未踏」は主として土地に、と使い分けています。
mainichi-kotoba.jp/photo-20200701
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中学生のAくんは、漢字の読みを聞く設問で稲妻(いなずま)を「いなづま」と書いて減点されてしまい、納得がいきません。「なんで『稲』と『妻』なのに『いなづま』じゃないんだろう」。あなたはAくんの疑問に答えることができますか?
mainichi-kotoba.jp/blog-20140222
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しばしば混用される「おざなり」と「なおざり」。すべきことに対して「おざなり」は「全くやらないわけではないけれども、いいかげんに済ませる」、「なおざり」は「放置したりおろそかにしたりする」という意味合いが。ニュアンスの差はおろそかにしたくないものです。
mainichi-kotoba.jp/enq-325
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フリー校閲者が主人公の川上未映子さんの小説「すべて真夜中の恋人たち」英訳版が全米批評家協会賞の最終候補になりました。校閲者の実感が文学の言葉に昇華され、すべての校閲者が読むべき本だと思います。
salon.mainichi-kotoba.jp/archives/180809
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「けが人がタンカーで運ばれる」などと書かれているのを何度か見たことがあります。「タンカー」が「担架」のことだと気づくまで少し戸惑いましたが、最初に耳で覚えた言葉の場合、そういうカタカナ語なのだと思い込んでしまうこともありそうです。
mainichi-kotoba.jp/photo-20211010
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「鬼滅の刃」の主人公「竈門炭治郎」の「竈」が時々、異体字の「竃」で出てくるので、目をこらして確認しています。手書きで指摘するのも、ちょっと大変です。「炭治郎」も「炭次郎」と間違っていることがあります。こちらは「長男だから」次郎ではないと覚えられそうです。
mainichi-kotoba.jp/photo-2021031
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しばしば見かける逆接の「……にも関わらず」は、新聞では「……にもかかわらず」と直します。その理由を詳しく解説します。
mainichi-kotoba.jp/blog-20190720
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「女医」は「女性の医者」という意味の言葉ですが、男性の医者を「男医」とはいいません。「女医」は「医者は男性がなるもの」という古い意識に基づく言葉といえます。今の時代、性別を記す必要がある場合は「男性医師」に対応する「女性医師」でよいのではないでしょうか。
mainichi-kotoba.jp/photo-20211127
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「広島風お好み焼き」と言うと広島の人は怒るので「広島風」は取った方がよいかと聞かれました。筆者は広島出身ですが、「広島風」でよいと答えました。この問題はよく話題になり、「広島流」という言葉も生まれています。広島サミットを前に調べました。
salon.mainichi-kotoba.jp/archives/186099
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難しい「まざる」の使い分け。交は「とけあわないまじり方」、混は「とけ合うまじり方、容易に元の状態に戻せないまじり方」というのが基本です。
mainichi-kotoba.jp/photo-20200919
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三省堂国語辞典は8年前の7版で「美人が7人もいなくなった」と話題になりました。「古めかしく感じられたり、昔の男性目線で書かれたりした用例だった」という考え方で用例から「美人」という語を削除したのです。今回の8版でも、そうした考え方をさらに進めています。
mainichi-kotoba.jp/blog-20211229
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「ボトムスを履く」という書き方。「履」は靴などを足につける時に使う漢字で、ズボンなどを身につけるときは「穿」を使います。新聞では「穿」が常用漢字ではないので平仮名にします。
mainichi-kotoba.jp/photo-20171012
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「欲しい」は、「~が欲しい」という場合は漢字ですが、「~してほしい」など動詞に付いて「そうしてもらいたい」といった意味になる場合は平仮名にします。こういった付属的な意味を添えるため補助的に使われる語は漢字にしないのが基本になっています。
mainichi-kotoba.jp/photo-20210829
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「ググる」という言葉が辞書に載るほどグーグルで検索する人が多くなりましたが、果たして校閲の調べ物にグーグルは向いているのでしょうか。最近調べた検索結果では目指す情報にすぐにたどり着けず、他社の方が速かったことをご報告します。
mainichi-kotoba.jp/blog-20220417
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「従来から」は重言で、「従来」だけで十分です。「以前から」と書き換えてもよいでしょう。
mainichi-kotoba.jp/photo-20200819
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予想の「斜め上」という場合の意味は、「意外で予測不能」を選んだ人が6割と圧倒的でした。まずは驚きを表す言葉であるようです。気になる由来については、ついにこの用法を採録した近刊の「三省堂国語辞典」8版で触れられています。
#ことばの質問 結果と解説mainichi-kotoba.jp/enq-399
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「とうとい」は意味によって使い分けています。尊敬、尊重する意味では「尊い」ですが、貴重という意味合いが強いときは「貴い」。
mainichi-kotoba.jp/photo-20200617
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いわゆる“オタク”層で主に使われてきた「推し」。どれだけ一般に理解されているかという質問でしたが、「意味がわかる」とした人はなんと96%。すっかり浸透した様子がうかがえます。
mainichi-kotoba.jp/enq-372
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「校閲は新人とベテランが全く対等。できるかできないか、ただそれだけ」
mainichi-kotoba.jp/blog-20190105
#プロフェッショナル仕事の流儀 に出演した #大西寿男 さんをはじめ、出版校閲者の方々と2018年に語り合いました。
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「何をどうやって調べたか、そのプロセスが引き出しになってあとで生きてきたりします」
mainichi-kotoba.jp/blog-20181229
#プロフェッショナル仕事の流儀 に出た #大西寿男 さんををはじめ、出版校閲者の方々と2018年に語り合いました。
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鳥の「はね」。つばさという意味なら「羽」ですが、バラバラになったものは「羽根」と書きます。「扇風機のはね」のような、羽根形の器具・部品も「羽根」。でも「はねを伸ばす」のような比喩は「羽」です。どっち?と時々こんがらがりそうになります。
mainichi-kotoba.jp/photo-20210915
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複数の内容を並べる場合、「~たり、~たり」を省略せずに書くのが正しく、小学生向けの全国学力テストで書き直す問題が出題されたこともあります。省略しない理由を考えてみました。
mainichi-kotoba.jp/blog-20160116
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ワクチン接種を受けた後に発熱したり接種部位が腫れたりするのは「副作用」ではなく「副反応」と言います。新型コロナウイルスのワクチン接種が各地で進められていますが、副作用と副反応の違いは押さえておきたいところです。
#再思三省
mainichi.jp/articles/20210…
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地域で開かれる「○○フェスティバル」。かつてよく「○○フェスタ開かれる」と見出しがつき、校閲から「その二つは別の言葉ですよ」と直すように何度もアピールした。外国由来の言葉は日常会話でもよく使うが、元の意味を正確に捉えておかないと、誤解や間違いの元になる。
mainichi-kotoba.jp/blog-20221030
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缶ジュースなら「1本、2本」と数えますが、空き缶になると「1個、2個」に。私たちは「容器と中身の関係を無意識のうちに感じながら数え分けをしている」(飯田朝子著「数え方の辞典」小学館)ようです。
mainichi-kotoba.jp/photo-20200308